映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年06月13日

「シルヴィア」クリスティン・ジェフス

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今までのダニエル・クレイグとは全然違うイメージを持った。詩人、という知性的な役は今までも教授などあったのだが、今まで観たどこか頼りないようなちょっと抜けた役ではなく女性にモテて自我をしっかり持っているタイプなのだ。髪型も黒いやや長めの髪でした(「愛の悪魔」のパンフであの長め(って普通なんだけど短髪のイメージの人だから)の黒髪が自分で凄く嫌らしい、てことだったんでこの髪型も嫌いなんだろうな。しかもこちらの特典・インタビューでは坊主頭だった(笑)よほど嫌だったのか)
ヒロイン・シルヴィアの夫で何度も浮気をするという役でいわば悪役だがシルヴィアを見てる分には同情の余地あり。

詩人の才能を持ち、夫・テッドもその才能ある彼女を愛したのだが、結婚すれば結局家事育児は女の仕事となってしまう。その上やはり才能ある詩人で色男のテッドに異常と思えるほどの嫉妬心を抱くのだが、事実その猜疑心が当たっているという笑えない的確さなのであった。
とはいえ子供がいない時もスランプを感じて詩が書けずケーキを焼く妻を見て「ケーキよりもっと創作をするんだ」と言われてた時もそれがプレッシャーになっていたのだから、シルヴィアという女性は夫が誰であってもどんな家庭になっていたとしても不幸になってしまう人だったのではないだろうか。
シルヴィアがテッドと暮らすようになったとたん詩が書けなくなり、テッドが家を出て行くと素晴らしい詩が書けるようになる、というかなり露骨な性格だが、一人きりの方が詩が書けるというのはそうであろうとも思う。孤独な中にいた方が創作できるタイプの女性だったのだろう。

結婚し仕事をする女性なら詩という芸術ではなくとも多少は彼女の苦しみに共感できる部分もあるだろう。できるならこのような結末は迎えたくはないものだが。こういう気持ちになった事がないとは言えない。実はしょっちゅうある。
だもんで暗くて情けない内容ながら身につまされてしょうがない映画ではあった。
心優しい下階の老人に郵便切手がないか聞きに行き、そのまま暫く廊下の電灯を見つめ夢を見ていた、というシルヴィアはすでにこの世に生きていないようだ。
その切手は親へ宛てたものだと言うのがその後を物語っている。

グウィネス・パルトロウは「リプリー」でも作家志望の役だったがカーディガンできゅっと体を締め付けるようにする演技がか細く頼りない雰囲気を出す。涙が溜まっているような大きな目も美しい。金色の髪が古風な感じを持つ綺麗な女性である。

風の音が耳に残る悲しい映画であった。

監督:クリスティン・ジェフズ 出演:グウィネス・パルトロウ ダニエル・クレイグ ブライス・ダナー マイケル・ガンボン
2003年イギリス

グウィネスの母親役ブライス・ダナー、グウィネスにそっくりなんでよくもまあこんなに似た母親役を見つけたな、と思ってたら本当の母娘だった。凄い美人母娘。

死後ピュリッツアー賞を取った詩人・作家である、ということなのに初めて知った名前だった。夫のテッド・ヒューズと共に有名な人だったらしい。
調べてみると彼女の死後の夫と愛人もどろどろと大変だったようだ。愛人が子供と心中という最後は悲しいものがある。


posted by フェイユイ at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「永遠のアフリカ」ヒュー・ハドソン

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原語ではどうなっていたか判らなかったが物凄く広大な土地をアフリカの一言で片付けるとは。舞台はケニアなのだが、アフリカに憧れてと言っても範囲が広すぎるとは思うんだけど。

監督はヒュー・ハドソンで「炎のランナー」はよかったし「グレイストーク」も昔面白く観たが、こういう欧米人のアフリカに対する憧憬と生活というのをストレート過ぎるほどに描いたモノというのは何かむず痒かったり、或いはどこか醒めた目で観てしまうのはどうしてなのか。
もしかしたら自分には到底実現できないための嫉妬からくるものなのかもしれない。

母親が無理だというのを押し切って子供連れの身ながら新しい夫と共にアフリカ(ケニア)に渡った一人の女性の奮闘記、実話である。
だが彼女の悩みと言うのはアフリカそのものではなく家庭を顧みない夫に対するものなのでこれならどこでもある話である。
キム・ベイシンガー演じるクーキーはてんでで頼りない夫に歯噛みしつつもライオンやら象やらを追い返したり、畑仕事に家の改装、と物凄い大仕事である。映画だとその辺は端折られるが実際なら毎日毎日大変である。よく離婚しないものだと思うけど、こういうふらふらした男に女は弱いものなのかもしれない。やだやだ。
だもんでダンナが死んだときはなんとも思わなかったが息子のエマの死はさすがにこたえた。小さい時のエマも可愛いのだが17歳の時の彼は凄い美少年(ギャレット・ストローメン )なのである。私はあんまり美少年はいいんだけど綺麗な子だなーと思ってしまった。毒蛇をペットにしてるのも美少年らしい。しかもそれに咬まれたエマを助けようとする母親クーキーの姿はどうしてもぐっときてしまう。
叩いてでも毒蛇を捨てておくべきだったなどと言う後悔は結局先にたたないものである。
最愛の夫と息子に先立たれまだクーキーは娘と共にケニアに残り自然保護のために活動を続けているそうだ。

美しい大自然を眺め、現地の人と交流し、白人らしい生活を守りながら生活していくクーキーがやはりどこか羨ましく思ってしまっているのだろう。
息子を死なせてしまった時ですらどこか仕方ないというあきらめのようなものが感じられる。エマの飼っていた蛇を殺すのではなく放していく場面でクーキーのアフリカへの思いを感じさせる。

肝腎のダニエル・クレイグは土地の管理人といった役で登場。チョイ役なのだが一箇所だけじゃなくちょこちょこ出てくるのでしっかり観てる必要がある。
自由人という雰囲気でちょいむさくるしさがあってこれもなかなかすてき。
息子を助けて、という場面で颯爽と飛び出してくるが結局駄目だったという悲しい役。その辺もダニエルらしいのかも。

キム・ベイシンガーは硬質な美貌でケニアで息子を守りながら猛獣を蹴散らすパワー充分である。さすがに大自然にこの美しさは映えるのだ。
原題の「I DREAMED OF AFRICA」というのがまさしくぴったりの映画であった。

監督:ヒュー・ハドソン 出演:キム・ベイシンガー ヴァンサン・ペレーズ エヴァ・マリー・セイント ダニエル・クレイグ リーアム・エイケン ギャレット・ストローメン ランス・レディック エヴァ・マリー・セイント ギャレット・ストローメン
2000年アメリカ
posted by フェイユイ at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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