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2008年01月04日

『火龍』李翰祥

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火龍/The Last Emperor

『藍空』でせっせと鑑賞記事を書いた清朝『末代皇帝』は陳道明が素晴らしくもう一度観たいと思っている。
この作品ではレオン・カーフェイが愛新覚羅溥儀の後半生『末代皇帝』では最後の2・3話に当たる部分に焦点をあてて描いている。神に等しい皇帝が再教育され人間改造の後、普通の市民となってからの悲喜劇であった。全体にコミカルな感じで描かれている作品でもある。
男らしい風貌のカーフェイがひ弱な印象の溥儀をどう演じるのかと思っていたが、さすが眼鏡をかけ独特な髪型になったカーフェイは皇帝の座から降ろされ単なる人間となった溥儀になりきり、一市民となった戸惑い、それまで他人に与えた罪の意識、何もできないことに対する悲しみなどが伝わってくるのであった。
実際の溥儀はこの頃すでに50歳を過ぎていたはずだが、カーフェイの溥儀はまだ若々しくてなかなか魅力的であった。

一市民となった溥儀は新しく結婚し、何もできない夫ながら(映画によれば)愛情に満ちた生活を送る(実際はどうだったのか、それはわからないが)
温厚な人柄だった周恩来の庇護もあって比較的裕福な(あの当時の彼の状況からしてみれば)生活を送っていたようだが、文革の波は溥儀の生活も飲み込んでいく。どの映画を観ても怖ろしいが紅衛兵らの襲撃にあった溥儀夫婦は悲惨であった。ここでも周総理の庇護により何とか救われる。

溥儀は皇后と3人の側室を持っていたが、皇后は不義を働いた上その男の子供を出産し(その子供は闇に葬り去られる)阿片に溺れ清朝崩壊後は身分を奪われ牢で変死する。
第二夫人文繍とは離婚。福貴人は溥儀に見捨てられた上に皇族として粛清されたことを溥儀に訴えこれも離婚。
最後の夫人である李淑賢との間にも子供ができなかったこともあってゲイであったとも言われているが、どちらにしても非常に子供っぽい人だったのではないかと思うのだが。
この作品ではゲイであるような雰囲気は表現されていないが子供好き、というか自分自身が子供のような人物だったように描かれていた。
皇后・婉容や福貴人の悲惨さ、何もできない夫でありいつ捕らえられるか判らない夫を与えられた李淑賢の並大抵でない苦労は見るに忍びないものがある。だが蒸かしたての熱い皿の持ち方が判らない夫というのは皇帝でなくともいる気はするが。

皇帝と言うのは龍であり、代々土葬されていたのだが、初めて火葬された皇帝ということで溥儀はタイトルの通り『火龍』と呼ばれるらしい。
レオン・カーフェイの魅力もあって平民となった溥儀を知りたいなら是非観ておきたい作品である。

監督:李翰祥リー・ハン・シャン 出演:梁家輝(リャン・ジャー・ホー) =レオン・カーフェイ、 潘虹パン・フォン 、李殿馨 マーガレット・リー、李殿朗メリー・リー、王鐵成ワン・ティエ・ツェン
1987年 / 中国/香港


ラベル:歴史
posted by フェイユイ at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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