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2008年07月21日

『デーモンラヴァー』オリヴィエ・アサヤス

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Demonlover

大森南朋が出演しているフランス映画。オリヴィエ・アサヤスという名前にぴんと来ていなかったがマギー・チャンと結婚していたという過去を持ち『パリ・ジュテーム』ではマギー・ギレンホールが出ていた「デ・ザンファン・ルージュ地区(3区)」を担当。私がいまいちぴんと来なかった大人っぽい作品だった。
何かの概略で「性産業の氾濫するネット社会に警鐘を鳴らす作品」と書かれていたが自分としてはネット社会の性産業に期待する話なのかと思いながら観ていたのだけどね。
まあ警鐘鳴らしたって多くが期待すればどんどん氾濫していくわけで。
映像の奥でいつも「ヴーン」という地鳴りがしてるとこやヒロインがどんどん変な方向へ入り込んで迷路から出られなくなっていくような不気味さがデヴィッド・リンチのようでもあるが、彼ほど徹底して変てこではない。
冒頭スタイリッシュなフランス人たちが「東京アニメと契約できないと身の破滅だ」みたいな決死の面持ちで言っているのだがどうも「東京アニメ」という語呂が小さな一軒家で手作業的にやってるアニメ会社みたいな響きである。そこではエロアニメを製作していてその技術と人気の高さは評価されているのだが経営的には困難に瀕している。そこでフランスの大企業「ヴォルフ」は東京アニメの買収計画を進めていた。
やり手の美女ディアーヌ(コニー・ニールセン)がライバルを蹴落としてのし上がっていく話から始まってどんどんと危険な道に入り込み最後にはマニア垂涎の拷問サイトの餌食になってしまうという一連の出来事をごく普通の少年がネットで眺めることになるという落ちにつながっていく。つまり子供でも誰でも興味と金があればこんな洗練された優秀な美女が拷問を受けるのを観れますよーという宣伝の映画みたいな感じなのである。
確かに怖ろしい近未来への警鐘と観れなくもないが単純に「観たい!」と思ってしまう人のほうが多そうである。劇中のカレンという女性も「興奮するわけではないが惹きつけられる」と言っているのだがこれくらいの好奇心で観てしまう者のほうが多いわけで。
ただまあ、思うにこれも劇中の台詞で「チャイルドポルノ」は厳禁と言っているのだが、結局は禁じられたものの方へこそ行ってしまうのはもう目に見えているし、お勧めの「拷問サイト」とやらでちらりと見せられた拷問シーンはさほど過激なものではないように見えてしまうわけで(これなら『殺し屋1』の拷問のほうがより過激)これもひたすら肉体を切り刻むような惨たらしいサイトへ行ってしまうのは必至だろう。
それに主人公及び登場人物に女性が多いのに女がレイプされているサイトばかり見てるってのはどうなのか。まー映画の監督が男だから仕方ないのかもしれないが女性が見るんだったら美青年が拷問されているんだとか、腐女子系のサイトっていうほうが理解しやすいんだけどね。実際そちらのエロサイトのほうが伸びていくんではなかろうか。

などと文句を言いつつも結構面白く観てはいたのだった。この映画監督は日本のエロアニメに警鐘を鳴らすどころか楽しんでいるとしか思えないのは、いかにも日本のエロアニメ的な映像をかなりの長さで挿入しているので判るし、日本の世界を席捲するだろうという設定もその為に大企業が出資するというのも非常に判り易い。日本のアニメにはモデルが存在するわけではなく想像の産物なのだという説明がはいるのもおかしかった。そういう意味でもこれからもっと広がっていくに違いないと思うのはやっぱり自分もオタク感覚を持っているからなんだろうか。

でも日本のアニメならもっと腐女子系を入れて欲しかったという不満が残るのだ。特に商売ならね。その辺いつも駄目なんだよなー。

さて大森南朋。これはちょっと観てよかったよ。いつもと違う短髪でかなり痩せて見えるんだけど。ピアスしてます。
出番がもっと多かったらよかったんだけどね。『ハゲタカ』の逆の立場ですな。

監督:オリヴィエ・アサヤス 出演:コニー・ニールセン クロエ・セヴィニー ジーナ・ガーション 大森南朋 山崎直子 シャルル・ベルリング ジャン=バプティスト・マラルトル
2002年フランス


posted by フェイユイ at 23:04| Comment(0) | TrackBack(2) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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