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2007年05月03日

「白い家の少女」ニコラス・ジェスネール

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ウラディーミル・ナボコフの「ロリータ」をここ最近バイブルの如く読み返し、先日、キューブリック映画「ロリータ」と趣は違うが「ハード・キャンディ」など観たりして最近ちょっとロリコンなフェイユイなのである(只今、「エコール」を狙ってるんだが人気で借りれない)

だがしかし私にロリータを想い描かせる少女はなんと言ってもジョディ・フォスターなのである。
「タクシー・ドライバー」「ダウンタウン物語」で鮮烈な印象を与えたジョディは大人と少女の狭間の不思議なセクシュアリティを持っていた。ハンバート・ハンバートのお好みかどうかはわからないが、少女の目から観ても凛としたクールな美しさであった。
後から思えばそれは彼女がレズビアンでありどこか男を拒絶するような波長を帯びていることがジョディのミステリアスな美貌に作用していたような気がする。

そんな風にジョディ・フォスターが大好きなのであるがその割には彼女出演の映画は何故だか好みじゃない気がして「タクシードライバー」「ダウンタウン物語」「ホテル・ニューハンプシャー」「告発の行方」「羊たちの沈黙 」「マーヴェリック 」「コンタクト」「パニック・ルーム」くらいしか観ていない(充分か?)とにかく特に少女時代のジョディが観たくなってまず未見の本作を観る事にした。

観てみて色々な意味で興味深い映画だった。
なんだかとても奇妙な映画で時代のせいなのか解らないのだが、ジョディ演じる13歳の少女リンが住む一軒家に入れ替わり立ち代り訪問者があってこれが何のためらいもなく家に入り込んでくる。昔のアメリカってこうだったのか。戸口にはチェーンもつけてなくてさっと客を入れてしまうのがあまりにも無警戒で怖い。ハロウィーンと言う口実で簡単にドアを開けてしまうこと自体が危ない。70年代の田舎だからこういうものなのか。子山羊ですら狼が訪ねて来た時はドアを少ししか開けてないのにな。
しかもこの最初の訪問者、村でも少女を追い掛け回してる事で有名な男なのだがそれをマーチン・シーンが演じていた!物凄くねちねちと嫌味でムカつくのだ。ロリコン物にはこういうイヤらしい男が必需品なのであるがマーチン・シーンとは驚いた。
そのロリコン男のママがまた嫌な女。こちらもずかずかとリンの家に入り込んで、契約を取り決めているのに出て行けなどと言い出し、リンが13歳だと言うことで思い切り馬鹿にした態度。契約して金を払った相手に対してこの態度のでかさは不可解だがこれも70年代アメリカの田舎、ということで納得すべきなのか。こともあろうにこのオバサマ、リンの頬を引っ叩いたりするんだが(その意味もよく解らない)うーん、美少女物にはこういう意地悪なオバサンが必需品ということで納得するべきか。
次に登場。地元のおまわりさん。お父さんはいるはずなんだが一人ぼっちのリンを気にかけてくれる優しい男。とはいえやはり一人きりのリンの家に入り込んだりするんで「もしや」と気をもんだりしてしまう。その効果も狙っているのかいないのか。
リンが心許す少し年上の少年マリオ。片足が不自由なマジシャン。気が弱いのか、と思いきやリンを庇ってロリコン男に剣を向けたりする勇気を持つ。13歳のリンが相手だから精神的な愛情かな、と思いきやリンの方からメイクラブを誘う。代役(?)なのかどうか知らないが13歳のリンの裸の後ろ姿があり、露骨なシーンはないがベッドインするわけなのだ。13歳の少女のベッドインというのは結構驚きなんではないかと思うのだが、どうだろう。

一軒家に美しい少女が住んでいる。詩人の父親と同居なのだがその姿を見たものはいない。少女は父親が言い残した言葉を信じ、大人たちを敵視して一人で生きていこうとする。
海風がふく寒々とした光景は少女リンの心のように冷たく張りつめているようだ。
大人を敵視する13歳の少女ならリンと自分の姿を重ね合わせて見る事だろう。
そんなリンが心許したのは風変わりな少年なのだがリンのためにマリオは肺炎になってしまい、危険な状態にあるようだ。
リンはまた一人ぼっちで生きていかねばならないのだろうか。そのために彼女に害を及ぼす者たちを殺さねばならないのだろうか。
最後の美しいジョディのアップを観ながらこれは少女の物語だというだけでなく孤独な心を持つ女たちに共通する気持ちなのではないかと思ったのだった。
入れ替わり戸口を叩く男達、そして敵意のある女を相手になんとか智恵を絞り戦うリンの姿は痛々しい。

それにしてもお目当てのジョディ・フォスターの少女の色香というのはどうだろう。肩に広がる金色の髪。冷たい青い目と整った顔立ちなのにまだ幼いふっくらとした頬。小柄な未発達の肢体が少女らしい魅力を発している。あっさりしたセーターとスラックス姿。そしてダッフルコートの愛らしいこと。うんやはり惹かれずにはいられないではないか。
幼い美貌で観客を魅了していたジョディが今も変わらぬクールビューティであり続けているのは脅威としか言いようがない。
自分の出産や性指向をオープンにしないためミステリアスなイメージのままの彼女だがずっとそうであって欲しいとファンとしては思ってしまうのである。

監督:ニコラス・ジェスネール 出演:ジョディ・フォスター 、マーティン・シーン 、アレクシス・スミス 、モルト・シューマン
1976年アメリカ・カナダ・フランス


ラベル:犯罪 ロリコン
posted by フェイユイ at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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