映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2007年09月04日

ジェイ・チョウ監督作品『不能説的秘密』が興行成績1位に

ジェイ・チョウ監督作品『不能説的秘密』が興行成績1位に

快進撃は聞いていましたが留まる所を知らないようですね。
香港で『男児本色』を抜いてトップというのがなんとも。
『イニシャルD』を思い出すような凄さです。


posted by フェイユイ at 22:27| Comment(0) | TrackBack(1) | 周杰倫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『回路』黒沢清

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弱ったな、『CURE』を観て感心して以来黒沢清監督作品を観ていこうと思ったのだが観るたびごとに興味がわかなくなってきている。
監督の製作年表を見ると新しいものほど面白くなくなってるような気もしてちょっと残念になっているのだ。
画面では様々な異様な光景が映し出され、観る者を混乱に陥れようとしているがさほど驚くことはない。根源的な破壊、世界のぶっ壊れ方が小さなものになってしまっているようなのだ。

本作はインターネットであの世とこの世をつなげてしまうという試みと人間関係の希薄さを訴えているものなのだが、途中からインターネットが関係なくなってしまっている上に非常に個人的な内面を追求してくれるのか、と思ったものが突然世界中を巻き込んでしまうような大掛かりなものになってしまうのだがそれが恐怖を呼んでしまうようには思えない。
考えれば『CURE』もそういう意識がなかったわけではないがあまり広がってしまわない内に終わった所がよかったのではないか。

だが、本作でがっかりしたのはそういった物語の本筋以前で女主人公ミチが観葉植物の即売会をする、と話している職場を見た時からである。
始めは趣味の同好会での話しかと思っていたら4人の若者を従業員にしている会社であった。
しかし一体あの働きぶりで経営が成り立っていくのだろうか。どうやって4人の人件費と社長の給料を捻出しているのか。
観葉植物販売店を装った麻薬取引組織に違いない。あの二人の女性の軽装とヒールの高いミュールで観葉植物の管理ができるものか。
そういった仕事には作業服と長靴、麦藁帽といった虫除け・日焼け対策が必要である。
些細な事にグチを言っているようだが、冒頭部分でリアリズムを感じられずその作品の中に入っていけなければ陶酔していけないのだ。
リアルな生活を見せられるほど後で起きる異常な事態がクリアになっていくと思うが私にはミチの仕事の方が異常な状況のように思えた。どうして社長以外同じ年頃の若者が4人いるのだろう。普通なら仕事に慣れたおばちゃんやらがいて当然なのに。
黒沢清監督の映画にはこのような職場のリアリズムが非常に欠けているように思える。『CURE』ですら警察のあり方が嘘っぽく感じられたのだが、話の面白さがなんとかそれを誤魔化していた。
ここではその現実性のなさが露呈している。加藤晴彦演じる大学生の大学生活にも「らしさ」が見えない。
春江は人間関係の希薄さを恐れ厭世感の強い女性なのだがその割には随分気さくで亮介ともすぐ仲良くなっていくのも頷けない。

つまりは設定もキャラクターも皆リアリティがないのである。リアリティがないのに幽霊を怖れなくてもいい。
物語は破綻し、現実性がなくてもいい(ない方が面白い)がそのためには設定がリアルであったが効果的である。

これは好みの問題かもしれないがミチがおせっかいほどの面倒見がいい女性でそのミチが生き残っていく。という筋立てがちょっとお説教じみている。実際にはそういう人が先に死んだりして悲しいものだと思うのだが。

幽霊がちょっと出てきて人間関係と孤独について少しだけ語られ人類の未来を危ぶむ、という大きなテーマになったりしてどの話も中途半端で終わっている。
私にはそのどのエピソードもあまり怖いものではなかったし、考えてみたいものでもない。
幽霊が増えすぎて居場所がなくなりこの世に現れる、という考え方は昔よくしたものだ。(みんなしてるのではないか)
映像になればあまり大した思いつきでもなかった。

この映画で一ついいのは使用される建物がちょっといい感じであることぐらいか。『叫』でもそういった「いい感じ」の建物が使われていたが主人公の住むアパート、近くの朽ち果てた工場などは観ていて楽しい。
それだけがいい、というのはあまりにも悲しいが。

監督:黒沢清 出演:加藤晴彦 麻生久美子 小雪 有坂来瞳 松尾政寿 武田真治 風吹ジュン 哀川翔 役所広司
2000年日本
ラベル:ホラー
posted by フェイユイ at 21:19| Comment(6) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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