映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年03月29日

『茶の味』石井克人

『茶の味』.bmp

とぼけていてふざけすぎで散漫で冗長なエピソードの羅列のようでいて結構なんだかちゃんと芯が通っていたのが不思議な映画。

キャラクターの一人ひとりが憎めないのがなんといっても救われるのか。
冒頭、恋する男子高校生くんの額から電車が飛び出してきて、まるでルネ・マグリットではないか。
舞台はのんびりのどかで現実的な田んぼ風景なのだが次々と摩訶不思議な映像が織り込まれていく。
なかでも巨大な自分が自分を見つめているという現象に悩み続ける少女は誰にも言えない苦しさを秘めている。
こういうことって少女の時はあったりするのじゃなかろうか。
不思議の国のアリスでは自分が大きくなってしまったりするのだが、西洋の子供にはこういう一種の障害(自分が突然大きくなったり小さくなったりするように感じる)が多いそうで日本人にはあまり見られないものだそうだが、この少女は稀なそういう感覚を持っているのだろうか。

綺麗な転校生の女子が自分が好きな囲碁のクラブにはいったので異常に興奮してしまう男子高校生くんが可愛い。
雨の日、傘を持たずバスで帰る彼女を見送りバスのドアが閉まる直前にさっと傘を投げ入れちゃうなんか、素敵ではないか。なかなかこうかっこよくできないよ。

石井克人監督は浅野忠信・我修院達也が出演していた『鮫肌男と桃尻女』で強い印象を受けたが本作でも同じく二人が共演していて楽しかった。
浅野忠信はこういう親戚のお兄ちゃんみたいなのでもかっこいいなあ。しかし『鮫肌男』の時もそうだったが我修院の強烈さにかなうものはない。

CDを製作する漫画家の話だとかロボットの格好をしてるオタクだとか、ママはアニメの優秀な動画家だとか、好みがかなり偏っているのも自分的には共感できたり。

もしかしたらミュージカルだったのか、と思わせるほど、ダンスのシーンが記憶に残る。
茶の味、ってかなり強烈な茶の味だな。

さてさて松山ケンイチの出演場面はてえと。
物凄い引きで殆どわかんないくらいだなー。細いです。「松ケン」さんという名前の短気な先輩として登場。後輩たちと「ロマンチ」という名前の喫茶店(?)で馬鹿話をしている。
「先輩好きな子いますか」「中一のリンダ」「は、先輩ロリコンすか?」別の男子が「先輩をロリコンて言うな」と言うと松ケンそいつを叩いて「馬鹿。俺はロリコンだよ」「認めた!」
っていうような会話。
まったくこれだけのために一本観てしまうからね。面白かったからいいけど。
それにしても私は映画業界の事ってよく解らんのだけど、「松山ケンイチ」という役者の映画を観てると同じ役者陣が出てくるのだね。
そんなもんなんだ、と今頃納得。
寺島進氏なんて何回も見てるし。手塚里美とか。

この家の感じっていいよなあ。お爺ちゃんの生活なんか羨ましい。あんな部屋があって最後みんなそれぞれにぱらぱらマンガ(っていうには綺麗な絵だったが)残して死ぬとかいいもんだ。

監督:石井克人 出演:坂野真弥 佐藤貴広 浅野忠信 手塚理美 我修院達也 土屋アンナ 中嶋朋子 三浦友和
2003年日本


ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『神童』さそうあきら

神童マンガ.jpg

映画『神童』が好きになってしまったので原作マンガを読んでみた。ほんとはもう少し読み込んでから書くべきなんだけど(私は斜め読みが酷いんで)あんまりよかったんで我慢できず少し書いてみる。

作者さそうあきら氏は以前『犬犬犬』の一巻を読んで物凄く印象深かったのにまだその後を読んでいないという状態である。
あのイメージが強烈だったので一体あの人がピアニストの話って?と混乱していたのだが、これがほんと面白くて切ない物語だったので余計に驚いた。

確かに原作を読んでから映画を観た方はおおいに不満が残るだろうと想像できる。
このマンガで訴えていることが映像化されていないのだ。
私は映画を先に観て感動した上でも、このマンガの方が何倍も奥が深いと感じられる。
特にうたが聴力を失くした後の話こそが重要なのに映画ではその部分が映像化されていないという原作を愛するひとなら信じられない話だろう。

さらに面白かったのはうたの母親像。映画では自己犠牲のうえでうたを育てていく美しい母親であったが、マンガの彼女はかなり戯画化されて滑稽な人物となっている。
私はこういう教育ママ(&パパ)に反感を持っているものなので母親に関しては絶対マンガの方に軍配を上げたい。
以前、五嶋みどりの教育を読んで絶対自分は弟の方がいいな、と思ってしまった記憶がある。
何もさせず楽器だけ弾かせて満足している母親、というのはどうも苦手だ。

横道にそれてしまったが、マンガだとうたのワオへの思い、ワオのうたへの思いがより繊細に描かれていて心地よい。

どうもマンガの方に評価が高くなってきっかけになった映画が気の毒だが、映画はまた映画なりのよさがあったと思う(ちょっと説得力ないか)

『犬犬犬』は『ドッグドッグドッグ』と読むのだが、文字から来るイメージとドッグドッグという音が心臓音を意味するというのに凄く惹かれた。その原作は花村萬月だけど。
この『神童』は「振動」にかかっているのだろうな。
うたとワオが音によって結ばれるラストは音のないマンガとは思えない。

映画は映画としてリアルな音と映像を楽しめばよいし、マンガからは音を越えた振動が伝わってくる。
posted by フェイユイ at 00:57| Comment(5) | TrackBack(2) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

胡軍、香港の今日中資格を取得

フー・ジュン a.jpg

中国俳優フー・ジュン、香港の居住資格を取得

何を期待していいのかよく解らないがとにかく期待してしまおう。

いまだに胡軍見るとどきどきしちゃうのさ。

捍東って思うんだろうけど、私はむしろ喬峯かなあ。
posted by フェイユイ at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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