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2008年05月17日

『ダンシング・ハバナ』ガイ・ファーランド

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キューバダンスと言うことで『サルサ!』と比べられがちのようだが、まったく意味合いが違うと感じた作品だった。

『サルサ!』にはキューバとサルサへの愛情が溢れているが、こちらはいかにも『ダーティダンシング2』という企画のもとに作り上げられていった、という印象だけである。

セクシーな激しいダンスという1弾めに続く企画ならキューバダンスにしてキューバとアメリカの歴史も織り交ぜうまくスパイスにしてしまおう、という戦略なのだろう。
だがそこはさすがにハリウッド映画。観客はアメリカ人なのだから、あまり辛味が効き過ぎて逃げられてしまわないよう、巧みに味わいをよくしている。
キューバ人がアメリカ人に差別されているとはいってもどれほど酷いものだったかとか、何故カストロがアメリカ企業を追い出すのか、などの説明はされてはいない。
しかもハビエルの兄が革命のためにダンス会場を滅茶苦茶にしたり、暴力を振るわせてハビエルに「殺人を犯すなら(アメリカ人や政府側と)同じことだ」と革命派をハビエルに批判させている。
アメリカ人側は最初の「田舎者」と言った女の子の台詞以外はハビエルに対しそんなに酷い差別態度を取っていないことや二人のダンスをやめさせるような行為をとらせていない。あくまでダンス大会を破壊してしまったのはキューバ人の方なのである。そのことはアメリカの観客は余計な自己批判をすることなく映画を楽しめるし、アメリカ人がそんなに悪い連中ではないと信じて観ていく事ができるだろう。

ハリウッド映画という物がいかに巧妙に製作されているのかがわかる興味深い一作だった。

そんな中でメキシコ人のディエゴ・ルナも上手く利用されている気がしてしまう。彼はメキシコ人なのだが。アメリカ人にとってはキューバ人もメキシコ人もそう変わらないんだろう(日本人の芸者も中国人がやって当然の如く)
彼があまりにキュートであるだけにその魅力がいいように扱われているのが腹立たしくもある。
結局アメリカ人にとってキューバ人やメキシコ人はセクシャルな意味合いだけの存在ということなんだろうけど。

表向きはいかにも爽やかなアメリカ白人女性(金持ち)とキューバ男性(貧乏人)の純愛ということなのだが。
この映画、アメリカではどんな評価だったのか、またキューバ人に見せたらどんな評価なんだろうか。

ディエゴ・ルナが可愛くて可愛くて。まさに白人女性のためのセクシーボーイという役割りをあてがわれているのが悲しい。
昔は殆どこれの男女が逆で白人男と現地の美少女が恋に落ちると言うセクシャルな欲望を満たす映画がいくつも作られていたのだろうが。男女が逆になったからと言ってその意味合いは変わらない。

パトリック・スウェイジが出演させられているのも戦略の一つか。

監督:ガイ・ファーランド 出演:ディエゴ・ルナ ロモーラ・ガライ セラ・ウォード ミカ・ブーレム ジョン・スラッテリー パトリック・スウェイジ
2004年アメリカ


posted by フェイユイ at 00:49| Comment(6) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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