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2006年11月22日

「ゲッタウェイ」サム・ペキンパー

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これもまた70年代アメリカの名作である。こちらは観た覚えがなかったのだが、この面白さというものは現在の映画には求めてもあり得ないような気さえする。
ペキンパーの作品を幾つか観てきたが、私が観たものはどれも男女の愛というのが重要なテーマになっていた。それも大人同志の愛情という感じ。
「ゲッタウェイ」では夫婦であるドク(スティーブ・マックィーン)とキャロル(アリ・マッグロー)の愛が描き出される。
刑務所に入れられたドクは4年間を過ごしたところで地方政界の実力者ベニヨンと取引し出所することになる。その取引とは出所と引き換えに銀行強盗をして奪った金をベニヨンに渡すというものだった。だが実際は妻キャロルがベニヨンと性的交渉を持ったからこそできた取引だったのだ。

事実を知ったドクは怒りキャロルに平手打ちをする。若い時観てたら、助けたキャロルを叩くドクに反発を覚えただけだろうが、今は二人の苦しみが判る(気がする)金を奪い、人を殺し逃避行を続ける二人。キャロルがいなければ駄目なんだと気づくドクとそんなドクを許し愛し続けるキャロルの姿に他にないほど見惚れてしまった。
ゴミ収集車に入り込みゴミ捨て場に放り出され汚れきって愛を語る場面は秀逸である。
そして悪事を働いた二人がメキシコへ逃げ延びたラストにほっとしてしまうのだ。

ラスト近くの有名な銃撃戦は多くの人を唸らせ模倣されていると思うが、この渋いかっこよさはたまらない。決して気をてらっているわけでもない演出なのだがリアルであってしかも惹きつけられる。
マックィーンの魅力は申し分ないだろう。無口で落ち着いた雰囲気なのにワイルドなのだ。何となく高倉健の持ち味に似てる気がする。
アリ・マッグロー、当時有名だったけど日本ではそれほど人気はなかった(ような気がする)気が強そうな割にはどたっとしたイメージだったのかな。今、観てるとこのキャロル役はとてもぴたりと決まっていて素敵だ。

さて、ペキンパーの映画の特徴としてメキシコへの憧れ、というものがあるようだ。息のつけないアメリカから自由なメキシコへと逃げる。特にこの映画ではメキシコで平和な家庭を築こうとする男女が極めて希望に満ちてトラックで走り去る。
美しいラストだ。

監督:サム・ペキンパー 出演:スティーブ・マックィーン、アリ・マッグロー、アル・レッティエリ
1972年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:50| Comment(4) | TrackBack(2) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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