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2006年11月11日

「アナザー・カントリー」マレク・カニエフスカ

アナザー・カントリー.bmpアナカン.jpg

もはやゲイ・ムービーの古典ともいうべき作品です。
これを観た当時、小説や少女マンガで知ったパブリックスクールでの若者達の愛の物語をこんなに美しく映像化できるなんて、と驚きました。
ガイ・ベネットを演じたルパート・エベレットは後に自らゲイであることをカミングアウトしました。
が、この時はまだ知る由もなく規律の厳しい学校内の権力争いに苦しみながらも男性を愛し続けるガイを演じる姿に感心したものです。
とはいえ私が好きだったのはガイの友人役を演じたコリン・ファースでした。上流階級のためのパブリックスクールで学びながらも共産主義に傾倒しているトミー・ジャドを演じる彼は今観直してもその端正で知的な横顔に見惚れてしまいます。
共産主義を表した破れた服。マルクスの「資本論」を読み、レーニン像を常に携える彼。クラスメートへの辛辣な物言いも若者らしくとんがっていて素敵なのでした。
(そしてコリンのしぐさ。本を読んだりメガネをはずしたり腕を組んだりといったさりげないしぐさがなんとも言えず綺麗なのです。シーツを畳む時ヘリをちょっとくわえるのも可愛かったですね。そして親友ガイの突飛な行動や言葉に苦笑するのがまたよいのでした)

この作品はもともと舞台なのを映画化したものなので登場人物が対立して討論するという形が多いのですがそれも閉じられた学校の雰囲気が出ています。
ガイは包容力のある親友のジャドでさえ同性愛には結局理解がないのだから世の中には認めてもらえないのだ、と苦悩します。現在のイギリスは随分オープンになっているようでまた驚きますがこの映画の頃はまだまだ圧力が大きかったことが伺えます。
オープンになってきたのはごく最近の事なのでしょうか、よく判りませんが。と言ってもこの映画の中でも主人公ガイと肉体関係を持った学生は結構いたように言ってるし、父親なら何をしてるかわかるだろう、と言うセリフでそういう行為が伝統的に隠れながら行われていた事を匂わせています。

エリートの道を捨てスパイとなりロシアに亡命した実在の人物ベネットに女性インタビュアーがその理由を聞く、という形式でこの物語は進みます。
スパイ活動の話はなくパブリックスクールでの彼の苦悩する若き日に焦点を絞ったこの作品は青春の物語として優れた作品の一つでしょう。

監督:マレク・カニエフスカ 製作:アラン・マーシャル 出演:ルパート・エベレット、コリン・ファース、ケーリー・エルウィズ
1984年イギリス

これを観る前は私にとって「アナザー・カントリー」といえばアメリカ小説ジェームズ・ボールドウィンの「アナザー・カントリー」でしたね。こちらもゲイの小説で私の好みの世界といえばむしろこちらの「アナザー・カントリー」なのですが(黒人・白人・アメリカ北部南部・フランス人などの男女が交錯するゲイ小説ですが今、読むことはできるのだろうか?)当時は二つの「アナザー・カントリー」に挟まれ幸せでした(笑)(中身はどちらも苦悩してんのに)
余談でした。

追記:余談の余談。
ジェームズ・ボールドウィンの「アナザーカントリー」で検索しても何も出てこないんだけど(困)こんな記事が→ジェイクの愛読書!
ジェイク・ギレンホールはJ・ボールドウィンの「アナザー・カントリー」を愛読してたのか!急にジェイクのファンに(笑)いやあ、同志がいてうれしい。素晴らしい小説ですよね(ジェイクに話しかけた)あの中ではあなたは誰をやりますか?
(全然違う話題になってしまった)


posted by フェイユイ at 23:56| Comment(10) | TrackBack(3) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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