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2007年08月18日

「ノミ・ソング」アンドリュー・ホーン

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この年齢なのに彼=クラウス・ノミのことを全然知らなかった私。勿論有名なジャケの彼の写真は知ってるし名前は聞いてはいたのだが(私の年代で彼の顔を見た事ない人はいないはず)
このDVDで初めて彼の歌をきちんと聞き、彼のパフォーマンスを観たのであった。衝撃。

と同時に酷く悲しくなった。このDVDを観てる限り、ノミというアーティストの孤独を感じて辛くなった。
突出したアーティストというのは往々にして孤独から逃れられないものなのかもしれないが。
この中の出演者が、ゲイであった彼が最も欲しがっていたのが愛であり、恋人であった、という話をしていた。その人はノミから恋人になって欲しいと求められたのだが彼を受け入れ切れなかったという。他の出演者でノミが“ハッテン場”でやってるとこを見てしまいおーっとと目を背けたというのがナンだか意地悪く聞こえてしょうがなかった。
そして彼の音楽と個性が多くの人々から絶大な賛辞を受けるようになった頃、彼は多忙で体を壊し、そしてエイズにかかってしまう。
当時まだエイズは「ゲイの癌」と呼ばれ認識が薄かったという。「伝染する」ことを怖れた仲間達はノミを見舞う事も最期を見取る事も無かったらしい。
宇宙人として登場した彼はそのままのイメージで消え去ってしまったのだ。

私としても僅かに知っている彼の写真からアンドロイド的なイメージだけを持っていたのだが、この作品を観てクラウス・ノミの歌の魅力、彼の孤独な魂を知ることができた。
ただ、残された映像を観ていると彼という存在が何となく彼の周りの人々とはかけ離れすぎているように思える。彼という個性がまだこの時代では充分に生かされてない気もする。時代が彼に追いついてないような。
と言っても今、彼がいてもやはり浮いているのかもしれないが。

デビッド・ボウイがノミを認め彼をバックコーラスに加える、という形で登場する。さすがにボウイは貫禄の宇宙人的存在である。ノミがボウイを意識して衣装や方向性を確立したというのも面白かった。ボウイさん、さりげなくタイトスカートはいて歌っててかっこいい。

私はミュージックシーンなど語る資格はないのだが、ニューウェーブという形態が音楽界を大きく変えたという話を聞いてると懐かしいものを感じる。

監督:アンドリュー・ホーン 出演:クラウス ノミ ケニー・シャーフ アン・マグナソン デビッド・ボウイ マーティン・シーン
2003年ドイツ


ラベル:音楽 ドイツ映画
posted by フェイユイ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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