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2007年01月27日

「2999年異性への旅」マイク・ニコルズ

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「大人のコメディ」なんていうとエッチなものか人生哲学めいたものになるわけだが、立派にその二つを兼ねている大人のコメディなのだった。

地球から遠く離れた彼方に男性しかいない惑星があった。といってもその星の男性にはすでに生殖能力が失われているのだ。彼らはクローン繁殖をしてその種を存続していたのだが、さらに全宇宙を支配する為に地球の女性に子供を産ませてより繁栄しようという計画を打ち出した。
かくして一人の宇宙人(て言い方もおかしいが)が、地球女性を妊娠させよ、の使命を受けた。生殖の為の男性器を装填された彼はハロルド・アンダーソン(ギャリー・シャンドリング)と名づけられ、地球へと飛んだ。

彼の頭には地球に関する情報は充分に入っているはずなのだが、その会話はどうにもとんちんかんでおかしい。果たして彼は無事任務を遂行できるのだろうか?

女を口説いて妊娠させるのくらい簡単、と思っていたハロルドだが実際の女は教材どおりには反応してはくれない。まったく厄介な動物だよ、とハロルド(男)は思っておるわけですな。
つまりは宇宙人と地球の女になぞらえることで風刺しながら男女の愛のあり方を描いたものなのであった。しかもおかしく。

使命が使命なので女性を「そんな目」で見回したり、従ってエロチックであったりシモネタな展開になってしまうのでどうしても「ゲスな評価」を受けがちだと思うが、少なくともある年齢以上ならこうしたやりとりには意味があることはわかるだろう。単に筋書きだけの問題ではないのだ。

子供が出来なかったらどうなっただろう?という疑問もわくにはわくが、宇宙人ハロルドと地球女スーザンの愛の物語が楽しくおかしくせつない。
全宇宙支配の使命に反抗して誘拐された我が子を取り戻すハロルドに思わず拍手。
息子を生ませた後、宇宙の彼方に去ってしまった夫に怒りをぶつけながらも「愛がどういうものなのか、私にもわかっていない」とハロルドを受け入れるスーザンにも同感。
彼が連れ戻してきたベイビーをママが抱きとった時はうれしかった。

キャラクターが秀逸で宇宙人ハロルドのギャリー・シャンドリングが言葉は通じるが意思が通じ難いおかしさを表現していて面白い。あの笑顔が気になる。
彼と結婚して子供を産む事になるスーザン(アネット・ベニング)が凄く可愛い。彼女は断酒会でハロルドと出会う(こともあろうにペリーはハロルドを連れてナンパ目的でそこに行くわけ)今までの無軌道な人生をやり直そうと思っているのだ。だからこそ結婚して子供を作りたいと最初から願っているハロルドに好感を持ってしまうわけだね。彼とのやりとりに戸惑ったり、怒ったり、妊娠した時に喜びのダンスを踊ったり、感情表現が豊かで可愛い女性とはこういうんだろうな。
ハロルドに地球の女を紹介する役となるのが会社の同僚・ペリー・ゴードン。「ふたりにクギづけ」のお兄ちゃんのグレッグ・キニアだ。この時は女ったらしな役なせいか(ん、あれもそうだったっけ)ハンサムである。その妻役がリンダ・フィオレンティーノ。
宇宙人の指導者にベン・キングズレー。私はいまだにガンジーのイメージが。ここでもスキンヘッドであるし。

それにしても「感じる」と(つまり勃起すると)ウィィィィンと鳴り出す男性器が笑える。改善するはずだったのにハロルドの2度目の結婚式(相手は同じ)に参列した仲間もみんなウィィィィンしてた。物凄く科学が進んでるはずなのに。
彼女を妊娠させてしまったら(任務遂行したら)トタンにぐーたらしてテレビの前に寝転んでスナックかじってばかりの夫。宇宙人も地球人も一緒と大笑いなわけなのだった。

監督:マイク・ニコルズ 出演:ギャリー・シャンドリング、アネット・ベニング、ベン・キングズレー、グレッグ・キニア、リンダ・フィオレンティーノ、ジョン・グッドマン
2000年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:40| Comment(2) | TrackBack(1) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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