情花の毒で気を失っていた天竺僧が目覚めたが李莫愁の暗器をこめかみに受けて倒れ死んでしまった。
公孫止は娘・緑萼に刀をあて裘千尺の攻撃から身を守ろうとする。
緑萼は楊過を見つめた後、父親の刀を自らの体に貫いた。死の間際にも楊過が毒消しを飲むことだけを願って。
緑萼、なんだか小さい時からいいことなかったんじゃないのかなー、いわばお姫様なのに、気の毒。
公孫止が崖の岩場に逃げ込んだために楊過・黄蓉たちはその様子を見つめるばかり。
そこで程が岩場に飛ぼうと試みるが公孫止に阻まれてしまう。
それを見た小龍女は公孫止の岩場へ飛び移った。
公孫止は妻にと望んだ小龍女の美しい姿に見惚れる。小龍女は楊過を夫と呼び、毒消しを渡たしてくれるよう頼むが公孫止がはいと渡すわけがない。小龍女はついに戦いを挑む。小龍女の武芸は美しく皆見惚れてしまう。
だが弱っている小龍女を心配した黄蓉は楊過に言葉で公孫止を動揺するようにと声をかける。黄蓉と楊過はかわるがわる公孫止の気持ちをかき乱すような言葉をかけるのだった。
二人の言葉は公孫止を惑わし小龍女を助けた。ついに小龍女は公孫止を崖から突き落としてしまう。だがあわやというところで体をつなぎとめ、命と毒消しを交換条件にした。
仕方なく公孫止は毒消しを投げる。
小龍女はそれを手にすると楊過の元へ戻った。楊過は小龍女が青ざめたのを心配し「半分の薬では二人の命は救えない。自分だけが生き残っても生きてはいけない」と言って毒消しを谷底へ落としてしまう。小龍女は気を失った。
ひえええ。なんと可哀想なことを。必死で手に入れたのに。せめて取っとくぐらいにしてはいけなかったのか?
公孫止は命からがら逃げ出し毒消しを渡すはずだった李莫愁に事の次第を伝えて去った。
李莫愁が大師の命を奪ったために毒消しを作れる望みも断たれてしまった。
絶情谷の屋敷が燃えた。武・父は李莫愁が暴いた陸展元夫婦の遺体の在りかを問う。李莫愁はとっくに焼いて捨てたと答える。
が、陸展元を思った時、李莫愁は気を失って倒れた。情花の毒が効いたのだ。
火事の中に愛した陸展元の姿を見た李莫愁は炎に身を投じてしまった。
楊過・黄蓉達が行く山の岩陰になぜか裘千尺が座っていた。そこへ公孫止がやってきて裘千尺への恨みを吐き出した。
裘千尺はからかうように公孫止をおびき寄せた。
公孫止は裘千尺へ飛びかかろうとしたが突如あった穴に落ちてしまう。それを見た裘千尺は喜んで近づくがその途端公孫止の袖が首に絡まり共に落ちてしまった。
黄蓉は小龍女に楊過を助ける方法を教える。亡くなった天竺僧の側に断腸草が生えていたのだ。それは劇薬なのだが、もしかしたら楊過を救えるかもしれない、というのだ。
だが小龍女が治らなければまた楊過は飲まないかもしれない。黄蓉は小龍女に楊過が飲むよう勧めて欲しいと頼んだ。
小龍女は引き受け、自分が死んだ後の楊過をよろしくと頼む。
小龍女は自分の死期が近いのを感じていた。
ラベル:金庸