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2007年09月18日

『ロード・トゥ・パーディション』サム・メンデス

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アイリッシュマフィアの一員であり、ボスのお気に入りであるマイケル・サリヴァン。その彼が妻子を殺され復讐を誓いながら、まだ12歳の息子と共に叔母の家があるパーディションへと車を走らせるロード・ムービー。

というとなかなか好みの映画のようだが、何故だかあまり気持ちの入らない映画だった。
主演はトム・ハンクス、というだけで少し嫌な予感はするのだが、彼がいけないというわけではなくやはり作り手のせいだと思う。
本作は小池一夫のマンガ『子連れ狼』をモチーフとしているらしく確かに12歳の息子に車を運転させ親父が悪さをやってはそれに飛び乗って走り去るところなど面白いかもしれない。
だがどういうわけだか監督の趣味なのだろうか、全体が重く暗く沈みがちなのだが徹底して暗くもない。
演出もいかにも定番のマフィア的なもので退屈であった。
せっかくコメディが得意のトム・ハンクスが主演なのだからもっとはじけた面白おかしい路線でやって最後泣かせる、というほうがノリがよい上にもっと感動したのではないか。
じゃあなんで観たんだよ、というとそれはダニエル・クレイグが出演していたからでもっとチョイ役かと思いきや結構出番は多かった。
最初は妙にかっこつけて出てくるのにマフィア・ボスのできの悪い息子でトム演じるマイケルが父親の気に入りなのが気に食わない、というかなり情けない役柄である。
話が面白ければダニエルが割りの悪い役でもかまわないが殺されるシーンからして当たり前すぎる。

もともとあまり折り合いのよくなかった父と子が短い旅の間で心を通わせる、という感動の物語のはずなのだが悪い事をしながら旅をする父親に同調していく少年の気持ちがわからない。
大体が“悪い人間”であるマフィアなのだ。“普通の少年”である息子と“マフィアの父”の心が通い合うほどの何かを感じることはできなかった。
『子連れ狼』をモチーフにしなくともお国には『ペーパームーン』という悪党親子のロードムービーがあるではないか。あちらの方が愉快で可愛くてほんのりしんみりできたと思う。
ハードボイルドな父・息子をやりたかったのだろうがそこまでは行けてない。私は『子連れ狼』をそれほど知らないがもっと違うものだったのではないか。この辺香港映画『インファナル・アフェア』の本質を変えてしまったのと(舞台が変わるならそうならざるを得ないからね)似ている。

主演は他にボスのポール・ニューマンと必殺カメラマンのジュード・ロウ。ポール・ニューマンはおじいさんになっても素敵ですがなんとなく『ゴッドファーザー』のデ・ニーロみたいなしゃべり方をしているように聞こえたが気のせいだろうか。
ジュードは役作りで前髪を抜いてしまったらしい。殺した相手を必ず写真に撮るというサイコな殺し屋である。その割にはあっさりマイケルにまかれてしまう。普通もっと怖い存在になってもよさそうなのにこれも中途半端。

というわけで出演陣も豪華で、発想も面白いのに全て中途半端に仕上がってしまった。

監督:サム・メンデス 出演: トム・ハンクス、タイラー・ホークリン、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ
2002年アメリカ


ラベル:マフィア 家族
posted by フェイユイ at 23:56| Comment(4) | TrackBack(0) | ダニエル・クレイグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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