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2007年08月03日

「誘う女」ガス・ヴァン・サント

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すっごく面白くて夢中になって観てしまったが、いつも彷徨うイメージのサントも女だと留まってるんだなと思いつつ。

とはいえ主人公スザーン(スーザンじゃなくてスザーン)の思考は留まっているどころではないのだが。
美人で才能もある彼女がどうしてこう間違った方向へ進んで行ってしまうのかが興味津々。彼女が望んだテレビワイドショー的面白さなのだ。
しかし、それを言っちゃお終いだけどなぜ結婚したのか、不思議ではある。結婚して仕事と両立させる女性というのがかっこよかったのか。

映画、特にハリウッド映画だと本当にトップの華やかな世界が描かれる事が多いのだが、テレビ業界で活躍する事を夢見るこの主人公はなんとも侘しい地方の小さなテレビ局に自分を押し売りし、夫殺害を頼む相手もなんの知識も持ち合わせないチンピラ高校生3人とは、犯罪としても酷くちっぽけではないか。このいかにもぱっとしない「普通の高校生」をケイシー・アフレック、ホアキン・フェニックス、アリソン・フォランドが演じていて観てるとなんだか悲しくもなる。

スザーンのやったことは確かに「15分間だけ有名になる」ような事件だったかもしれないがすぐに皆忘れてしまうのだ。
だが家族を殺された者の恨みだけは消えはしない。

テレビ出演する者だけがこの世の成功者である、と考えているこのヒロインをニコール・キッドマンが思い切り可愛らしく演じている。
夫(マット・ディロン)にとっては最後まで彼女は愛すべき妻であったんではなかろうか。
彼女の夢の為に犯罪者となってしまう3人の高校生も普通すぎて怖いくらいである。
ぼんやりどんよりとしていて自分が何をしているのかどうなるのかさっぱり判らないままスザーンに操られてしまう。私は女なのでどうしても女学生のリディアが気になってしまうのだが、この時期にこういう能力と美貌の年上の女性から優しく声をかけられたらすっかり騙されてしまいそうである。スザーンが男だけでなく女の子も惹き付けてしまう所を描いたのはさすがサントならではだろうが、その辺が大変うまいと思った。

僅かの間に心奪われた女のために、ジェームズは一生を棒に振り、目立たなかったリディアはスザーンの憧れたテレビ出演をするようになってしまう。毒のある皮肉だ。

これで無実になるとは。一体どうなってるんだろう、アメリカの裁判は。スザーンのいうとおり、チンピラ高校生と金髪碧眼白人で社会人である女性のどちらに陪審員の信用が傾くかということなのか。
ならこれで人種が違うなら戦うべくもない。結局個人的に恨みをはらさねばならないのだ。

監督:ガス・ヴァン・サント 出演:ニコール・キッドマン、マット・ディロン、ケイシー・アフレック、ホアキン・フェニックス、アリソン・フォランド
1995年アメリカ

スザーンがもらって飼っているポメラニアンがめちゃくちゃ可愛い!!


ラベル:犯罪
posted by フェイユイ at 23:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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