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2007年06月11日

「ホテル・スプレンディッド」テレンス・グロス

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「魔の山」ならぬ「魔の島」という設定で単なるホテルじゃなく病人達を治療するためのホテルなのにますます重態になっていくようで怖ろしい。こんなに隔離された土地でなく案外自分たちの家でも同じような事が起きているのでは?という問いかけもあったりしないだろうか。

イギリス風ゴシックの味わいとおぞましい笑いに満ちた一作である。長男の狂気はいかにもサイコですよと口紅まで塗っていたりするから判りやすい。妹コーラは本当はどうだったんだろう、と気になったりもする。嘘だとは思うが意外とイギリスものってわかんないんだよね。ロシア人セルゲイとの愛が崇高と表現したくなる格調があってなのにどれもくすっと笑いながら作っているのが意地悪な仕掛けになっている。

とにかく奇妙で汚いとしか言いようのない映画なので頭を空っぽにして楽しんでしまうしかない。
なのに時々登場する暗い空の下の海辺の場面なんかが凄く印象的だったりするのだ。

しかし健康の為の煮物、と言っていかにも不味そうに作られていたが、日本の豆腐と野菜の煮付けなんかは凄く美味しくてご飯をたくさん食べてしまう、と思うがどうだろう。それだとこの映画が成り立たなくなるが。毎日同じじゃイタリア料理も食べたくなるだろうけど。

すでに亡くなった母親がホテルを支配してる様子は「シャイニング」のようでもある。その母親の影響を最も受けているのが長男。次第に狂気度が激しくなっていく。
母親に愛されていなかったという思いを抱き続けていた次男ロナルドをダニエル・クレイグが演じている。
ホテル唯一のシェフで母親の言いつけどおりの不味そうな健康食を
作り続けている。クレイグは自身も料理が得意ということだが、作る料理がこれでは可哀想であった。
かつてこのホテルで働いていたのに飛び出していった女性・キャスを一途に愛している。といっても他に女性もいないが。
肉体は逞しいが繊細な雰囲気のある男性であり、この映画にしてダニエル演じるロナルドはキュートで魅惑的でありました。

とダニエルファンとしてはいいんだけど、この映画の鍵を握るのはやはり妹コーラとセルゲイなんですねー。
コーラの存在はなんとなく「キャリー」を思い出させたりもするし、自分的にはコーラが主役だともっとおもしろかったんだけど。ロナルドとキャスよりセルゲイとコーラの愛の方が気になるし。
物語を明るい未来へ誘うキャスは素敵ではあるが、ゴシックロマンの主人公としてのコーラも見たかったのである。

監督:テレンス・グロス 出演:トニ・コレット ダニエル・クレイグ カトリン・カートリッジ スティーヴン・トンプキンソン ヒュー・オコナー ヘレン マックロリー
2000年イギリス


posted by フェイユイ at 23:12| Comment(2) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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