映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年08月31日

フェイユイ映画祭 授賞式

ブログ開始3年目を完了・「藍空放浪記」1年の区切りで予告通りのフェイユイ映画賞授賞式である。新作は殆どいや全くないというほぼDVD鑑賞のみでの選択なので新旧ごちゃまぜである。ただし再観したものは除くことにする。そうしないと同じ映画ばかり1等になってしまうので(「ブエノスアイレス」とかね)
では始まり。

最優秀作品賞:「SWEET SIXTEEN」(ケン・ローチ監督)
アジア系映画に偏っていた「藍空」時代と違い今年は各国の映画を手当たり次第に観て行った。今まで観てなかったいい作品が目白押しではっきり言って一番を選ぶのは至難の技。
観た日にちという条件もあるだろうけど、何と言ってもこの作品は何も言えない衝撃を受けたのだ。従ってこれの感想記事は他のようにストーリー紹介だの分析だのやっていない。そういうことができないくらい、どうでもいいくらいぐっさりやられた。今になってケン・ローチを知って遅すぎるが幸せだった。他の作品も観たいのだがDVDになっていない。不幸だ。

最優秀監督賞:今村昌平
日本の誇る名監督なので今更という気もするが何せ昔「楢山節考」を観て大嫌いだったので観れるようになったのは自分が年をとったせいかなー、と思っている(と言ってもこれはまだ再観してないが)
「豚と軍艦」「復讐するは我にあり」「女衒」「赤い橋の下のぬるい水」「11'9''01/セプテンバー11」(オムニバスのラスト作品)とどれも凄く面白かった。重厚で太いがっしりした作品というのは今の日本映画にはない味わいである(多分そういうのは受けないから)ダイエット無視のこってり豪快な料理人といった感じなのだ。残りの作品も楽しみに観て行きたい。

最優秀主演男優賞:ダニエル・クレイグ
私はもしかしたらそれほど“この人”が主演だから、という理由では作品を選んでないのかもしれない。そんな中で今年、“この人”が出てるから観るというのをやったのはダニエルなのである。
自分の中で物凄い大ヒット、ということはなかったのだが^^;どれもなかなか面白くて楽しめる映画・ドラマが多かった。一番好きなのはドラマ「アークエンジェル」だったりするし。
ある意味一番楽しい映画の見方であった。

最優秀主演女優賞:田中絹代「サンダカン八番娼館」
この賞に限っていつも日本人にあげてるのはどうして?ッて思ったがこの作品の田中絹代を観たら他の女優にあげるわけにはいかないのだ。実は田中絹代さんを今まで知らなくて(いいのか?)衝撃だった。まるで童女のように喜ぶ可愛らしいおばあちゃんの姿は忘れられない。

最優秀助演男優賞:新井浩文「青い春」
主演は譲ったのでこちらで授賞。
あーゆー役にとにかく弱い。切なかった。よかった。

最優秀助演女優賞: 楊淇(ケイト・ヨン)「盛夏光年(花蓮の夏)」
こういう役って個人的にうらやましい(笑)実際には苦しいんだろうけど。「夜奔」のレネ・リウみたいなのとかね。

特別賞:「悪魔のいけにえ」トビー・フーパー
なんでこれが、という声もあるだろうがこの年(1974年)でこのシュールさ。いかにも低予算という作りにも関わらずこのクオリティ、この恐怖、面白さ。今観れば単なるホラーではない。

最悪賞:「ゆれる」西川美和
いちいち書くのは大人気ないのでは、という気もしたがここまで怒った映画も少ないし、自分が嫌う見本のような映画なのであえて表記。
あのセックスシーンほどおぞましいものはないし、あんなに気持ち悪いラストシーン(8ミリを見て泣く辺りから)もない。
気持ちの悪い映画を作るのが目的だったかもしれないので(ゆれるっていうくらいだから)げろっとして正解なのかもしれないが。

この作品の監督が女性ということも残念である。様々な分野で女性クリエイターが生まれてきているが、映画製作ではまだまだ女性監督というのは少ない。
なのに今年観た幾つかの女性監督作品はあまり良いと思えないものが多かった。(アジアの女性監督ばかりという上での感想だが)
DJ・チェン「僕の恋、彼の秘密」とかオーブリー・ラム「ジェイ・チョウを探して」のような可愛くて明るい映画は大好きだがシリアスなものは残酷性が耐え切れない性質のものである事が多く神経を逆撫でされる気がする。
小説やマンガではそういうことはないのだから(というかそうでない作家がたくさんいるのだから。(嫌いな人はどこにでもいるから))女性映画監督にも大好きになる人はこれからどんどん出てきてくれると思う(願っている)
(註:私が観た女性監督作品って日本人を含むアジア人ばかり。なので他の地域の女性監督に上の感想があてはまるかはわかりません)

楽しい余興の中にに嫌な文章を書いてしまい申し訳ない今回の授賞式だが、美しいものばかりではないのが世の中だから、そういう部分もあってしかるべきなのだろう。

とにかく色んな国の色んな監督のいい作品を数多く観て実りある一年だった。
本年度の最後はテリー・ギリアム「ローズ・イン・タイドランド」で締めくくれたのもうれしい偶然だった。去年は陳果監督。一昨年はキム・ギドク監督であった。私の好みは実によく出ている。
後これにデヴィッド・リンチを入れて今年ギャスパー・ノエ、ファブリス・ドゥ・ヴェルツが加わった。

来年はどんな作品に巡りあうのだろう。昨年の目標として日本映画を積極的に観よう、なんていうのは割かし頑張った気がする。
この一年は広く色々観てたのでもう少しマニアックになりたい気はする。充分マニアックだという声もあるかもしれないが、もっと偏ってみたい。どちらに偏るかはまだ判らないが。

ちょっと前にドイツものにはまりたい、といってそれほども観てないが最近そして当分の間イギリスものを観ていきたくなった。
実は(というか)自分的にはイギリスものが一番好きで抵抗なく楽しく観れる。観れるためにそればかりになる、と少々避けていたところがあったのだが「エリザベス」見た辺りからやっぱり観たい、と思い出してここんとこ続いている。クレイグ氏の映画もそうだが、なにやら面白いのである。生真面目におかしい。悲しいものも何か一味違う気がする。暫く楽しませてもらおう。

最近の「藍空放浪記」は訪問者数が少ない時で164、ページビュー314、多い時は訪問者数227、ページビュー396みたいな感じである。このようなDVD鑑賞ばかりで新ネタなしのブログにありがたいことである。

深く感謝し、また明日からもどうぞよろしくお願いします、と頭を下げるフェイユイなのである。




ラベル:映画
posted by フェイユイ at 23:06| Comment(8) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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