映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年06月22日

『GO』行定勲

go.jpg

久し振りに観た。歯切れのいい展開、台詞回し。窪塚洋介がびんびんにかっこよかった頃だなあ。

在日朝鮮人である主人公・杉原の日本人少女とのラブ・ストーリー。脚本も演出も申し分ない出来栄えの楽しい映画なのだ。「これは僕の恋愛に関する物語だ」と主人公が何度も念を押すのだが、実際に面白いのは彼女との恋愛部分より、父ちゃん母ちゃんのアツアツぶりだとか、喧嘩早い主人公の親友が学校一の秀才で杉原に落語からシェイクスピアまで教えてくれるとこだとか、何と言ってもボクサー親父との喧嘩シーンは印象的なのである。このシーンが凄くよかったので私はこの行定監督と言う人はアクションが得意な人なのかと思っていたのだが、特にそういうわけでもないようで逆にびっくり。凄くかっこいい殴り合いだと思う。
日本人少女とのラブ・ストーリーは、一風変わったところのある美少女に杉原が惹かれていき、とてもうまくいってたのに「僕は日本人じゃない。国籍が韓国なんだ」と打ち明けたところで突然彼女の態度が変わって別れてしまい、半年後彼女からの電話で再会し、再び打ち解ける。というところで終わっている。
ラストシーンでいつも巧く飛び越えていた門の柵を杉原が飛び越え損ねて転んじゃうのが何とはなしに未来を予感させもするし、彼女の父親の中国・朝鮮韓国人への差別意識を聞かされた以上、困難は絶対やってくるのだろうな、と判っている。
それらをもうしっかり認識した上で少年と少女は雪の夜を笑いながら進んでいく、うまいラストなんだよね。

とにかく彼女との恋愛物語なのだが、杉原=クルパーと親父の関係、そして秀才の友人・ジョンイルとのつながりに惹かれてしまう作品なのである。作品の冒頭にも出てくるのだがクルパーがジョンイルから借りたシェイクスピアの一節「薔薇の名前が変わってもその香りは同じ」という言葉はぐっときてしまう。

さてさて新井浩文はこれが映画デビュー作のようだ。杉原が日本人の高校へ行く以前、同じ朝鮮人学校にいた。短髪で喧嘩早い奴なのだ。
その後の彼のイメージの原型みたいな感じだろうか。
それほど印象的な場面はないのだが、朝鮮語を話しているのを観れたのがよかったかなー。
それにしても新井さんの作品はデビュー作からしてスゲエ面白い映画なわけでなんだかそういうとこでも感心してしまう。

監督:行定勲 出演:窪塚洋介 柴咲コウ 大竹しのぶ 山崎努 山本太郎 キム・ミン 新井浩文 細山田隆人 村田充 大杉漣 塩見三省 萩原聖人
2001年日本





posted by フェイユイ at 22:44| Comment(2) | TrackBack(1) | 新井浩文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『少年たち3』第2話〜第5話

少年たち.jpg

第1話では少々退屈を感じたが2話〜5話は一気に鑑賞。非常によくまとまった優れたドラマであった。
とはいえ、自分は『悪(ワル)』なものに惹かれる性(サガ)であるゆえ、こういうまっとうなドラマが大好きとは言い難いわけで(ムロンこれはドラマの中の話なので実生活とは違う。大人の脳で考えてもらいたい)あるが、それでもなかなか涙したりさせられたのであった。特に可愛いサユリちゃんの話はぐっときてしまう。彼女の母親が本当に更生したことを願いたい。どうしても信じきれない自分なのであった(ドラマ中に母親の暴力シーンがあったら、殴ったり煙草の火を押し付けたり、火傷させたり、などを見せられたら視聴者としてはその女を信じるなーと叫ぶだろうが、そういう場面が一切なかったのでいまいち騙されている気がするのだ。かなり年上のお兄ちゃんが一緒だから少しはいいが)
若干、こううまく行くかな?という気もするがそれでも正義感溢れる主人公の行動力は観ていて楽しいものであった。
沢田老人はいいんだけど自分としてはちょっとウザいところもあるわけで。しかし彼がいなくて広川一氏だけでは他の少年はいいとしても北川少年のようにまでなってると出会ってすぐの男にそうそう心を開くものでもないだろうから、その辺でどうしても必要な役だったのだろう。
実のところ、私としては新井浩文演じる北川と沢田老人の関係のみが深く描かれているドラマが観たいわけである。
男同士の関わりというのをやらせたらもうたまらなくいい新井浩文なのであるが、このドラマでもしっかりそういう関係を成り立たせていたのだとちょっと興奮気味の自分なのであった。
北川を追いかけていくなら必ずその体に刃をつき立てられると判っていながら彼を放っておかなかった沢田老人。その愛情をためすかのように沢田老人にナイフを向けずにはおれなかった北川の心の揺れが狂おしく感じられる。映画だったらこの箇所に焦点をあてて描けたのになーと思うわけなのだが、それでも沢田老人と北川少年の心のつながりには、びんびんと共鳴してしまうのだった。
そしてこれが映画へと向かったのが新井浩文主演映画『ゲルマニウムの夜』なのだろう。あの中で沢田老人は罪の子・朧の懺悔を聞く神父へと姿を変え、再び苦しむことになる。そういえばここでの新井浩文の不良ぶりは他の映画での不良姿と違い、『ゲルマ』の朧に似通っているのは偶然だろうか。ほっそりした美しい少年のイメージなのである。

ここまで新井浩文の朧と重なるイメージを以前のドラマで観れるとは思ってもいなかったので実に嬉しい驚きだった。
おまけに自分はモーターサイクルライダーに惚れる癖があるのでその意味でも落ちてしまったのだった。

というわけでドラマ自体の出来栄えも感心できるものだったし、新井浩文鑑賞としては思いがけずも涙モノだった。

ドラマとしてはなんといってももたいまさこさんの裁判官は特筆すべき。彼女の裁判官ぶりはもっとたっぷり観たいほどだった。時間が短すぎる。彼女の裁判官シリーズも作ってもらいたいものだ。

演出:岡崎栄、磯智明、田中正  脚本:矢島正雄  出演:上川隆也 麻生祐未 新井浩文 成宮寛貴 佐々木和徳 遠藤雄弥 小林桂樹 金田明夫 浅野和之  近藤綾子
2002年8月17日から9月9日まで放映。全5回。
posted by フェイユイ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 新井浩文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。