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2008年07月17日

『イツカ波ノ彼方ニ』今夜も

イツカ波ノ彼方ニ.jpg

最近珍しく続けて2回目鑑賞。2度観ると何かが判るか、と思ったのだがさして新しい発見はできず。ただ2回続けて観ても非常に面白かった。
そしてちょっとだけ考えたのは、これって最初は勝男が浦島太郎でイチゴやツヨシやアキを助けて竜宮城へ行くように思えたが逆にイチゴが浦島で勝男の背に乗って竜宮城へ来たようにも思える。最後に玉手箱を開けるのはイチゴだしね。冒頭で勝男が亀を背負っている図とイチゴ=乙姫=亀を背負っているシーンが出てくるが亀が浦島太郎を背負って竜宮城へ行くわけなんで。
なお亀をいじめる子供達ってのはあのヤクザ二人組ね。
竜宮城というのは華やかな夢の国のイメージみたいだが単にあの世=死後の世界というイメージでもある。
幼い頃、竜宮城へ一緒に連れていってやるという勝男とアキの約束はそういう理想郷的なものだったのだろうが、その言葉が共に死後の世界へ行くという果し方になっている。
沖縄の墓の形が亀の形であると共に女性性器であるとお婆が言う。人はそこから生まれそこへ帰ると。
男は所詮宇宙である女には勝てないから生きている間だけ好き勝手なことをするのだと。
勝男は自分の思ったように生きて死んだ。アキは自分の好きなものを見つけられずにいたが遠回りをしてやっとやりたいことを見つけ(ここではイチゴを連れて竜宮城へ行くこと)そして死ぬ。

イメージがあまり強烈なものではないし、わざと判りにくくしているフシもあるのだが、それでもその出し方がなかなか面白いので見入ってしまうのだ。
名前もちょっと語ってて勝男はやはり亀=海の生物という連想からの魚のカツオだろうし、ボクサーのツヨシは強いから強しだろう。イチゴは一期一会のイチゴだと思うが。
イチゴがお婆さんになってしまわないのはイチゴが乙姫=亀のイメージでもあるからだろう。
勝男が彼女に対してまたアキもだがあまり女性への恋慕という感情を持たないように見えるのは彼女が二人の母親のような存在としているからではないだろうか。
三線弾きはタツヨシと名乗るがこれも竜宮城の竜にかかっている。ジョーとも呼ばれるが城もジョーだから(かなりしつこい)
ところでなんでボクサーが登場するのか。彼の存在が凄くかっこよくてこの映画の一番の辛味になっているが。沖縄出身の竜宮城(りゅうみやぎ)というボクサーがいるから、という遊びじゃないかと思っているんだが。
とにかく語呂合わせやイメージを溢れさせた作品なのではないだろうか。

ところで三線弾きの「四辻で悪魔に魂を売る」話はロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」からのエピソードだがなぜこの話が挿入されたのか。
好きなものの為なら勝手にする。魂も悪魔に売るということなのか。

そういったイメージを構築しながら語られているのは兄弟のように育った勝男とアキのつながりである。
昨日は同性愛的な含みがあるというように書いたが、それよりも『二十日鼠と人間』のような互いに離れられない関係と見たい気がする。

監督:監督:丹野雅仁 出演:平岡祐太 加藤ローサ 大森南朋 曽根英樹
2005年日本



ラベル: 大森南朋
posted by フェイユイ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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