映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年03月07日

「ゆれる」西川美和

観終わってすぐ正直な感想は「嫌いでした」ということです。というか始まってすぐ嫌いだと感じたのですが、評判になった映画なのでもしかしたらこれから感動するのかもと自分自身を説得し途中で終えたらいけないかと思い辛抱しました。いえ、正直言ってDVDの特典で1.5倍早送りにさせていただきました。
思うに私は他の方が退屈だと言われる映画をわりと面白いと感じるので退屈しない体質なのかと思っていましたが、この映画は非常に退屈でした。言わんとしていることが大体つかめてしまうようでしかもそのままだったので結末が来る事が苦痛でした。
観る前は、この映画に対し大変いい評価を聞いていたしキャストにも興味があったのでおおいに期待して観始めたのですが。
が、この映画に登場する都会=憧れ、田舎=惨め、人生・運命=どうしようもない、過去=懐かしさ・愛情、再生=希望、男と女=しがらみ、父=厳格、兄と弟=ケンカして仲直りといった事柄と図式があまりにも当然過ぎて、いやその当然が面白いのだ、と言われたらそれまでですが、つまらなく感じた時の情けない感想として「自分には合わない映画だった」と表現するしかないようです。ここまで紋切り型の造形というのを観続けるのは苦痛です。しかも皆醜悪な性癖の持ち主ばかりでそれが凄いという評判のようです。私もこのブログを見てもらうとかなり変てこな映画や変な人が出てくる映画を観ていてそれらが好きなのですが、この映画の登場人物・ストーリーはことごとく自分と相容れない方向に向いているようでした。
思えばオダギリジョーという人を私は結構好きでかっこいいとも思っていて気になる映画に出る人だ、というイメージもあるのですが、気になっているだけで実際観た映画はどれも私には得点が低いという変な状況の方であります。
私はこの映画について、ここが悪いここが下手だなどという論理は展開できません。
むしろ生理的に受け付けないというのが正しいようです。いわば世界観自体が嫌なのです。
私が嫌いだと思う世界がじっくり煮込まれて大盛りで出されさあ食えといわれたかのようです。
親父も兄も弟も女も従業員も嫌いなのです。
がみがみ怒鳴る親父は大嫌いです。
兄や女、田舎がいやなら出て行けばいい。何もしないくせにグチばかり言ってる人ほど嫌いなものはありません。そういうキャラクターを等身大の人間だの、共感できるだのリアルだのとはまったく思わないのです。世の中にはもっと田舎もあるし、恐ろしいほど縛られた生活もあるよ。自由に動く手足も目玉もついてるじゃん、動けよ。二人とも独身で何を悩むのか勝手に悩んでるだけ。もっと地獄に堕ちてみろよ。その生活くらい自由気ままな天国みたいにしか私には見えないんですけどね。もっとどす黒い心を抱えて焦土を歩まねばならない人もいるよ。病気でもなく借金もなく障害もなくまともな顔と体を持ちぐだぐだ言ってんじゃねえよ。
それともこの監督は田舎ものというのはこのくらい馬鹿な頭脳しか持ってない、と言いたいのかな。偉いもんだね。
器用に考える事のできない矮小な田舎者が嫉妬に狂って堕ちていく過程と再生を描こうとしてるのかもしれませんが説得されませんでした。弟が昔の映像を見て泣いてしまうのは却って心が冷めてしまいます。
冒頭の弟の態度も嫌でしたがこの映画のセックスシーンは最低におぞましい種類です。これもリアルなのでしょうかね。エロ親父に強姦されるシーンでもある方がなんぼかましです。この女、どうして兄と弟両方利用しないのか。つまんねえ女だな。セックスしたって絶対気持ちよくないよな、こいつ。
とにかく一番嫌いなのがこの死んだ女です。いじいじ考えて愛想笑いして兄貴にも弟にも思わせぶりでまったく殺してやりたいくらいでしたが死んだんでほっとしました。男について都会に出ていこうなんていまどき馬鹿じゃねえの。もっかい死ねよ。
したり顔で弟に苦言を告げる従業員もむかつく。自分で迎えに行けよな。
最後の場面は特にムカつきますね。車に轢かれてどっちか死ぬかな、と期待したのにがっかりです。どうせ笑うだろうなと思ったら本当ににやりとしたんで憎悪に燃えたほどです。
終わった時にはもうこの家族とも付き合わなくていいかと思うだけで幸せでした。さようならもうきみらとは会わないよ。
オダギリはもうこんりんざい観るのやめます。香川氏の上手だといわれる演技もうんざりです。やはりいい映画だとか言われても自分で見るまでは自分の好みかどうかはわからないものでした。
この映画のファンの人がこれを読んだら癇癪ばかり起こして何この感想、って言われそうですが、いやー、とんでもない。思ってる百分の一も言ってないけどさすがにそこまで言えないかなと思ってこれくらいに抑えております。
悪口をあまり書かないほうなのですがこればかりはムカつきましたね。これでこの映画とおさらばできる事だけが本当に幸いです。

監督:西川美和 出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧/田口トモロヲ/蟹江敬三
2006年日本


ラベル:家族 犯罪
posted by フェイユイ at 23:46| Comment(2) | TrackBack(2) | 新井浩文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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