楊過は大鷲のG兄と修行を続けていた。G兄のおかげで重剣の扱いも次第に上達してきた。
楊過はG兄に感謝しながらも腕の仇である郭芙に会い、姑姑を連れて戻ってくる事を約束した。
襄陽の城では郭靖と黄蓉が子供達と楊過のことで言い争っていた。郭靖はいつも冷静な黄蓉が何故子供の事になると判断できなくなるのかと問い詰めていた。そして黄蓉の口ぶりで郭芙が戻っているのに気づいた。
郭芙に会った郭靖は楊過が義侠心に厚く自分たちの命を何度も救ってくれた事若くして志の高い事を語った。郭芙が楊過の悪口をまた言うと、郭靖は楊過はその気になればお前の腕などすぐ切れたのだ、と言い自分がその腕を断ってやる、と剣を振り下ろした。さっと助けに入ったのは黄蓉だった。
郭芙に再び逃げるよう言い、郭靖が動けないように点穴した。
一部始終を楊過が聞いていた。
黄蓉は娘を城から外へ出した。
楊過は二人の後をつけた。黄蓉は郭芙似食事をさせながら一人旅の為の食料を買いに席を立った。
そこで黄蓉は偶然、李莫愁に出会った。その腕にはさらわれた赤子がしっかりと抱かれているではないか。
黄蓉は李莫愁の後を追った。
人里離れた場所で黄蓉は李莫愁を呼び止めた。赤子の事を訊ねると李莫愁はこれは小龍女と楊過の不義の子だと答えた。抱かせて欲しいと頼む黄蓉におかしなものを感じた李莫愁は身をかわした。黄蓉が追い、戦いが始まった。
赤子を庇う李莫愁に黄蓉は子供連れを倒してもしょうがない、その子供を始末してから勝負しようなどと言い出す。
黄蓉は藤蔓で赤子を取り巻いた。そして李莫愁にもう赤子には触れないと言う。
黄蓉は李莫愁がかつて父を侮辱したからと桃花島の技で赤子の回りに九宮八卦陣を張り巡らせたのだ。李莫愁は赤子の傍にどうしても近づけなくなった。
李莫愁がどんなに攻撃しても打狗棒を自在に操る黄蓉の敵ではなかった。放った毒針が李莫愁の手に刺さり毒が彼女の体を襲った。李莫愁は自分は殺されてもいいから赤子だけは助けて欲しいと言う。黄蓉は李莫愁の懐から解毒剤を取り出した。そして死の間際に娘を気にかけてくれたことに対し毒消しを飲ませた。
ほっとした黄蓉が襄の傍に寄ると娘の姿は消えてしまっていた。
李莫愁はいつも強くてなかなか誰も太刀打ちできないのですが、黄蓉とは雲泥の差のようです。滅茶苦茶かっこよかったです。
と言っても黄蓉は娘の命を救おうと必死だったでしょうから物凄いパワーが出ていたのだと思います。それだけに再びいなくなった時の動揺は可哀想ですね。
襄を盗んでいったのは楊過だった。赤ん坊を抱えて楊過は馬に乗り郭芙の前に出た。驚いた郭芙は剣を抜いた。
楊過は黙ったまま袖でその剣をばらばらにした。
郭芙は母・黄蓉と李莫愁が連れ立って来るのを見つけた。襄は楊過が連れ去ったのを告げ、毒消しの為に絶情谷へ向かったのだと言い張った。黄蓉は郭芙がまだ楊過のことがわからないのを咎め、楊過は自尊心が高く妹をさらったなどと言いがかりをつけられたのでさらったのだと答えた。ほとぼりが冷めれば戻してくれるでしょう。
そして郭芙に楊過は小龍女に会うため終南山に行くだろうから後を追って心を込めてあやまるのだといいつけた。
だが郭芙は向こうが悪いのに何故謝らねばいけないのかと言うばかりだった。
もうこの辺観ててはらわた煮えくりかえらない人いませんよね。わがまま娘とは知ってましたがここまでものがわからないとは。とても郭靖と黄蓉の子供だとは思えません。黄蓉ももう少し厳しく躾けて欲しいものです。
終南山では帰ってきた趙志敬と甄志丙を他の弟子達が出迎えた。師匠と私淑は修行中で甄志丙を教主代行として全権をまかせるよう言い付かったと伝える。
その様子を趙志敬はじっと見つめた。
重陽宮に戻った趙志敬と甄志丙は師匠たちが全真教の力の足りないのを案じ修行しているのだと知る。
そこへまたクドゥが登場した。大ハーンからの勅命を受け取られよ、と言う。
教主代行である甄志丙はひとまず皆で話し合ってからでないと受け取るわけには行かないと答え、クドゥを別室に待たせ協議に入った。
蒙古からの勅命を受けようとする趙志敬と別の弟子とのあいだで言い争いとなる。
そして敵である蒙古の勅命を受けるものは悪党であり、罪人だという言葉に趙志敬はかっとなり手を出してしまう。たちまちつかみ合いになり甄志丙はやめろと叫んだ。
久し振りのクドゥちゃん。かわいいですー。しかしいつもほんのチョイ役なんだよね。今回少しは長く出てくれるのかしらん。