映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年09月12日

『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』スティーヴン・ウーリー

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ミック・ジャガーとキース・リチャーズはかろうじて知ってはいるが(詳しいとはとても言えない)ブライアン・ジョーンズとなると名前を聞いたことがある、という程度。無論彼がどんな人物だったかなど何も知らなかった。

ゆえにこの映画は純粋に(ということはないだろうが)映画として楽しめた。私にとっては『アマデウス』を楽しむのと同じようなものである。
つまり「こんなイメージじゃない」とか「実際の彼は・・・」などという思い込みがまったくないのであるから画面に登場するブライアンをそのまま受け入れられたのであった。

監督が「ストーンズの映画ではなくブライアンの映画を撮りたかった」という言葉通り映像は金色の髪の王子様に見えるブライアンに焦点を絞っている。
そのために知らない者にとっても非常に入り込みやすく判りやすい作品だった。

美貌だけでなく聡明で音楽の才能に溢れていたブライアンは「ローリング・ストーンズ」を創るが目指すものが違う彼は一人違う世界に住んでいるようだ。
ブライアンがいた時のストーンズの演奏を見ても彼がシタールを抱え込んで座り一人異彩を放っている。
ファンだった人たちからは当然の光景なのだろうが初めて(ってわけでもないが)見る者には彼だけが違う空間にいるようだ。

物語はストーンズとブライアンというよりブライアンと彼の家の改築業者であるフランクとの関わりの方に重きが置かれている。
確かにブライアンにとってはアニタ・パレンバーグが重要な女性であって音楽仲間であるキースに彼女を奪われてしまう(といってもブライアンの頼りなさと暴力が原因なのだが)
が本作で描かれるのは、アニタを失ったその後の堕落していくブライアンなのだ。
この映画の中のブライアンは全てを失い人里離れた城に幽閉された王子そのものである。
その美しい家屋はかつて『くまのプーさん』を書いたA.A.ミルンが住んでいたものでクリストファー・ロビンの像もある。童話のような家でブライアンは夢の中に住んでいるのだ。

ブライアンは何故か改築業者のフランクに何かとかまい、からかったりわがままをぶつけたりする。
彼らの関係は不安定で奇妙なものだ。豊かでもなく冴えない外見のフランクは自由奔放でいつも美女を惹きつけているブライアンにのめりこんでいく。
夜中、プールでブライアンと二人きりになったフランクは彼を溺れさせてしまう。実際のフランク氏は死の床でブライアン殺害を告白したそうだが事実はどうだったのかそれは誰にも判らないのだろう。

ローリング・ストーンズファンにはむしろ不満な映画なのかもしれないが何も知らない自分にはとても興味深い作品だった。
異端児ブライアンのその生き様は自分が想像するロックスターのイメージそのままである。「幸せになるのは退屈だ」という言葉通り彼は幸せになることはできない人間だったのだ。

この作品を観た本当の理由はキース役のベン・ウィショー(『パフューム』の主人公)を観たかったからなんだけど。
ブライアンの彼女を盗った男の役なのに見事にちょっとだけだった。さすがにキースのイメージではなくておかしかったがまだキースが非常に若くて可愛い頃なのでこれでいいのかもしれない。
主人公ブライアン役のレオ・グレゴリーはわがままな天才を魅力的に演じていた。本物の映像の方が可愛いとは思うけどそれはしょうがない。

監督:スティーヴン・ウーリー 出演:レオ・グレゴリー パディ・コンシダイン デヴィッド・モリッシー ベン・ウィショー ツヴァ・ノヴォトニー
2005年イギリス

Brian Jones

The Rolling Stones - Paint It, Black
ミックめちゃかわいー(おいおい)

若い頃のキースとベン・ウィショーはよく似てて驚き。


posted by フェイユイ at 22:36| Comment(0) | TrackBack(1) | ベン・ウィショー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

不能説的.秘密 (DVD) (香港版) 発売!!!!!!

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不能説的.秘密 (DVD) (香港版)

これをどんなに待ったことか!!!
うれしい!!!
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不能説的.秘密 (限定版) (香港版)
私はこちらにしました。

中・英字幕つきですがリージョン3なので御注意を!
posted by フェイユイ at 17:12| Comment(2) | TrackBack(1) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月11日

『ラン・ローラ・ラン』トム・ティクヴァ

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この映画、観ようと思いながら延ばし延ばしにしていた。
まずボーンシリーズでマット・デイモンの相手役をやっていたフランカ・ポテンテが主人公ローラ役だったということ。次にドイツ映画を観ていこうと思った時、かなり高評価だったので。
そして『パフューム』を観て凄く面白いと思ったら『ラン・ローラ・ラン』と同じ監督だと知ってとうとう手を伸ばす気になった。
なるほどなかなか面白い作品だった。

本作と『パフューム』の共通点はしょうもない悪党男が問題提起しているのと長さの差はあれ(『パフューム』は2時間半近く本作は80分ほどという短さ)一気に見せてしまうテンポのよさと心地よい歯切れ感である。カメラワークもそのひとつであった。

真っ赤な髪のローラが駄目男ではあるが恋人のためにひたすらベルリンの町を疾走する。どうなるのかどうするあてもなく駆け回る姿がなんとも小気味よくかっこいい。

取引の大金を失った男から金を都合してくれと与えられた時間は僅か20分。映画はローラと恋人マニの20数分のドラマをパラレルに展開してみせるのだ。
同じ出だしでほぼ同じシチュエーションにも拘らず少しずつのタイミングのずれが人生を変えてしまう。

どうしようもなくなる時もあれば過剰に手に入れてしまう時もある。

無論現実に人生のやり直しは無理なのだけど。

ローラの駄目恋人マニを演じたのがモーリッツ・ブライプトロイ。昨日観た『ストーン・カウンシル』で主人公ローラ(こちらもローラだったよ)を助ける(こちらでは助けてた。ん、いや助けられてたな)寡黙な刑事役だった。
他にも『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 』でかっこいいグラサン黒服だけどチンピラアラビア人の役。そして『エス』の主人公をやっている。

原題より邦題のほうがかっこいい。(原題:LOLA RENNT )

監督:トム・ティクヴァ 出演:フランカ・ポテンテ モーリッツ・ブライプトロイ ヘルベルト・クナウプ ニナ・ペトリ アーミン・ローデ ヨアヒム・クロル ハイノ・フェルヒ
1998年ドイツ
ラベル:ドイツ映画
posted by フェイユイ at 21:16| Comment(2) | TrackBack(1) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月10日

『ストーン・カウンシル』ギョーム・ニクルー

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最初から嫌な予感はした。冒頭の音楽が映画を観る前に聞いていた曲だったので切り忘れたのかと慌てた。
こんな当たり前の曲を冒頭に持ってくるなどというのがすでに手抜きだ、と思ったのだった。

ここまで古臭さを感じさせる映画もそうないかもしれない。
ヨーロッパ人にとって今でもアジアは未開の土地であり神秘に包まれていると想像力をかき立てられるのだろうけど、それならそれでもっと深くイメージを作り上げて欲しい。
放射能を浴びても自然治癒する体を持つ、予知能力を持つ、などあり得ない超能力に憧れているだけの設定に過ぎない。

設定・ストーリーが殆ど魅力もないし欠点だらけなのでどこから言っていいのかわからない。
リウ・サンの超能力が必要なら何故シビル自身が育てずにローラに預けたのか。育てるのが面倒なら「シビルの子供たち」とやらがいるのだから彼らに任せればこんなややこしくはならなかったはずである。
おまけにローラごと事故死させてしまうところだった。この作品の登場人物はとことんやることがおかしいのだ。
ラスト辺りでも早く悪い奴を撃てばいいのに逃がしてしまう。わざとか、と勘ぐりたくなるほどである。
ローラを閉じ込めた部屋に逃げやすいように鉄の棒をおいていてくれるし。
ローラが信頼していた人々が皆悪人だったという設定も軽薄すぎる。登場人物がみんな嘘つきだというならどんなでも話が出来上がってしまう。
つまりどこをとっても適当なでっち上げという印象しかもてないのだが作品の雰囲気は妙に超シリアスなのだ。
全くユーモアもくすぐりもないガチガチに固い展開なのに話自体は何の風格も奥行きも謎もサスペンスも意味もない。
どろどろと怖くもないし、信じられないような奇天烈な現象がおきるわけでもない。
時折ローラがびっくりさせるような声を出すのだが、無論びっくりしない。

モンゴルの話が絡むということで自分も興味が湧いたのだがここまで中途半端な映画作品とは思わなかった。
モンゴルへ行ってからも取り立ててモンゴルらしい雰囲気がさほど味わえるわけでもなく残念である。

この映画をなんとか見通したのはやはりモニカ・ベルッチの美貌のためであろうか。ノーメイク、絶えず傷だらけになり養子のリウ・サンを救うために走り回る決してセクシーではないローラを類稀な美女ベルッチが熱演している。最後には何故かヌードも披露。
そしてモンゴル少年役ニコラ・タウ君が可愛かったから。
長生きしたいため儀式をしたがる悪の総領役にカトリーヌ・ドヌーブ。勿体無い使用法であった。

が、ラストはいかにも続編狙った感があった。
リウ・サン君が青年になってまた秘密結社と戦うのであろうか。
ちょっと気になったりはする(笑)

監督:ギョーム・ニクルー 出演:モニカ・ベルッチ ニコラ・タウ カトリーヌ・ドヌーヴ モーリッツ・ブライプトロイ サミ・ブアジラ エルザ・ジルベルスタイン
2006年フランス

ラベル:フランス映画
posted by フェイユイ at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月09日

『パフューム ある人殺しの物語 』トム・ティクヴァ

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最も酷い悪臭の街の中で最も素晴らしい香りを作ることができる主人公が生まれたという凄まじい映像の冒頭である。

匂いというのは生を示し、また死も表す。どんな人も死ねば悪臭を放つのである。また生きている間にもその人の匂いというものがある。
主人公グルヌイユは体臭がないという。現実にそういう人がいるのかは知らないがそのこと自体が彼が存在しているのかいないのか判らないという物語なのだ。犬ですら彼が通っても気づかないのである。
彼自身匂いがないというのは存在しないことなのだと嘆く。匂いを追い求める事が彼の生きる目的だった。その方法が普通の人間にとっては間違ったものだったとしても。

人は何によって幸福を感じるのだろう。多くの人は愛する人を見つけその人と愛し合い家庭を築くこと、と答えるのではないだろうか。人間が生物として存在するのならそのことが目的であるのは自然なことなのだろう。
作中で説明もあったが主人公グルヌイユは一度も愛し愛される事を望むことはなかった。
彼を観る者はその姿に哀れを感じてしまうかもしれないがグルユイユ自身はそれを求めてはいないのだ。
彼の目的は最高の香りを保管したい、ということだけ。
そしてその目的にたどり着いたのだから彼ほど幸せな人間はいない事になる。だが人は自分の価値観を他人にもあてはめてしまう。

匂いがない(存在しない)彼は匂いを求めそれを我が身の匂いにすることで存在を確かにしようとした。
だが愛することも愛される事も知らなかった彼はその方法によってもたらされる悲しみを気づく事はなかった。
自分の存在を証明することができればよかったのだから。

グルヌイユが作り出した匂いはなぜ人間の感覚を異常な状態にしてしまったんだろう。
彼はそのことを知っていたのか。なぜ若い女性の体臭を集めたものがあのような事態(最高に幸せを感じてしまう状況)に導いてしまうのか。私にはよくわからないのだが。
ただ彼がその力を何かに利用するということはなかったのだ。
彼がしたのは生まれた場所へ戻って体臭のない我が身に作り出した匂いのエッセンスを振りかけたということだけ。
そのために彼は愛され(食べられた?)この世から消え去ってしまった。それが彼の望みだった。幸せな人生。
望みを完全にかなえることができる人間というのはそういないだろうが、彼は自分の存在を確かめることができたのだ。
その幸せは他の者には理解し得ない幸福だがそれに近いものを感じる人もまたいるはずである。

「いい香り」というのは凝縮すれば悪臭になるという。逆に言えば悪臭とされるものを希薄することで「いい香り」を生み出すことがあるらしい。
好きな食べ物の匂いはいい香りだが他人の好物であっても自分が嫌いだと悪臭となる。
変な臭いが奇妙に好きな場合もある。
男性は女性より異性の体臭を嗅ぎたがる(気がする)そのためかよく変態男は臭いを嗅ぐ姿が表現され女性を慄かせる。
私はこの映画を観ている間中、側に置いたアースノーマットの香りが心地よかったのでどうもこの映画の香りのイメージはそれなのである。

やや長めの映画なのだが退屈することなく引き込まれて観てしまった。異常心理というジャンルほど魅力的なものはないのかもしれない。
その上でやや疑問を持つ点もあった。
グルヌイユは匂いそのものに強い興味を示すという性癖という説明なのに匂いを採取した女性は何故皆美人なのだろう。
美人だけがいい匂いなのか、匂いにこだわる割には美しさを「見てる」気がしたのだが、醜女だがいい香りの持ち主ということもあるのではなかろうか。
結果的に彼はその香りで会場に居合わせた群集を恍惚とさせ至福の感覚をもたらした。
それが現実に起こるかどうかはわからないが、集めたのは「若い女性」の体臭だけなのに効き目は男性だけではなく女性にもあるのだろうか。女性の匂いを嗅いでストレートな女性が恍惚となるのか、それとも若い女性の香りは男女に同じ効き目をもたらすものか。ストレートな女性なら若い男性の匂いの方が効き目があるような気もするのだがそれならグルヌイユは男性の体臭も集めなければいけなかったろう。しかしそれならロリコンや老女趣味の人には効かない気がするし。ショタコンやお爺趣味の人も。
画面上、ビアンの女性達も恍惚となっているのが幾組か見えた(これは解るとして)がゲイの男達の姿は見つけきれなかった(見逃しただけかもしれない。コマ送りにして見つけるか)ゲイの男達も若い女性の体臭ではその気になれない気がする(もっさり熊さんの体臭でなきゃねーウホ)
そしたら老若男女色々なパターンの体臭を集めねばならずグルヌイユもなかなか大変である。13人では追いつかないかもしれない。
風邪引いて鼻が馬鹿になってる人も駄目だが。後、もともと匂い音痴な人もまた。
アニメにしか興味のないオタクにも効かない(18世紀だからそれはいいか)
人間の全ての性衝動を網羅するのは難しい。

しょうもないことを書き並べたがゾクゾクと夢中になって観てしまった。本来なら人間の奥を覗いた恐ろしい作品として真剣に観なければいけないのだろうが。
こんな惨たらしい映画を楽しめてしまうというのは最悪な人格なのだろう。

しかし人を殺して体臭を集める(体を利用する)、などという話をドイツ人はまたもややっているわけでやはり怖い。

監督:トム・ティクヴァ 出演:ベン・ウィショー レイチェル・ハード=ウッド アラン・リックマン ダスティン・ホフマン アンドレス・エレーラ
2006年ドイツ



posted by フェイユイ at 21:03| Comment(4) | TrackBack(2) | ベン・ウィショー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

第64回ベネチア国際映画祭 金獅子賞は『色・戒/ラスト、コーション』アン・リー監督が2作連続受賞の快挙!

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第64回ベネチア国際映画祭金獅子賞は『色・戒/ラスト、コーション』アン・リー監督が2作連続受賞の快挙!

素晴らしい!!おめでとうございます!!

追記:金獅子賞『ラスト・コーション』に記者団ブーイング
こういうキツイ一幕もあったわけですか。うーむ。
各賞も記載されてます。

ヒース・レジャーの姿見たいですね。

追追記:しかしこれも
アン・リー監督『ラスト・コーション』がベネチア映画祭金獅子賞
そうですか。よかった(笑)
posted by フェイユイ at 11:37| Comment(10) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

『不能説的秘密』OST 到着

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『不能説的秘密』OSTやっと3日前届きまして(それを今書いてるってのも^^;)少しずつ聞いております。
あちらでの興行成績を聞くにつけても心は早く観たい!とそればかり。
日本公開されたならこればかりは観に行きたいものですっっ。

アルバムをイメージしたのでしょうね、可愛らしい写真集もついておりましたが待ち遠しくなるばかりですねー(ため息)
posted by フェイユイ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月07日

『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 』サム・ペキンパー

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久し振りのサム・ペキンパーである。いつもどおりのバイオレンスと郷愁、男と酒と銃そして従順な女が住む世界を楽しませてもらった(女の私が言うのは変なのか?)

映画の中の郷愁とは別に、私がペキンパーに感じる郷愁というのはまあまさか西部自体に郷愁を感じるわけではなく、その当時ペキンパーを愛した日本人が(主に男だと思うが)かなりいたらしくマンガやドラマでは今思うとペキンパーをベースにした作品が溢れていたようでこの映画を観てもペキンパーであると共に彼に憧れた多くのイメージが思い出されてくる(知らないがルパン3世なんかもそうだと思うんだけど違うだろうか)演出・カット割り、台詞回し、ペキンパーはいかに影響を与えていたのだろうか。自国であるアメリカより日本での人気の方が高かったようにも聞くが不思議なものである。

今いきなり彼の映画を観たら否応なしに惨たらしい暴力がはびこり、女の人権はなく、蝿は飛び、節操はないというだらしなさ、触っただけで怪我をしそうなギザギザとした触感、匂うような男臭さに逃げ出してしまうかもしれない。
映画の中では過ぎ去った日々への憧憬が謳われている。それは作中でビリー・ザ・キッドを侮辱した男に対し、追う立場である保安官パット・ギャレットが「ビリーは根っからの西部の男だ。何も知らないものが余計なことを言うんじゃねえ」と言い返すところからも知れる。
かつては友であったギャレットがビリーを追い詰めた時、彼の心には寂しさが襲う。

日本版タイトルが『ビリー・ザ・キッド21歳の生涯』となっているのでそのとおりビリーの生き様を描いたものと思っていた。そうではあるが原題は『Pat Garett and Billy the Kid』なのであり、むしろギャレットの方が主人公なのではないか。
アメリカの開拓時代が終わりを告げ自らも老いていくことを感じるギャレットは若い友人であるビリーの生き方にある種の憧れを持っているのだ。その彼の命を我が手で終わらせなければいけなかった悲しみが滲み出てくる。彼の青春は終わったのだ。

ギャレットを名優ジェームズ・コバーンが演じ、ビリーをフォーク歌手であるクリス・クリストファーソンが演じている。
そしてビリーの仲間となるナイフ投げの名人にボブ・ディランが扮している。私はディランという物凄い有名歌手をちっとも知らなかったので動く姿を見ていたく感心した。どことなく神経質そうなきれいで華奢な青年である。追われる者たちを人気歌手が演じていることにも意味がありそうだ。

それにしてもギャレット役のコバーンはまったく西部劇の男の見本の如くである。男臭く渋く、コインを投げる動作も細長い足を際立たせる黒い服も決まりすぎるほどに決まっている。
ビリー自身はこの映画ではさほどかっこよくも見えないのであるが彼を追い続けるギャレットの悲哀だけが浮き彫りになっているのだ。

私は女なので実を言うとさほどでもないのだがここは男になって「うーん、男は哀愁だ、くくく」と涙を流して酔いしれてみるのもいいのだろう。

作品中に流れるボブ・ディランの「Kockin’ on Heaven’s Door」がまた悲しみを増幅させる。

監督:サム・ペキンパー 出演:ジェームズ・コバーン クリス・クリストファーソン ボブ・ディラン ジェイソン・ロバーズ ジャック・イーラム リチャード・ジャッケル
1973年アメリカ

追記:ここまで書くといけないのかもしれないけどギャレットのビリーへの気持ちは何か同性愛的なものを感じなくもない。
最初ビリーを逃がしてしまったのはどう観たってギャレットがわざと他の場所に行ってきっかけを作ったとしか思えないし、ビリーを追い詰めるためにビリーのお気に入りの売春婦を呼んで遊ぶところ、ラスト、女を抱いているビリーをしんみり待っているとこなんか奇妙な感情なのである。
他にない特別な友情なのだ、と言ってもそれでよいのだけどね。
ラベル:郷愁 暴力
posted by フェイユイ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月06日

『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.2 第3章・第4章 デヴィッド・リンチ

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クーパー捜査官がツイン・ピークスに強い愛着を示す。
来た時から自然の美しさに感動し続けであったが秘書のダイアンに退職金の額を聞き土地を購入するつもりらしい。

クーパーと同じくFBI法医学のエリートであるアルバートは強引にローラの遺体解剖をしようとして主治医たちの猛反対にあう。ツイン・ピークスの住人を口汚く罵るアルバートを保安官が拳を見舞う。
そしてクーパーは行き過ぎるアルバートに対し「ここではまだ人の命は大切なものなのだ」ときつく諌めるのだった。
アルバートを都会から来た奴と言って保安官たちに強い仲間意識を持つクーパーに保安官達は尊敬の念だけではなく友情を感じ始めていく。

保安官達はクーパーに語る「ここは時間から取り残された場所だ。そこがいい所だが、反面闇の部分もある。ここの森の中には得体の知れないモノが住み着いている。我々はそれと戦わなければいけないのだ。我々の祖先も。我々の子孫も」
ともに聞いていたエドとホークも頷くのだった。そして彼らは自分達の秘密の店にクーパーを連れて行く。そこにはジェームズもいて麻薬取引をしているジャックの弟を捕まえていた。

美しいのどかな田舎にはまた反面秘められたものがある。というのはどこの世界でもあることらしい。
「田舎でこそ怖ろしい殺人事件が起きる」と言ったのはシャーロック・ホームズだったか。

クーパーが保安官たちと親しくなるにつれ受付を担当するピントのずれたルーシー、ルーシーのボーイフレンドで気の弱いのっぽのアンディ、クールで知的で詩人でもあるネイティブのホークなど印象的な仲間たちである。

ローラの父親の悲しみはますます彼を異常な行動に駆り立てていく。ローラの葬儀で棺に抱きついて墓穴に落ちていったり、ダンスホールで相手を求めて泣き叫んだり。
始めは泣き叫んでいた母親の方がその異常さに押されてしまっているのだ。
クーパーはその母親が不思議なヴィジョンを見たと聞きその謎の男を絵に描かせる。その顔はクーパーが夢に見た片腕の男の仲間と同じものだった。

ローラがジャコビー精神科医と深い関係であったこと、『片目のジャック』といういかがわしい店で働いていたこと、コカインを常用しそれをレオから購入していたことなど町のアイドルであったローラの裏の顔が次第に明かされていく。
そしてローラの葬儀に彼女の従姉妹であるマデリーンがツイン・ピークスを訪れる。髪の色が違うがそっくりなその容貌にジェームズは愕然とするのだった。

クーパー捜査官が夢に見たローラにそっくりな女性が登場する。ローラは死体とそれまでの映像かイメージでしか登場してないのでこれもうまいやり方である。

ジョシー・パッカードはキャサリンが隠していた二重帳簿を見つけハリー保安官に相談するが、いつの間にか隠し金庫には偽物の帳簿だけしか入っていなかった。全てをキャサリンは盗聴していたのだ。そして彼女は悪事のためにオードリーの父、ベンジャミン・ホーンとの逢瀬を重ねていた。

ローラの肩には九官鳥から噛まれた傷跡が残り、胃の中には溶けかけた異物が残っていた。九官鳥は麻薬取引をしているジャック・ルノーのペットであり、胃の中の異物は『片目のジャック』のチップの破片であった。

ボビーはシェリーの家で血だらけのレオの上着を見つける。そしてそれをジャックの家にこっそり置いて逃げた。捜索に来たクーパーたちはその上着を見つけレオとジャックのつながりを知ったと喜ぶ。

ベン・ホーンはレオに製材所を放火しろと取引した。

ダブルRのノーマの服役中だった夫ハンクが釈放されることになる。ハンクはハリーの恋人ジョシーと何らかの関係があることが判明する。

ますます混迷状態になっていくツイン・ピークス。
田舎は謎もまた深いのである。

監督・脚本:デビッド・リンチ David Lynch 
      マーク・フロスト Mark Frost

出演:カイル・マクラクラン Kyle MacLachlan( デイル・クーパー)
マイケル・オントキーン Michael Ontkean( ハリー・S・トルーマン)
ジョアン・チェン Joan Chen( ジョスリン・“ジョシー”・パッカード)
パイパー・ローリー Piper Laurie( キャサリン・マーテル)
シェリル・リー Sheryl Lee( ローラ・パーマー/マデリーン・ファーガソン)
シェリリン・フェン Sherilyn Fenn( オードリー・ホーン)
ダナ・アッシュブルック Dana Ashbrook( ボビー・ブリッグス)
ジェームズ・マーシャル James Marshall( ジェームズ・ハーレイ)
ララ・フリン・ボイル Lara Flynn Boyle( ドナ・ヘイワード)
メッチェン・エイミック Madchen Amick( シェリー・ジョンソン)
リチャード・ベイマー Richard Beymer( ベンジャミン・ホーン)
ペギー・リプトン Peggy Lipton( ノーマ・ジェニングス)
ジャック・ナンス Jack Nance( ピート・マーテル)
キミー・ロバートソン Kimmy Robertson( ルーシー・モラン)
エリック・ダレー Eric Da Re( レオ・ジョンソン)
エベレット・マッギル Everett McGill( ビッグ・エド・ハーレイ)
レイ・ワイズ Ray Wise( リーランド・パーマー)
ウォーレン・フロスト Warren Frost( Dr. ウィリアム・ヘイワード)
グレイス・ザブリスキー Grace Zabriskie( サラ・パーマー)
ドン・S・デイビス Don S. Davis( ガーランド・ブリッグス)
シャーロット・スチュワート Charlotte Stewart( ベティ・ブリッグス)
ラス・タンブリン Russ Tamblyn( Dr. ローレンス・ジャコビー)
ハリー・ゴアス Harry Goaz( アンディ・ブレナン)
マイケル・ホース Michael Horse( トミー・ホーク・ヒル)
キャサリン・E・コウルソン Catherine E. Coulson( 丸太おばさん)
メアリー・ジョー・デシャネル Mary Jo Deschanel( エイリーン・ヘイワード)
フィービー・オーガスティン Phoebe Augustine( ロネット・ポラスキー)
ミゲル・ファーラー Miguel Ferrer( アルバート・ローゼンフィールド)
ウェンディ・ロビー Wendy Robie( ネイディーン・ハーレイ)
ゲイリー・ハーシュバーガー Gary Hershberger( マイク・ネルソン)
クリス・マルケイ Chris Mulkey( ハンク・ジェニングス)
アル・ストロベル Al Strobel( 片腕の男)
デビッド・パトリック・ケリー David Patrick Kelly( ジェリー・ホーン)
ウォルター・オルケウィック Walter Olkewicz( ジャック・ルノー)
ビクトリア・ケイトリン Victoria Catlin( ブラッキー・オライリー)
マイケル・J・アンダーソン Michael J. Anderson( 小人)
カレル・ストリッケン Carel Struycken( 巨人)
モリー・シャノン Molly Shannon
ビリー・ゼイン Billy Zane
吹替
posted by フェイユイ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイン・ピークス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月05日

『サハラに舞う羽根』シェカール・カプール

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一応イギリス青年の友情と愛、そして失われた名誉を回復する冒険を経ての成長の物語なのだが、私にはとにかくスーダンにおけるイギリス軍とネフディー軍の在り方戦い、そしてまさに「神に使わされた」としかいいようのないアブーとハリーの関係が面白くて見入ってしまう映画だった。

1884年、イギリスが地球上の4分の一を植民地としたこの時代、イギリスの男達は国と女王陛下のため戦いさらに領土を広げることを名誉としていた。
そんな中で主人公ハリーのような軍人が戦争直前に逃げ出してしまうなどということは最大の恥でしかなかったのだ。「臆病者」の印である白い羽根を4枚送られたハリーは屈辱を晴らす為、単身スーダンの地に入り込んでいく。

プライドのため、というより意地を張ったとしか思えないハリーの行動だが、軍隊にいたのでは見えないスーダンの国の人々と触れ合う事になる。
ハリーがなぜ戦争直前に除隊したのか。彼は怖ろしかった、と答えているのだが、現在の目から見れば戦争とは名ばかりで結局はイギリスによる他国の略奪である。
それに加担しなかったのは今であれば勇気ある行動と見てもいいのだろうが当時では許されないことだったのだ。
神の国であり先進国であるイギリスが野蛮人の国を植民地化し正しい道に導いてやるのだ、という傲慢な意識のもとにスーダンへと赴く兵士たち。
だがそんなイギリス軍を待ち構えていたのは優れたイスラム指導者マフディーが統率するスーダンの戦士たちだった。
絶対的な勝利の意識を持ち角陣で敵を(っていうかイギリスが敵なんだけどさ)迎え撃つイギリス軍だがマフディーの作戦は彼らの上をいっておりそのゲリラ的な戦法は格式ばったイギリス軍を打ちのめした。
映像としてもこの戦いの場面は迫力あるものだった。マフディーの軍隊をできるだけ引きつけようと待ち構える英軍の緊張。角陣を四方から追い詰めていく場面の恐怖。マフディー側に入り込んでいたハリーが一旦落馬した後、走る馬に駆け乗っていく疾走感はぞくぞくせずにはいられない。
はっきりとこの場面はイギリス帝国の滅亡の兆しを感じさせるものである。
勝利を収めたマフディーの戦法がこうもかっこよく負けたイギリス軍をここまで惨めに描いたのは監督がインド人のシェカール・カプールだからだろうか。とはいえイギリス映画はよく自国を自虐的に描くものであるからこのような描写が許された、というのはイギリスらしいというべきなんだろう。

アブーの存在は不思議である。なぜハリーをここまで助けてくれたのか。作品の中で問われてもその答えは「神の使い」というだけで凡人である自分には完全に理解できるものではない。
ハリーが友情のために命がけで友を救い出す、といってもアブーがいなければハリーには無理だったのではと思われる。
ジャックとハリーの友情は幼馴染という暖かな優しいものであるがハリーとアブーの友情は成長した大人のそれである。ハリーはアブーに命を助けられそれを直接恩返しできるものではないだろう。
ハリーは心の中にアブーを抱き違った形で返していくのではないだろうか。

イギリス人の目を通したエキゾチックな冒険活劇という観方だけでもなかなかに面白く観たのだが。

ハリーとアブーのあり得ないようなぞくぞくする友情に比べハリーとジャックの友情はいかにもよくある平凡なものではある。が、友情は平凡な方がほっと落ち着くものではあるけれど。

さてハリーを演じたヒース・レジャー。冒頭の頼りない坊ちゃん顔はどうもいけなかったが、スーダンに入って髭を伸ばし日焼けしボロボロの格好になってからはやっぱり魅力が光りだす。
馬に飛び乗るシーンは多分彼がやってるのではないかと思うんだが、さまになっててかっこいい。その乗馬シーンも含め友人の名前がジャックなのでどうにも「ブロークバックマウンテン」を思い出す方も多いだろう。しかもジャック氏「君が行くから僕も行くんだ」などと勘違いしそうな台詞をのたまわれるので余計に混乱してしまうのだ。かつジャック氏の風貌がなんとなくあちらのジャック(ジェイク・ギレンホール)に似ていなくもない。まあ、映画製作の順番はこちらが先だが。
などと言いながらも本作はジャイモン・フンスーの一人勝ちなのである。はっきり言って彼の映画である。
映画にはヒーローが必要だがこのかっこよさ。あの棒を肩に担いでふらりと歩いてるとこなんて凄く素敵なのである。美しいからだに見惚れて彼を知っただけでもこの映画の価値はある。

ところでまたヒースに戻るが最近離婚されたとかで快哉を叫んだファンもいると思うのだが、私も何故だかちょっと嬉しくなり(鬼)そんなに好きだったか?と自問したがまあそんなもんである。

監督:シェカール・カプール 出演:ヒース・レジャー ウェス・ベントリー ケイト・ハドソン ジャイモン・フンスー マイケル・シーン
2002年イギリス
posted by フェイユイ at 23:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

ジェイ・チョウ監督作品『不能説的秘密』が興行成績1位に

ジェイ・チョウ監督作品『不能説的秘密』が興行成績1位に

快進撃は聞いていましたが留まる所を知らないようですね。
香港で『男児本色』を抜いてトップというのがなんとも。
『イニシャルD』を思い出すような凄さです。
posted by フェイユイ at 22:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『回路』黒沢清

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弱ったな、『CURE』を観て感心して以来黒沢清監督作品を観ていこうと思ったのだが観るたびごとに興味がわかなくなってきている。
監督の製作年表を見ると新しいものほど面白くなくなってるような気もしてちょっと残念になっているのだ。
画面では様々な異様な光景が映し出され、観る者を混乱に陥れようとしているがさほど驚くことはない。根源的な破壊、世界のぶっ壊れ方が小さなものになってしまっているようなのだ。

本作はインターネットであの世とこの世をつなげてしまうという試みと人間関係の希薄さを訴えているものなのだが、途中からインターネットが関係なくなってしまっている上に非常に個人的な内面を追求してくれるのか、と思ったものが突然世界中を巻き込んでしまうような大掛かりなものになってしまうのだがそれが恐怖を呼んでしまうようには思えない。
考えれば『CURE』もそういう意識がなかったわけではないがあまり広がってしまわない内に終わった所がよかったのではないか。

だが、本作でがっかりしたのはそういった物語の本筋以前で女主人公ミチが観葉植物の即売会をする、と話している職場を見た時からである。
始めは趣味の同好会での話しかと思っていたら4人の若者を従業員にしている会社であった。
しかし一体あの働きぶりで経営が成り立っていくのだろうか。どうやって4人の人件費と社長の給料を捻出しているのか。
観葉植物販売店を装った麻薬取引組織に違いない。あの二人の女性の軽装とヒールの高いミュールで観葉植物の管理ができるものか。
そういった仕事には作業服と長靴、麦藁帽といった虫除け・日焼け対策が必要である。
些細な事にグチを言っているようだが、冒頭部分でリアリズムを感じられずその作品の中に入っていけなければ陶酔していけないのだ。
リアルな生活を見せられるほど後で起きる異常な事態がクリアになっていくと思うが私にはミチの仕事の方が異常な状況のように思えた。どうして社長以外同じ年頃の若者が4人いるのだろう。普通なら仕事に慣れたおばちゃんやらがいて当然なのに。
黒沢清監督の映画にはこのような職場のリアリズムが非常に欠けているように思える。『CURE』ですら警察のあり方が嘘っぽく感じられたのだが、話の面白さがなんとかそれを誤魔化していた。
ここではその現実性のなさが露呈している。加藤晴彦演じる大学生の大学生活にも「らしさ」が見えない。
春江は人間関係の希薄さを恐れ厭世感の強い女性なのだがその割には随分気さくで亮介ともすぐ仲良くなっていくのも頷けない。

つまりは設定もキャラクターも皆リアリティがないのである。リアリティがないのに幽霊を怖れなくてもいい。
物語は破綻し、現実性がなくてもいい(ない方が面白い)がそのためには設定がリアルであったが効果的である。

これは好みの問題かもしれないがミチがおせっかいほどの面倒見がいい女性でそのミチが生き残っていく。という筋立てがちょっとお説教じみている。実際にはそういう人が先に死んだりして悲しいものだと思うのだが。

幽霊がちょっと出てきて人間関係と孤独について少しだけ語られ人類の未来を危ぶむ、という大きなテーマになったりしてどの話も中途半端で終わっている。
私にはそのどのエピソードもあまり怖いものではなかったし、考えてみたいものでもない。
幽霊が増えすぎて居場所がなくなりこの世に現れる、という考え方は昔よくしたものだ。(みんなしてるのではないか)
映像になればあまり大した思いつきでもなかった。

この映画で一ついいのは使用される建物がちょっといい感じであることぐらいか。『叫』でもそういった「いい感じ」の建物が使われていたが主人公の住むアパート、近くの朽ち果てた工場などは観ていて楽しい。
それだけがいい、というのはあまりにも悲しいが。

監督:黒沢清 出演:加藤晴彦 麻生久美子 小雪 有坂来瞳 松尾政寿 武田真治 風吹ジュン 哀川翔 役所広司
2000年日本
ラベル:ホラー
posted by フェイユイ at 21:19| Comment(6) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

索引【2007年9月〜2008年8月】

「藍空放浪記」での記事索引(2007年9月〜2008年8月)です。

映画・短期間ドラマ・演劇に関する索引です。
タイトルと中身に間違いがあったら教えてください。
原語タイトルと日本語タイトルで迷った場合はわかりやすいよう日本語タイトルにしています。
但し日本語タイトルに原語が組み込まれている場合はそのままだったりもします。
また、個人的に索引するほどもない、と考えたものは記載しないことにしました。

★あ行
『愛情物語』ジョージ・シドニー
『アイデン&ティティ』田口トモロヲ
『OUT』平山秀幸
『青い春』豊田利晃
蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ 1 第一章 『人生って嘘みたい』高田雅博
蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ 2 第二章 『バライロノヒビ』タカハタ秀太
『蒼き狼 地果て海尽きるまで』澤井信一郎
『蒼き狼 チンギス・ハーン』サイフ/マイリース
『赤目四十八瀧心中未遂』荒戸源次郎
『アカルイミライ』黒沢清
『アズールとアスマール』ミッシェル・オスロ
『網走番外地』石井輝男
『アマデウス』ミロス・フォアマン
『あるいは裏切りという名の犬 』オリヴィエ・マルシャル
『あるスキャンダルの覚え書き 』リチャード・エア
『1 イチ』丹野雅仁
『イツカ波ノ彼方ニ』丹野雅仁
『イツカ波ノ彼方ニ』今夜も
『荊の城』上・下エイスリング・ウォルシュ
『インビジブル・ウェーブ』ペンエーグ・ラッタナルアーン
『インプリント 〜ぼっけえ、きょうてえ〜 』三池崇史
『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』と『ボルベール 帰郷』
『インランド・エンパイア』デヴィッド・リンチ
『ウィニング・パス』中田新一
『ウィンタースリーパー』トム・ティクヴァ
『エドワードU』デレク・ジャーマン
『L change the WorLd 』中田秀夫
『L change the WorLd complete set[DVD3枚組]』よりメイキング&お楽しみ
『男たちの大和/YAMATO 』佐藤純彌
『大人は判ってくれない』フランソワ・トリュフォー
『親指さがし』熊澤尚人
『オーシャンズ13』スティーブン・ソダーバーグ

★か行
『ガーダ パレスチナの詩 』古居みずえ
『怪談新耳袋 第1夜』
『害虫』塩田明彦
『回路』黒沢清
『鍵がない』山田英治
『カサノバ』ラッセ・ハルストレム
『カジノ・ロワイヤル』再び マーティン・キャンベル
『カスタムメイド 10.30』ANIKI
『家族』山田洋次
『かまち』望月六郎
『カミナリ走ル夏 雷光疾走ル夏』丹野雅仁
『花様年華』王家衛
『カラヴァッジオ』デレク・ジャーマン
『ガリレオ 3』第5・6話
『火龍』李翰祥
『QUARTET カルテット』久石譲
『花蓮の夏』主題歌『盛夏光年』訳 のようなもの
『完全なる飼育 秘密の地下室 』水谷俊之
『灌籃(カンフーダンク)』朱延平
『功夫灌籃』(カンフーダンク)メイキング
『キッズ・リターン』北野武
『キャッチボール屋』大崎章
『キャンディ』ニール・アームフィールド
『鬼龍院花子の生涯』五社英雄
『キング 罪の王』再び
『クィーン 』スティーヴン・フリアーズ
『偶然にも最悪な少年』グ スーヨン
『孔雀』クリストファー・ドイル
『グッド・シェパード』ロバート・デ・ニーロ
『グッドナイト&グッドラック 』ジョージ・クルーニー
『クライマーズ・ハイ』清水一彦(前編)、井上剛(後編)
『グレン・ミラー物語』アンソニー・マン
『黒い家』森田芳光
『ケリー・ザ・ギャング』グレゴール・ジョーダン
『ゲルマニウムの夜』大森立嗣
『現代畸聞録 怪異物語』木村俊幸
『GO』行定勲
『恋におちたシェイクスピア』ジョン・マッデン
『故郷』山田洋次
『告発』マーク・ロッコ
『呉清源 極みの棋譜』田壮壮
『ゴッド and モンスター』ビル・コンドン
『御法度』大島渚
『殺し屋1』三池崇史

★さ行
『サイコ (1998)』ガス・ヴァン・サント『サイコ』ヒッチコック版とガス・ヴァン・サント版を観比べる
『サイコ』ヒッチコック版とガス・ヴァン・サント版を観比べる・その2
『サウスバウンド 』森田芳光
『さくらん』蜷川実花
『ザ・コミットメンツ』アラン・パーカー
『サスペリア』ダリオ・アルジェント
『殺人ゲームへの招待』ジョナサン・リン
『サッド・ヴァケイション』青山真治
『ザ・トレンチ(塹壕)』ウィリアム・ボイド
『サハラに舞う羽根』シェカール・カプール
『さよなら、クロ 〜世界一幸せな犬の物語〜』松岡錠司
『サルサ!』ジョイス・シャルマン・ブニュエル
『サルバドールの朝』マヌエル・ウエルガ
『Jの悲劇』再び ロジャー・ミッシェル
『シェルタリング・スカイ』ベルナルド・ベルトルッチ
『地獄の黙示録』フランシス・フォード・コッポラ
『シド・アンド・ナンシー』アレックス・コックス
『69 sixtynine』李相日
『渋谷怪談 2 デラックス版』堀江慶
『ジャイアンツ』ジョージ・スティーブンス
『修羅雪姫』 <1973年版> 藤田敏八
『少年たち3』第1話
『少年たち3』第2話〜第5話
『ジョゼと虎と魚たち』 犬童一心
『ショートバス』ジョン・キャメロン・ミッチェル
『Short Films』1:「Return」中野裕之・2:「県道スター」ピエール瀧
『Short Films』3:「ハナとオジサン」芹澤康久
『Short Films』4:「アダージェット Adagietto Sehr, langsam」安藤政信
『地雷を踏んだらサヨウナラ』五十嵐匠
『深呼吸の必要』篠原哲雄
『神童』萩生田宏治
『神童』スペシャルディスク
『SWEET SIXTEEN』と『大人は判ってくれない』
『SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ 』三池崇史
『ストーン・カウンシル』ギョーム・ニクルー
『すべての美しい馬』ビリー・ボブ・ソーントン
『300 <スリーハンドレッド> 』ザック・スナイダー
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 』ポール・トーマス・アンダーソン
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 』再び
『盛夏光年〜花蓮の夏〜』またもう一度
『西太后』 [ノーカット版] 第一部・第二部
『続・西太后』李翰祥
『セクシーボイスアンドロボ』voice1 三日坊主
『セクシーボイスアンドロボ』voice2 ごぼ蔵
『セクシーボイスアンドロボ』voice3お歯黒女
『セクシーボイスアンドロボ』voice4かんにん袋
『セクシーボイスアンドロボ』voice5うしみつ様
『セクシーボイスアンドロボ』voice6 ZI
『セクシーボイスアンドロボ』voice7 ハンバーグさん
『セクシーボイスアンドロボ』voice8 プッチーニ前編
『セクシーボイスアンドロボ』voice9 プッチーニ後編
『セクシーボイスアンドロボ』voice10幸子
『セクシーボイスアンドロボ』Lastvoice ロボ『セクロボ』去り難し
『絶対の愛』キム・ギドク
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』ジャン・ジャック・アノー
『ゼロの焦点』野村芳太郎
『潜水服は蝶の夢を見る』ジュリアン・シュナーベル
『ゾディアック』アレクサンダー・バークレー
『ゾディアック』デビッド・フィンチャー
『それから』森田芳光

★た行
『タイガー&ドラゴン 三枚起請の回』金子文紀
『タイガー&ドラゴン 1 』第1話「芝浜」第2話「饅頭怖い」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 2』第3話「茶の湯」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 2』第4話「権助提灯」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 3』第5話「厩火事」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 3』第6話「明烏」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 4』第7話「猫の皿」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 4』第8話「出来心」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 5』第9話「粗忽長屋」金子文紀
『タイガー&ドラゴン 5』第10話「品川心中」
『タイガー&ドラゴン 5』最終話/第11話「子は鎹」金子文紀
『太陽』アレクサンドル・ソクーロフ
『たとえ世界が終わっても CYCLE SOUL APARTMENT』野口照夫
『ダンシング・ハバナ』ガイ・ファーランド
『血と骨』崔洋一
『倩女幽魂 チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』チン・シウトン
『茶の味』石井克人
『中国の植物学者の娘たち』ダイ・シージエ
『長江哀歌(エレジー)』ジャ・ジャンクー
『長州ファイブ』五十嵐匠
『チョコレート』マーク・フォースター
『チルドレン』源孝志
『沈睡的青春』鄭芬芬
『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.2 第2章 デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.2 第3章・第4章 デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.3 第5章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.3 第6章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.3 第7章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.1 第8章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.1 第9章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.1 第10章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.2 第11章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.2 第12章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.2 第13章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.2 第14章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.3 第15章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.3 第16章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.3 第17章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.3 第18章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.4 第19・20章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.5 第24章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.4 第21・22章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.5 第23章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.5 第24章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.5 第25章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.5 第26章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.6 第27章デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス』シーズン 2 Vol.6 第28・29章 最終回 デヴィッド・リンチ
『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間 』デヴィッド・リンチ
『ツォツィ』ギャヴィン・フッド
『椿三十郎』森田芳光
『椿三十郎』妄想編
『翼の折れた天使たち 第二夜 ライブチャット 』
『ディナーラッシュ』ボブ・ジラルディ
『DEATH NOTE デスノート』金子修介
『DEATH NOTE デスノート』今夜も再び
『 DEATH NOTE 証言 〜Beginning of the Movie〜 』と『DEATH NOTE profile report from L ナビゲートDVD 』
そして『DEATH NOTE』に辿りつく・前編
そして『DEATH NOTE』に辿りつく・後編
『DEATH NOTE』現場記録映像
『デビルズ・バックボーン』ギレルモ・デル・トロ
『天国の口、終りの楽園。』アルフォンソ・キュアロン
『デーモンラヴァー』オリヴィエ・アサヤス
『天国の本屋〜恋火』篠原哲雄
『THE ROOM 閉ざされた森』サイモン・ライリー
『ドッグ・バイト・ドッグ 』ソイ・チェン
『ドラッグストア・カウボーイ』ガス・ヴァン・サント
『Dolls ドールズ 』北野武
『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙(そら)へ』前田哲

★な行
『渚のシンドバッド』橋口亮輔
『NANA』大谷健太郎『2046』再び 王家衛
『日本の夜と霧』大島渚
『猫と奥さんと俺たちの青春 〜山田英治が綴る二つの世界〜 』山田英治
『ノーカントリー』ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
『ノーカントリー』怪物礼賛
『のんきな姉さん』七里圭

★は行
『拍手する時に去れ』チャン・ジン
『ハゲタカ』第1回「日本を買い叩け!」
『ハゲタカ』第2回「ゴールデン・パラシュート」
『ハゲタカ』第3回「終わりなき入札」
『ハゲタカ』第4回「激震! 株主総会」
『ハゲタカ』第5回「ホワイトナイト」
『ハゲタカ』第6回最終話「新しきバイアウト」
『ハッシュ!』橋口亮輔
『ハッスル&フロウ』クレイグ・ブリュワー
『バッド・エデュケーション』ペドロ・アルモドヴァル
『パトリオット』ローランド・エメリッヒ『パフューム ある人殺しの物語 』トム・ティクヴァ
『パラダイス・ナウ』ハニ・アブ・アサド
『薔薇の名前』ジャン・ジャック・アノー
『薔薇の名前』アノー監督解説を聞いて
『ハリウッドランド』アレン・コールター
『パリ・ジュテーム』
『パリ・ジュテーム』続き
『パリ・ジュテーム』続きの続き
『春眠り世田谷』山田英治
『BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界』フレデリック・ワイズマン
『BULLET BALLET』塚本晋也
『曼谷愛情故事 Bangkok Love Story 』ポット・アーノン
『パンズ・ラビリンス』ギレルモ・デル・トロ
『人のセックスを笑うな』井口奈己
椎名林檎/短篇キネマ 『百色眼鏡』
『ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 』サム・ペキンパー
『ヴァイブレータ』廣木隆一
『ファーゴ』ジョエル・コーエン
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』ヴィム・ヴェンダース
『ヴェニスの商人』マイケル・ラドフォード
『ヴェラ・ドレイク』マイク・リー
『復讐 THE REVENGE 消えない傷痕』黒沢清
『不能説的・秘密』周杰倫
『不能説的・秘密』(周杰倫)再観してみた
『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』スティーヴン・ウーリー
『ブラザー・サン シスター・ムーン』フランコ・ゼフィレッリ
『ブラック・スネーク・モーン 』クレイグ・ブリュワー
ヒース・レジャーを偲びながら『ブラザーズグリム』
『復讐 THE REVENGE 消えない傷痕』黒沢清
『フランケンシュタインの花嫁 』ジェームズ・ホエール
『不良少年(ヤンキー)の夢 』花堂純次
『フルメタル・ジャケット』スタンリー・キューブリック
『HAZE ヘイズ』塚本晋也
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』ジョン・キャメロン・ミッチェル
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』もう一度考えてみる
『Helpless』青山真治
『ヘルボーイ』ギレルモ・デル・トロ
『ボクサー』寺山修司
『ぼくのなつやすみ3』特別企画中島哲也演出「いま、夏休みの大人たちへ」
『僕のピアノコンチェルト』フレディ・M.ムーラー
『ホテル・ルワンダ』テリー・ジョージ
『ボルベール <帰郷> 』ペドロ・アルモドヴァル
『ボーン・アルティメイタム』ポール・グリーングラス

★ま行
『マイ・プライベート・アイダホ』ガス・ヴァン・サント
『マイ・プライベート・アイダホ』今夜も
『松ヶ根乱射事件』山下敦弘
『真夜中のピアニスト』ジャック・オディアール
『真夜中の弥次さん喜多さん 』宮藤官九郎
『マーラー』ケン・ラッセル
『マルティン・ベック Vol.1 ロゼアンナ』
『MONDAY マンデイ』SABU 
『ミネハハ 秘密の森の少女たち 』ジョン・アーヴィン
『蟲師』大友克洋
『最も危険な遊戯』村川透

★や行
『約束の旅路』ラデュ・ミヘイレアニ
『夜叉ケ池』三池崇史
『ユメ十夜』一夜
『ユメ十夜』二夜
『ユメ十夜』三夜
『ユメ十夜』最終夜
『EUREKA ユリイカ』青山真治
『陽暉楼』五社英雄
『吉原炎上』五社英雄
『4分間のピアニスト』クリス・クラウス

★ら行
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』アラン・パーカー
『楽園の瑕』王家衛
『ラストキング・オブ・スコットランド 』ケヴィン・マクドナルド
『ラストデイズ』ガス・ヴァン・サント
『ラヴェンダーの咲く庭で』チャールズ・ダンス
『ラブドガン』渡辺謙作
『ラブレター 蒼恋歌』丹野雅仁
『乱歩地獄』 竹内スグル 実相寺昭雄 佐藤寿保 カネコアツシ
『藍宇 情熱の嵐』關錦鵬
『ラン・ローラ・ラン』トム・ティクヴァ
『リアリズムの宿』山下敦弘
『陸軍残虐物語』佐藤純彌
『陸軍中野学校 密命 』井上昭
『リトル・ランナー』マイケル・マッゴーワン
『龍が如く 劇場版 』三池崇史
『隣人13号』井上靖雄
『[月因]脂扣(ルージュ)』關錦鵬(スタンリー・クワン)
『ルナシー』ヤン・ シュヴァンクマイエル
『ルワンダの涙 』マイケル・ケイトン・ジョーンズ
『レイクサイド マーダーケース 』青山真治
『レイヤーケーキ』再び マシュー・ヴォーン
『恋愛睡眠のすすめ 』ミシェル・ゴンドリー
小林賢太郎プロデュース公演『LENS』
『ロード・オブ・ドッグタウン』キャサリン・ハードウィック
『ロード・トゥ・パーディション』サム・メンデス

★わ行
『忘れられぬ人々』篠崎誠
『私のように美しい娘 』フランソワ・トリュフォー
『鰐』キム・ギドク
『ONCE ダブリンの街角で』ジョン カーニー

2007年09月02日

『ツイン・ピークス』シーズン 1 Vol.2 第2章 デヴィッド・リンチ

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今回一番の目玉となるのは森の中でのクーパー捜査官による奇妙な捜査方法である。
ローラが日記に書いていた「Jに会うのが心配」という文章のJを探し当てるのだ。
その方法とはクーパー捜査官が数年前夢に見たチベット式演繹法に基づく心と体を使って直観を呼び覚ますというものであった。

あらかじめ黒板にJのつく名前を書いておく18・5メートル先の切り株の上にガラス瓶を立てる。
保安官に名前とローラとの関係を言ってもらうとクーパー捜査官はホークが持ったバケツの中の石を手に取りその名前をつぶやく。
そしてガラス瓶めがけて投げつけるのだ。
当たったものをルーシーがチェックする。
ジャコビー精神科医の時、石が当たるが壜は割れない。そしてレオ・ジョンソンで壜が割れたのであった。

まったく変な捜査だがこれもクーパー捜査官の能力の一部に過ぎない。

今回は湖の先にある「片目のジャック」という妖しげな娼館を見ることになる。
ベン・ホーンは帰ってきた弟とそこへ出かけていく。オードリーの言葉でローラとベン・ホーンがなにやら関係あったかと思わせる。
ジェームズとドナは仲を深め、シェリーは夫レオに殴られそれを知ったボビーは怒る。ただしレオに会った時はその迫力に怯えているが。

ネイディーンは夫エドの失敗のせいで逆に音のしないカーテンレールを発明する。

FBIアルバートが捜査に駆けつける。だがその傲慢な態度に温厚な保安官がきっぱりと言い返しクーパーはそれを見て親指を立てる。

ローラの父親リーランドローラの写真を見ながら泣き出し踊り狂う。

最後にクーパー捜査官が不思議な夢を見る。
片腕の男マイクとボブである。ボブはまた誰かを殺すと不吉な事を言う。
赤い部屋に年をとったクーパーが座っている。小人の男が身を震わせている。黒いドレスをきたローラも椅子に腰掛けているのだが小人は「ローラによく似ているだろう」と言う。彼らの後ろを何かの影が横切る。
クーパーが「ローラだろう」というとその女性は「彼女を知ってる気がするが時々腕が後ろにまわるの」と答えるのだ。
音楽が流れ出し小人が踊り始める。ローラが立ち上がってクーパーにキスをし何かを耳元で囁く。
クーパーは目覚めハリー保安官に「犯人がわかった」と電話した。

この赤い部屋はこのドラマの中や他のリンチ映画でも彼のイメージとしてよく使われるものだ。この世と別の世界の中間の待合室のような不気味な空間である。
小人やローラが話す言葉は普通の音声ではないのも彼らがこの世のものではないことを示しているのだろうか。
腕が時々うしろにまわるというローラに似た女性の言葉は何を意味しているのだろうか。
posted by フェイユイ at 23:44| Comment(4) | TrackBack(0) | ツイン・ピークス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ヴェラ・ドレイク』マイク・リー

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ヴェラ・ドレイクはいつの世にもいた人なんだろう。社会的にどうでも女性にとって必要な人。でも男性はどう思うのか。なぜかその答えはいつも曖昧のようである。

ヴェラは幸せになれる人なんだろうか。
自らは優しい夫と二人の子供を持ついい母親で幾つかの家の下働きをして収入を得ている。いつも明るく振舞って、気難しい年老いた母や近所の病人にも心配りをする働き者で善意の人、ヴェラ・ブレイク。
どこかで覚えた素人の堕胎術で20数年もの間「困った女性」を助け続けてきたヴェラ・ブレイク。
ただの一度もその報酬を受け取る事はなしに女性達を助けるために法を犯し続けてきた。そのてきぱきとした処置の仕方や「困った女性」への対応にはまったく戸惑いは見えないが、ヴェラがその行為を正当化していたわけではないことは警察が逮捕に来た時の彼女の言動から伺える。ヴェラは素人が行う堕胎を有罪だと認めながらも「困った女性」がいると知れば見過ごしておけなかったのだ。20数年もの間、無報酬で。
そして逮捕され幸せな家庭を失ってしまった。一体何のために。

ヴェラは正しいのか、正しくないのか。
望まない妊娠をした女性にとって法的にまたは経済的に堕胎手術が受けられないなら誰かに頼らざるを得なくなる。
妊娠というのは女性だけでできることではないのに、堕胎は女性が行わなければならない。
堕胎が様々な理由で公的にできないなら古今東西ヴェラ・ドレイクは必要なはずだ。現にそうであったろうしこれからもそうであろう。
正しいのか、正しくないのか(黒か白か)ではなく必要なのだ。

「妊娠・出産・育児という女性の問題について」などと言われたりする。しかしそれは男性があってしかあり得ないこと。なぜそれが「女性の問題」なのか。
という疑問は所詮大人気ない非常識な屁理屈なのであろうか。 

ましてやそれが堕胎ということになると男はそんなことに関係した事はないかのごとく存在を消してしまう。
理由は様々あるだろうが映画の中では特に堕胎は女だけの苦しみとなって表現されてしまう。

医学的に堕胎が可能であっても宗教・思想・文化が嫌悪感・罪悪感を生み出す。
妊娠・出産は祝福された結婚から生み出されたものであることが望ましいという考えは地球上の多くの地域でなされているものだろうが実際にそれだけではないことは皆が知ってる事実なのに必然として行われる堕胎は闇の中の行為となる。
そうでなくなるためには宗教・思想・文化が変化し「困った女性」は経済的理由で悩むこともなく堕胎できるように体制が整わなければいけない。そうでなければヴェラ・ブレイクは存在するはずだ、どうしても(しかも彼女のように“いい人”であるならまだしもだ)
だがこうして書いているだけでも堕胎を奨励するのかというそしりを受けそうである。
もう一つの道は妊娠した場合万全に出産できその子供が養育できる環境ができることだ(それに近い国もあるかもしれないがまだ近未来小説での社会にしか思えない)
望まない出産のために母親・子供はどういう生き方をするのか。誰かが責任をとってくれるわけではない。

ヴェラ・ドレイクの物語から離れすぎてしまった。
ヴェラは平凡でさほどの学歴もない中年女性だが持ち前の気さくさと人から必要とされると断れない性格も手伝って割に合わない手助けを引き受けてしまう。その結果、家庭は崩壊し未来は予想もつかない。
2年半の禁固刑を言い渡されたヴェラは刑務所内で同じように堕胎手術を施して捕まった女性達に出会う。彼女らは再犯でヴェラ以上の罰を受けるのだ。それまで泣きはらしていたヴェラは心に何を思ったのか。
ヴェラが出所してまた「困った女性」に頼まれた時、彼女は断ることができるのか。再犯の女性達と同じ道を歩んでしまうのではないか。
看守から「足元に気をつけて」と言われながら危うい階段を上っていくヴェラの後姿はその後の彼女を暗示しているかのようである。
沈鬱に集まり言葉もない他の家族達の様子もその未来が単純に明るいものではないように思える。


ヴェラ役のイメルダ・スタウントンは言葉を発さないまま感情を表現していく。犯行の理由と過去を問われ涙を流すだけで何も言えないヴェラには話したくない重い過去があるのかもしれない。
彼女が大切なのは家族なのに「困った女性」も見捨てきれないでいる。他から見れば報酬もないのだから(私なんかそこにこだわる)やめればいいのに、と思うのだが。
友人面をしてちゃっかり代金を横取りしていた女性こそ腹立たしい。あちらは何の罪もないのか。不満である。
秘密にしておかなくてはいけないのに自分への罰をおそれヴェラの名を口に出してしまう女性を見てると完全な秘密とはあり得ないと判る。

この映画では細かい説明というものが省略されていて観客が疑問に思う点も幾つかあるようだが、本当のところヴェラの堕胎術というのはどのくらいの成功率だったんだろう。精神的ケアや2度目の診察などがないのは無報酬だから(こだわる)当然だろうが処置を受けた女性達のその後が描かれてない、もしくは説明もなかったので他にも何らかの被害を受けた例はなかったんだろうか。それを暴こうとしている映画ではないので省かれているのだが、石鹸水堕胎がどのような結果になるのか、知りたくもある。

監督:マイク・リー 出演:イメルダ・スタウントン フィル・デイビス ジム・ブロードベント ピーター・ワイト ヘザー・クラニー ダニエル・メイズ アレックス・ケリー
2004年イギリス/フランス/ニュージーランド

追記:望まない妊娠、悲しい言葉である。そこにはすでに生命の誕生が隠されているのにその子供は望まれていないのだ。
一体幾たびそういう思いが抱かれ、悲しい運命が待ち構えているのか。それが生まれないにしても生まれるにしても。
堕胎が全く必要ない社会ということがありうるのだろうか。すべての命が祝福されて迎えられるわけではない。そして男女の営みはすべてがすべての納得の上で行われるわけではない。
どうしても望まれる妊娠のみを求めるなら男女とも精子・卵子を採取保存した上で互いに子供を生まない体(つまり去勢)そして医学的に望む子供だけを生むのだ。
そういう社会を望む日がくるのだろうか。今の感覚で言えば寂しい気がする。
その場合は多分逆のヴェラ・ドレイクが出てくるのだろうが。
ラベル:イギリス映画
posted by フェイユイ at 21:14| Comment(0) | TrackBack(3) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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