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2008年03月10日

『蒼き狼 地果て海尽きるまで』澤井信一郎

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この映画が製作されている報道を見ていた時は「観ることはあるまい」と思っていたのだが、松山ケンイチが出ているので物凄く観たくなったのだった。
果たして。彼の登場は後半からで時間的にも僅かだが、これは必見だったなあ。
もうめちゃめちゃ可愛いったらないのだ(バタバタ)
17歳の少年を演じているのでより愛らしさをにじませている松ケンなのであった。
とにかく不幸な生い立ちなのである。
父・テムジン(後チンギス・ハーン)も生まれは誰が父親かわからないという苦悩を背負っている。
彼の父はイェスゲイという族長なのだが、テムジンの母はメルキト族からイェスゲイにより略奪された花嫁であり、その誕生が早かった為にメルキトの種ではないかという疑惑をもたれていた。
そのテムジンもまた花嫁を敵メルキトに奪われ妊娠させられてしまう。
生まれた子供は間違いなくメルキトの子であったが母と妻の説得で命を奪わずにいた。
ジュチ(よそ者)と名づけられたその少年を演じるのが松山ケンイチである。
英雄である父を慕いながらも己が生まれた時殺されそうになったという話を聞き、苦しむ。
その父は共に戦いたいと願うジュチを遠い北方の地に追いやってしまう。この時父テムジンにしがみつく松ケンはまるでジェームズ・ディーン@『エデンの東』を彷彿とさせる(嘘ですワルノリしました^^;)
戦利品の中から欲しいものを取れといわれ弓矢を射る時に使う小さな指輪を取るジュチ。
北方の地で毒矢を受け、病に倒れ、父の訪れに喜び金征伐へ行けない自分に涙するジュチをなんともいじらしく演じてみせている。
顔の線が痛々しいほど細くて愛らしい。
なんだか噛み合わせが悪いように見える口元も魅力的なのである。
寝ている顔を下から映すと細い鼻腔とめくれた唇がセクシーだ。
愚かな父親を持つ運命になってしまった可哀想な子供だった。

百三十六分間、この数分間を観る為に観て悔いなし。
なぜか口調が時代劇風に。

まあ、映画自体に対しての感想としてはこれを撮るために巨額を投じた、というのが勿体ない、としか言えない。
「売り」の物凄い人数の集合場面、戦闘場面などどうでもいいのであって(しかも戦闘シーン人数は多いのだろうが演出としてなにか見所があったとは思えない)地味なTVドラマで上に書いた父子愛憎劇をやったとしても同じくらいの感動はあったと思う。

例えば張芸謀の『英雄』だとかO・ストーンの『アレキサンダー』みたいな戦闘場面自体の面白さ、というのは皆無。戦闘シーンで物凄い眠気が襲ってきていつしか寝てしまっていては殺戮の意味もない。

私としては松山ケンイチだけでなく実はちょっぴり期待もあったのはあった。
何しろ『射[周鳥]英雄伝』を愛する者としてはモンゴルの空を鷲が飛んでいるだけでちょっとときめいてしまうではないか。
テムジン、ジャムカ、アンダなどと聞いてるだけで郭靖はどこ?と探してしまうではないか。
あのドラマはモンゴルではなく中国のものではあるが、とにかく出演者はモンゴル系だろうからイメージが本作とは全く違う。まず体格が3倍くらいデカイというか太い。
皆朝青龍か白鵬かという立派な風格だったのに日本人だとみんな細くてへにゃへにゃである。金庸ドラマでモンゴル人をいつも見ていた目には英雄はもっとどーんとしてなきゃなー、とがっかりしてしまう。
まあそれは許すとしても大草原を突っ走るのだから、もっとカッコイイー!!!という爽快な場面がなければ大草原の意味がないのではないか。
やっぱり日本人は狭い土地で小さく生きているから大草原の中でも大きく動けなかったような気がして悲しい。反町が大声で叫べば叫ぶほど小さいなあ、って気がしちゃう。
モンゴルの人が観たらかなり笑えるのではなかろうか。

空しくなってきた。

思い切って源義経がチンギス・ハンになるのをやったら?

よけい寂しいか。

浅野忠信主演『MONGOL』も観れそうだし、これも観ておこうかな、と思ったのもあるのだが。
単に角川春樹が大草原で大エキストラを動かしたかっただけのようにも思えるし、それならマジで感想言うのもまた空しいだけである。

テムジンの弟役をやってた袴田吉彦も好きな雰囲気の人だ。

監督:澤井信一郎 出演:反町隆史 菊川怜 若村麻由美 袴田吉彦 松山ケンイチ 野村祐人 平山祐介 池松壮亮 保阪尚希 榎木孝明 津川雅彦 松方弘樹 Ara
2006年 / 日本/モンゴル






posted by フェイユイ at 23:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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