映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年04月06日

『リトル・ランナー』マイケル・マッゴーワン

リトルランナー.jpgリトルランナー2.jpg
SAINT RALPH

松ケン映画をほぼ観終わって(現在進行形の彼なので完全に終わったわけではないが)哀愁状態の自分である。
だがそろそろ社会復帰もせねばなあ、という気持ちもある。観なきゃいけない映画も待機している。
そういう中で何故今この映画か、というと松山ケンイチ写真集『起』の中で彼が好きな映画を3つあげていて(そのどれも未見だった^^;)そのうちの一つがこれ。
松ケンを追いかけるなら彼の好きな映画も観ておきたいということで早速観てみることにした。

1950年代カナダのカソリック私立学校に通う14歳の少年ラルフの物語。
映画だけ観ていてもカソリックの話はどうにも憤慨することが多いのだが、ここでも厳格すぎるカソリックの規則の中でそれでもある時は相手とある時は自分と戦い続けていくラルフ少年の姿が胸を打つ。
病に侵され入院したまま昏睡状態になった母親に奇跡を見せれば必ず目が覚めると信じてラルフはボストンマラソンに参加し優勝することを誓う。
ラルフは横暴な校長と争い、温かく見守ってくれるヒバート神父のコーチを受けながら厳しい鍛錬を続ける。

何の才能があるというわけでもなく、母を目覚めさせたい一心でただひたすら走るラルフに涙がこぼれてしまう。

このラルフ少年、昨日観た『かまち』と似てなくもない。他人とはちょっとずれた感覚で自分が一番になる事を信じきっている。積極的な物言いや行動も似ているのだ。
だが無論感動は全く違う。ひねって作ったあちらの作品と違い、こちらはほぼ古典的ともいえるような撮影・製作手法なのだけど、却ってそのことが直接心に訴えてくる。

かつてマラソン選手だった神父との交流や親友とのけんかを含めたやり取りも楽しい。
なによりラルフが問題児で先生から怒られてばかりいるのが可愛くてしょうがない。性的倒錯者のように罵られるのが今の目でみれば可哀想である。

ちょっと爽やか過ぎ上手く行きすぎな感じはするけど、妙な計算などまったくしていないようなストレートさが気持ちいい作品であった。

松山ケンイチ推薦映画としてはなるほど、という感じで納得。陸上選手だった彼が選ぶのはよく解る。
いたって生真面目で真剣で。好きな映画も真面目なんだなあ。エログロとかは観ないんでしょうか?血がどばどばとか。
ほんとにロボみたいな人である。

本作の日本語タイトル『リトルランナー』って『リトルダンサー』のもじり?
原題は『SAINT RALPH』で映画の中で色んなセイントが紹介されるのだがラルフは「走る守護神」だよ、ということなのだろう。
カソリックという宗教色の濃い映画なのに日本語タイトルでは意味がなくなってしまうよ。

追記:それにしてもカソリックの教えって(この時代のってことだろうと思いたいが)いちいち考えすぎでおかしすぎる。
ロープ登りで股にロープが接触しているだけでいかがわしいと感じるなんてなあ。
でもでもヒバート神父みたいな人って憧れてしまうんだよねー。スポーツマンで神父。優しくて禁欲的で、こういう人に一番セクシーさを感じてしまうのはいけないことだろうか。

監督:マイケル・マッゴーワン 出演:アダム・ブッチャー キャンベル・スコット ゴードン・ピンセント ジェニファー・ティリー タマラ・ホープ
2004年カナダ



ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

松山ケンイチについての告白・その5

一番最初に『DEATH NOTE』の記事を書いたのが2月15日でそれから松山ケンイチにどっとはまり込んでしまった自分である。
実際はもう少し前に気になり始めたのだが、彼の出演作品名を見るとどうにも自分の好む範囲の映画でないのがブレーキになっていた。
というのは自分はどうしても暗黒面の映画が好きなのだが、彼の作品は主演になるほど善良な映画のようでぞくぞくするほど観たくなる、という気持ちにはなれないのであった。
そんな中で期待はあまりしてないけども多分狂気というものが描かれているであろう『DEATH NOTE』ならなんとか観れそうだ、という気持ちで観始めた。
結果、そこからもうLを演じた松山ケンイチから離れられなくなってしまった。
たとえ、作品自体がさほど興味の持てないものであっても演じている姿を観られれば満足し、観れない日は悲しくてどうしようもなかった。
とはいえチョイ役を含めればかなりの出演作品があるのでこうして2ヶ月近くも追いかけ続けることになってしまった。
興味のない作品ばかり、と思ってはいたがこうして観て行くと今までに決して観ないような作品を経験できたし、それなりに色々考えることもできて楽しい日々を過ごせた。
特に松ケンを追いかけることがなければ絶対観るまいと思っていた角川映画『男たちの大和』『蒼き狼』を観れたのはよかったと思っている。
この二つの作品での松山ケンイチは本当に素晴らしかったし、『大和』にいたっては彼が事実上の主役であったと確信できた。

彼は今もがんがん仕事し続けているので私のようなDVD鑑賞者でももう次の作品が待ち構えているのだが、今現在DVD鑑賞できる映画作品は『ユメ十夜』を残すのみとなった。
ドラマはまだ色々とあるのでそれらはこれからの時々の楽しみでまた追いかけていこうと思う。

今まで観た彼の映画作品で主演級のものでは『神童』がやはり一番のものだと思う。
というのはこの作品で彼は初めて人とのつながりを持った演技をしているから。
それまでのものにはそういうものがなかったと私には感じられた。それは彼がいけないというのではなく作品自体がそうだった、というだけのことなのだが。
つまりそれまでの作品はストーリーを追うものばかりでその世界の中で精神が交わるということがなかったのだ。肉体もまた、なんだけど。
Lとライトは対峙しているわけで交わってはいないし。
まだ未見の『人のセックスを笑うな』はまた他人との交わりを描いたもののようなので期待している。が、大好きな『カムイ外伝』はまた孤独な男の話なので本質的に孤独な話が好きな人なのかもしれない。
松ケンはセクシーさが足りない、と言われているようなのだけどそれはそうした人との触れ合いを描いたものが少ないからなのではないだろうか。
漫画のカムイは孤独に立っているだけでセクシーではあったけど。
そういった触れ合いという意味ではやや不満だが自分的に最も萌え萌えだったのは『ウィニングパス』なのであった。
あまりにも危険な色気があって書くのすら憚られてしまう。動けない松ケンって魅力的だった。


もう少しすれば『椿三十郎』も観れるし、(ああ、またなんでこの作品に。これも絶対観るまいと思っていたのになあ。三船以外の三十郎見て我慢できるか?)

わけあって『ユメ十夜』が最後になりもう少し後日になりそうなのだが、とりあえず松ケンの現在までのDVD映画作品を観終えたというところで書いてみた。
ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 21:52| Comment(8) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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