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2007年07月30日

「墨攻」ジェイコブ・チャン

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大変に期待した映画だった。久し振りに香港映画で観たいという気持ちが湧いたし、なによりそのキャッチコピー「10万の敵にたった一人で挑む」というのが一体どうなるのか素直にわくわくさせられた。実際観ると敵10万と味方も敵だというより困難なものであったが。

アンディ・ラウはあまり好きでなくて「インファナルアフェア」の時ですらそう素敵には見えなかったのだが今回初めてかっこよく見えた。しかもなぜかイチローに似てた(顔は全然違うのだが、なぜかそう見えた)
知る人には歴史的背景(服装・住居)がめちゃくちゃということでアンディ演じる革離なんかは短髪だしね。というのはあるんだろうが私はあんまり気にしないので。アンディの短髪は世間から外れ、ストイックで理性的な主人公を演じるのにはぴったりの外観だったと思う。

物語のテーマとなる「墨家」の「兼愛・非攻」は作中でわずかしか言葉にされていないがそういった言葉による説明ではなく出来事や行動で示されていて非常にうまく作られていた。
しかし空しいのは革離が「墨家」集団から抜け出して味方となった梁の国王より敵である趙の将軍(アン・ソンギ、かっこいい)の方がよほど革離の才能を認め敬意を持っているという現実(まあ、映画に中の)である。
息子である王子や民衆から人気を取ってしまったということで王の嫉妬を買ってしまうとは。作中に敵が趙の兵が言っていたがその嫉妬心まで計算できなかった革離がまだ甘かった、ということなんだろうか。
そういった虫唾の走る味方側の王や側近と尊敬の眼差しを見せる王子や弓の達人そして騎馬隊長である美女。敵から城を守りながらも結局難しいのは人間関係だったのか。

墨家という集団が実在ながら次第に姿を変え消滅しなければいけなかったのはその思想がやはり伝わり難く実現しにくいからなのだろう。どんな思想も永久に不変ということはないだろうが今まで知らなかったというのは面白い物語にはなりにくい為なんだろう(不勉強で知らなかっただけだが)
敵から仲間を守るためとことん戦い、終われば平和に暮らす、という話なら山のようにあるだろうが、思想として表し、弱者のところに駆けつけては守り抜き、兼愛の精神でもって次は敵側につくかもしれない守りのスペシャリストという発想が凄い(発想じゃなくていたわけだが)

マンガの絵がちょいと苦手なので原作である酒見賢一氏の小説も読んでみたい。
それにしても中国の故事を日本人が物語にし、また中国人が映画にしてるというのは楽しいことではないか。

監督:ジェイコブ・チャン 出演:アンディ・ラウ アン・ソンギ ワン・チーウェン ファン・ビンビン
2006年 中国/日本/香港/韓国

ちょっと前に少し書いたんだけど、最近香港映画で観たいのがたくさん。
問題はどのくらい日本版DVD化されるかだが。気になるのが多くて楽しみだが、いつ観れるかなあ。


ラベル:戦争
posted by フェイユイ at 20:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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