映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年07月19日

『鍵がない』山田英治

鍵がない2.jpg鍵がない1.jpg

一晩の物語を一人の若い女性を中心にして丹念に描いた作品。ファンタジックな甘いラブ・ストーリーということで普段あまり好んで観ないものだが昨日観た2作品があまりに酷かったので珠玉の作品に思えたり。いやそんな比較をしなくともとてもいい映画であった。
大森南朋さんは2人と娘から慕われているというハンサム役でこれもまた似合っていたねえ。
困ったのは出演している女性たちの面影が似ているのでよく判別がつかなくて誰が誰かよく判らなくなってしまったという情けない状態になってしまったということ。皆痩せ型のストレート黒髪で顔つきも似てるんだもんな。自然体のリアルな感じにしたかったのは判るけどもうちょっと特徴つけて色分けして欲しかったのだった。カーリーヘアだとか、巨乳だとか話し方が訛ってるだとか。
ま、それは置いとくとして、鍵をなくしてしまった、というありがちな出来事から互いに好き合っていながら思いが通じ合わなかった人との思い出と今の時間が交錯していくというとても好きな構成なので他愛もない話といえばそうなのだが、どうなっていくのかな、と結構惹きこまれて観てしまった。
キスシーンさえ途中で終わってしまう可愛らしい描写なのだが、ナオさんが新しい恋人が帰ろうとするのを「帰るの」と言って引き止めるところは突然生々しい感じがあってどきっとしたのだが、これはインタビューでナオさん自身もそう言っててやっぱりそうだったんだと納得した。女の方ではもう駄目だと感じていて帰ろうとするのを男はそれを感じながらも狡く留めようとする。もちろんそれは一応男としてはそういう気持ちでありながらも肉体的欲求は果したいなという目論みはあるわけでだからと言ってしつこく押し留めないのが今風でもあるし山田英治監督らしい雰囲気なのだろう。

鍵を失くしたという設定が彼がまだそのもう一つを持っているというつながりになり、失くしたと思っていた鍵がそっと彼女の持ち物の中におさまっていたこと。彼がやっと勇気をだして「もうこの鍵は必要ないよ」と言う練習をするくだりなど繊細で愛らしくラストシーンもまた彼ら二人にふさわしい演出だった。

山田英治監督作品は先日観た『春眠り世田谷』と同様過激な設定や行動があるわけでもなく淡々と進行していくのだが、結構自分に波長が合うというのか好きである。
大森南朋を描くという意味でもとても愛らしい彼が観れるので嬉しい作者である。
子供がいて尚且つセクシー。たまりません。
ほんとは主役の美沙子と共感すべきなのだろうけどなんとなく彼と娘や元カノの間に割り込めないのを感じているのりこさんに感情移入してしまう自分であった。ナオさん好きなのに、ぐっすん、なんて。

監督:山田英治 出演:つぐみ 大森南朋 小栗万優子 目黒真希 高野八誠 光石研
2005年日本


posted by フェイユイ at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ラブレター 蒼恋歌』丹野雅仁

蒼恋歌.jpg

これは酷い。丹野雅仁監督の他の作品のような破壊的暴走的なものを求めて観るにはこの堕落はどうしたことだろう。
こんな道徳的で前向きなものなど映画で観たくはない。

しかもブルーハーツの『ラブレター』をモチーフにするならこの終わり方ではまずいのではないか。「今度生まれた時には・・・」「あなたよ、幸せになれ」なんだから。
思うに作りたくないのに仕方なく仕事として作った作品なのだとしか思えない。でなけりゃ本当に堕落したのかな。

どの作品もラブシーン&メイクラブシーンが皆無の監督なので今回もそのようなシーンがないのは納得できるが破滅することも傷つくこともないよい子な作品は虫唾が走る。
主人公も丸顔になってるし。千原ジュニアいないし(それはいいか)
とにかく情けない。

年代としてはこれが一番新しい作品なわけでこのままこの監督がこういういい人な方向に行くのならもう観る価値はない。
特に彼女の方の父親みたいなのはほんとにむかつく。(トモロヲさんを悪く言いたかないが)彼の方の父親はあれでいいんか。なぜあんなことに?死んだフリでよかったんじゃ。

とにかく気持ちの悪い作品でラストシーンなんて蹴りをいれたくなったものだ。あーいやだいやだ。

というわけでナオさん関係の映画を観る為にちょっとした寄り道をしたのだがこれは観ても意味のない二作品だったなあ。

監督:丹野雅仁 出演:石垣佑磨 本仮屋ユイカ 工藤里紗 EDDIE 田口トモロヲ 寺島進
2006年日本
posted by フェイユイ at 00:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『カミナリ走ル夏 雷光疾走ル夏』丹野雅仁

カミナリ走ル夏 雷光疾走ル夏.jpg

大森南朋を追いかけているこの頃だが、『1 イチ』と『イツカ波ノ彼方ニ』が気になったのでちょっと寄り道してみた。つまり丹野雅仁監督作品つながりということである。

「疾走ル」というタイトルなんで車で走っていく場面や前観た二作品同様暴力シーンに期待するがそれほど疾走してないような気がしてしまう。何となく『マッドマックス』を思わせるような車対バイクの場面もありだったので物凄い暴走をして欲しかったのだが、途中失速してしまったようだ。
自分にとってはナオさんが出てないと途端に魅力がなくなってしまうのに気づかされた。
丹野監督という方は細面の彫りの深い顔立ちがお好きみたいでそれはまあいいのだが、私としてはあまり好きなタイプでもないのでなかなか観るのに辛抱がいる。
前の二作品も女の子の描き方はどうだかなあというものがあったが本作にいたってはますます魅力がないというか意味もない存在のようだ。ただそこにいるというだけみたいな。
それにしても女の子にも容赦しない演出だとは思う。思い切り叩きのめすんだもんな。
千原ジュニアが千葉の高校で主人公と同野球部だったという設定は面白かったが。思い切り関西弁なのに。さすが関西は日本中に野球選手を輩出してるね。

疾走する目的地が野球場だったというのは自分としてはしょぼい結末だった。なんかもうもっと炸裂して疾走しまくって欲しかったんだが。

寄り道と入っても結局は大森南朋作品に何らかのかかわりがないかな、という期待の鑑賞だったが『1 イチ』『イツカ波ノ彼方ニ』の滅茶苦茶さには物足りないものだった。まあこの作品は前に作品の間のものだから次第に悪くなっているわけでもないのだろうが。

暴力的ではあるけれど何故か性的なシーンはないのがこの監督の特徴だ。援交と思えないよ。案外常識人。

監督:丹野雅仁 出演:渡辺一志 塚本高史 伴杏里  千原浩史(千原ジュニア) 立花彩野 KEE
2003年日本
ラベル:暴力 青春
posted by フェイユイ at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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