映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年08月17日

『キャッチボール屋』大崎章

キャッチボール屋2.jpgキャッチボール屋1.jpg

大森南朋としては数少ない主演映画なのだが、どことなく主演じゃないように思えてしまうのは何故?^^;
というのがこの映画の色合いなのだろうしつまり物凄く激しい色彩を叩きつけたようなもんじゃなくぼんやりと淡い色調でまとめた感があるのだから。
このタイトルを見てすぐ思い出したのは韓国映画『クライング・フィスト(拳が泣く)』失業した元ボクサーが「殴られ屋」として街頭で金を稼ぐという映画だ(その元ネタは日本の『晴留屋明 殴られ屋』ではあるが)
それにしても莫大な借金を抱えて己を殴らせることで金を稼ぐ決意をするという『クライング・フィスト=殴られ屋』に比べこちらは『キャッチボール屋』ってもうそれだけで気が抜けているし、主人公もぼーっとしてて何しに東京に来たんだっけ?みたいな自我の欠乏と言ったらば。
大体がもー大事な記憶であるはずの高校野球最後の試合の結末を覚えていないみたいなあやふやでぼんやりしまくった映画なのだ。
なんとなーく東京へ来てなんとなーく見知らぬ男に「キャッチボール屋」を受け継がされなんとなーく仕事をこなしなんとなーくOLさんとも仲良くなったりなんとなーくかつての甲子園球児たちと出会って二人の失われた対決の再開を見ることになる。
かっかと燃えるような傷だらけの韓国側『殴られ屋』に対しこのぼんやり感こそが日本的というのであろうか。多少血は流れたが。
しかもこの二つの映画は見ると同じ年に作られてるのね。このテンションの違いって。それに『殴られ屋』は一方的だけど『キャッチボール屋』はお互いだもんね。なんかこの辺も国民性を感じるなんていうのはおこがましいか。

見ててもぼーっとなっちゃうような映画でさ、何かここから人生にとって重要なエッセンスを汲み取らねば、なんてメンドクサイ考えも失せてしまう。
なんかもーいいんじゃないの。ぼーっと観てるだけで。
コレが男だったらさ、ちょっと腕がむずむずっていうのか「キャッチボールいいね、やりてえ」みたいな気分も出てくるのかもしんないけど、私なんぞはこれに出てきたOLさんみたいに上手くボールをやり取りもできないし、「男ってキャッチボール好きだよねー」みたいな感じでまたぼーっと観るしかない。
観てても結構楽しそうにやってるしね。
寺島進さんと松重豊さんの剛速球は凄かったし、光石研さんはわざと下手ぶってたんだと思うけど下手さが上手かった。
大森南朋さんはキャッチャーやってたけどナオさんっていかにもキャッチャーっぽいよね。体型とか顔とかキャッチャー型。役者としてもピッチャーじゃなくてキャッチャーって感じだもん。だから主役じゃなくて副主役みたいに見えるの。俺様な主役のボールを受ける役のほうが合っている。ドラマ『ハゲタカ』も主役だったのに観てると柴田恭兵さんのほうが主役っぽいのは大森南朋がキャッチャーだからなんだよねー。でもその辺の感覚が素敵だし、合ってるしね。『ヴァイブレータ』なんてのもあの位置がぴったりだし『殺し屋1』でもタイトルロールなのに脇役なのだよね。

人生の中でぽっかり記憶を失って違う人間になってすごすことがあるならこんなことをしてみたい、という夢みたいな話だった。

寺島さんと松重さんの男の勝負。「ほんと男って勝負が好きなのね」
それをにっこりしてみてるナオさんの顔が好きだなあ。

監督の「どんまい、どんまい」という言葉が癒しなのでしょうねー。
山口百恵の『夢先案内人』という歌もいかにも映画を物語っています。目の見えない女性がこの歌を頼りにコインランドリーに来ていたというのもまた暗喩的。

監督:大崎章 出演:大森南朋 キタキマユ 寺島進 松重豊 光石研 水橋研二
2005年日本


ラベル:大森南朋 人生
posted by フェイユイ at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月16日

『タイガー&ドラゴン 5』最終話/第11話「子は鎹」金子文紀

タイガー&ドラゴン8.jpg

大団円の醍醐味がたっぷり味わえる素晴らしいラストだった。
なんかこういったぴしっとしたラストっていうのじゃないのばかり観てるせいかもしれないが、ここまできちっと人情話で締めてくれる話ってえのもいいねえと久し振りに泣いてしまった。
「あんな奴きにするこたない」と言い放つ師匠をまともに悲しく見てしまった私は出所した虎児が寄席に行くと師匠が「小虎」の名前を自分につけているのを見て泣いてしまう所で情けなくも涙が溢れてしまい。
刑務所にいる間に3年の月日が流れ色んなことが変わってしまったのを出所した虎児は知る。
だが突き放されたように感じた虎児だが彼を迎えるみんなの心は本当は温かいものだった、という展開がこんなにも気持ちよく思えたのも久し振りかもしんない。
それはもう自分が虎児に思い切り感情移入してしまっていたからで同じように別れた人のことを悲しく思い、迎えてくれた人のことを嬉しく感じてしまったんだろうなあ。
こういう風に思ってしまうのは短い映画にはない長いドラマのなせる技なのかもしれない。
最後はもうよかったほんとによかったよーって涙涙。
組長は大好きだった小春さんと結婚し、銀次郎はヤスオや日向さんを率いて2代目になり、竜二とめぐみは別れたりくっついたりを繰り返し、劉さんはまだチビTと同じ部屋に住んでいるのも判り、すべて世はこともなし、ということで幸せな最後になりました。
落語をそんなに知ってるんじゃないんで上手い例えもできないが長屋のみんなで花見を楽しんでいるみたいな貧しいけれど幸せなそんな気持ちになりました。
最高に楽しいドラマ鑑賞でありましたねえ。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶
2005年日本


posted by フェイユイ at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タイガー&ドラゴン 5』第10話「品川心中」

やっぱり落語中心の話になるとめちゃいいですね。つか、もう大詰めの手前の面白さなんだけど。
ヤクザの虎児の話も思いいれたっぷりでこれでもかと泣かせてくれます。長瀬智也のかっこよさも目を見張るばかりであります。

『品川心中』にかけた初の竜二の創作落語も楽しめてここでのめぐみは花魁姿もあって綺麗でございます。

とにかく怒涛の面白さでありますし、止まらず最後を観たいんでこの辺にしてラストに行きます。
posted by フェイユイ at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タイガー&ドラゴン 5』第9話「粗忽長屋」金子文紀

苦手な方のヤクザ稼業がメインの作品。とはいえそれでも凄く面白いのだけどね。
『粗忽長屋』が下敷きとなって虎児と田辺ヤスオがそそっかしい二人の男たちを演じる。
ヤクザが暴れているのを観てるのはどうも好きになれないんだけど、落語のそそっかしい二人とどうしようもなく情けない二人のヤクザの対比は確かに上手いものである。
北村一輝と長瀬智也の顔が睨みあっているのはなかなか絵になるものだしね。

『粗忽長屋』という噺がかなりシュールなの修行を重ねてきた小虎もついていけずに混乱するが、落語のというは結構こういうSF的な発想のものも数多くあって言葉の遊びと脳の遊びが詰まっているものでございます。
ドラマとしてはちょっとメンドクサイ1話だと自分としては思ったのだがこういうひねりのあるストーリー楽しいですねえ。
posted by フェイユイ at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コリン・ファース、オスカー・ワイルドの小説の映画化作品へ出演

コリン・ファース、オスカー・ワイルドの小説の映画化作品へ出演

コリン・ファースの出演映画、アレきり全然観てないので^^;申し訳ないですが『ドリアン・グレイ』に出演と聞いては素通りできません。
観たい!!
posted by フェイユイ at 14:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月15日

『タイガー&ドラゴン 4』第8話「出来心」金子文紀

タイガー&ドラゴン7.jpg

うわあなんだかなんだか前回といい今回といい物凄いテンションで面白いっ。
大体がすげえクオリティではあるんだが、前回のがもろ落語での面白さなら今回は虎児のやくざ稼業が中心となって見ごたえありでまあ静でも動でも楽しませてくれるというか。
今改めて言うのも遅いけど長瀬智也はかっこいいですねー(笑)ヤクザでも落語でもびしっと決めてくれるし。なんか馬鹿っていう設定になっているのが却ってかっこいいというのか。
落語もずっとやってるからなのか物凄い練習をしているのか元々筋がいいのか天才という設定であるはずの竜二の語りよりずっと上手く聞こえてしまってあれこれってドラマとしてはまずいのか?と思えるほどに小虎の噺がどんどん上手くなっているように思えてしまう。
ほんとにこんな若手イケメン創作落語家がいたら大変な人気になりそうですが。
声がいいんでヤクザの時の凄み声も落語の話し方も聞いているのが気持ちいいんですねー。
試合後のボクサーみたいになって高座に上がるのもかっこよかった。

ものすごく少人数のヤクザ組って?って思ってたんだけど若頭と虎児が坊ちゃん助ける為に二人だけで乗り込んでいくとこでこれはいいね、と思ったし今回の噺『出来心』とうまく絡ませていくのがこれはヤクザという設定であるのが効いている。
ヤクザの親分・中谷謙が小虎の空けた穴を埋めるために高座に上がるというのが本人は笑福亭鶴瓶師匠なわけだからこれはまた本物なわけでおかしいのだ。ヤクザの親分が一番うまいわけですな。

最後に竜二が「こんな面白い寄席なら俺もやってみたい」という言葉と虎児の視線の先になんとヤスオ(北村一輝)が立っていた、というので珍しく「続く!」的な期待感が。どうなる?

「ふんどしパブ」って何だ?
急に危険な映像になって笑ったよもー。

河本準一の劉さん、何度も出てきて気になる。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶 小日向文世
2005年日本
posted by フェイユイ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タイガー&ドラゴン 4』第7話「猫の皿」金子文紀

タイガー&ドラゴン6.jpg

今回のは破格に面白かったねえ。
前回2つはちょっと中だるみかな、と思ったりもしたんだがこの1話はよかったなあ。
いつもは?的存在のめぐみもここではすっごく効いていたし。

『猫の皿』ある茶屋の猫が何百両は下らないと思われる高価な茶碗で餌を食べているのを見つけた古美術商がその茶屋の主人に3両で猫を譲ってくれと頼む。そしておまけにその猫の皿も一緒に渡してくれというと主人は別の茶碗を渡す。なぜそんな汚い茶碗をよこさないのかと問うと「これは何百両という高価な茶碗です」と答えるのだ。古美術商がそんな高価な茶碗で何故猫に餌をやるかと問うと「こうすれば時々猫が3両で売れます」
この噺もうろ覚えでハー面白いと感心してしまったが、その噺をまたまた竜二が欲しがるヴィンテージもののジーパンに引っ掛けて物語を作っていく巧みさ、どん兵衛の竜二への親子の情もじんわり涙もので素人お笑いコンクール(?)で竜二をスカウトする札を上げたときはちょっときてしまった。虎児に対する愛情にもうるっとなってしまったけどね。
そうして泣かせられながらも実を言うと一番笑ったのも今回で竜二がヴンテージジーンズ獲得とめぐみの愛を勝ち取る為に兄貴から一発芸を教えてもらうとこは笑いをこらえるのに必死で、なんだい結局落語よりどん太兄貴のくだらない笑いが一番おかしい自分なのであった。
「ドラゴンドラゴン清少納ゴーン」っていうのがもう耐え切れなかった(笑)どん太さんがやったほうの。ていうかそれを竜二が真似したのが。がははっ。
まあその程度の私でありますが、今回のめちゃくちゃにまあよくここまで話を絡めたねえ、と感心しきり。笑いと涙と頓知を混ぜ込んで楽しませてもらいましたあ。

監督:金子文紀 脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶 小日向文世
2005年日本
posted by フェイユイ at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月14日

『タイガー&ドラゴン 3』第6話「明烏」金子文紀

タイガー&ドラゴン5.jpg

まじめすぎる若旦那に少しは遊びを教えなければ世の中の酸いや甘いも判らない、というので始まる落語『明烏』を真面目などん吉に引っ掛けての物語。

今回は薬師丸ひろ子が借金を抱えて虎児たちから逃げ回りひょんなことから竜二たちの合コンの仲間入りをしてしまう役で登場。
何と言っても薬師丸ひろ子というと自分世代では男の子達の物凄いアイドルだったわけで、その方がン十年経つと足を見せたら「てめえは見せんじゃねえ」てな台詞を言われてしまうようになるとはなあ。昔だったら大騒ぎだったはずなのに。年月というのは怖ろしいものでございます。しかし自分的にはその当時も年を重ねた今もあまり魅力的な女性とは思えないのではありますが。つーか、このドラマの女性って伊藤美咲といいなんか「?」ってとこがあるんですがその辺がいいのでありましょうか。この軽さがいいといえばまあそう文句もいいませんが。蒼井優はいいんですけどね(笑)竜二を蹴る足のラインがが美しいです。

『明烏』は小朝師匠の噺で聞いてましてさすがに知っておりました。ちょっと色気のある話ですね。
その為か今回は虎児にしても竜二にしてもちょっと色っぽいシーンがあってファンの方ならなんだかどきっとしてしまう回だったのではないでしょうか。私は荒川良々のスーツ姿が怖ろしくてどきっとしてしまいましたが。背が意外と高いんですよねこの方って(笑)
銀次郎がまだちゃんとリサと付き合ってたのもへえと思ったりも。

西田敏行さんの女装はいつ見ても凄みがある。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶 薬師丸ひろ子
2005年日本


posted by フェイユイ at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タイガー&ドラゴン 3』第5話「厩火事」金子文紀

タイガー&ドラゴン4.jpg

いやあ、毎日「北京オリンピック」白熱しておりますね。私も元来スポーツ鑑賞が大好きなのでどうしても観てしまいます。
体操男子個人総合、冨田洋之さん残念でした。吊り輪の落下心配しましたがあそこから4位とは素晴らしいではないでしょうか。19歳で銀メダルをとった内村航平くんはまだ可愛らしくてちょっと生意気そうでまだまだこれからって感じでロンドンが楽しみであります。
他にも水泳、柔道、フェンシングとあちこち注目の試合ばかりでしたねー。

ということで、『虎龍』は今回は今までとはちょっと違った味付けだった。
関西ドつき漫才夫婦が登場してくるので笑いと涙が濃い感じ。
何度も酔っ払って傷害事件を起こし刑務所に入っていたというまるおとそんな夫に愛想をつかしながらもまだ自分を愛しているのか知りたいのだという妻まりもの物語が絡んでくる。
虎児と同じように子供の時に両親を失っているのだがヤクザの道に進み一度も笑ったことがないという虎児と比べ、両親が死んでからお笑いの道へ入り笑いっぱなしの人生だったというまるお。関東と関西の違いだ、という説明がおかしい。ほんとそんな感じがする。
それにしても飲酒とドメスティックバイオレンスと夫婦の愛と病気の話が題材になっているのでいつもと比べてかなり重くて苦い味わいである。
そしてその話が落語『厩火事』と重ねられていく。この話も聞いたことはあったけどうろ覚えみたいなもんで、改めて聞いて「へええ」と思ったり。孔子のエピソードまで映像化してるのがおかしいよ。
ほんと言うと頭をぽんぽん叩く笑いって正直言って心配してしまうのだよねー。やってる方たちはむしろあれがいいみたいなのだが痛くないのか、脳に損傷はないのか、とアホなことばかり考えてしまうのだ。あまり漫才を聞く資格がないのかもしれない。肩とかにして欲しいのだが。
でもなんだかこれを観てると命を張って笑いをとっているようなそんな二人の姿にちょっとえぐい濃厚さではあるけれど人生の深い味もするようで泣いたりはしないけど奇妙な感動もあったりするもんだ。
夫婦ってなかなか味のあるものじゃないだろうか。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶 古田新太 清水ミチコ
2005年日本
posted by フェイユイ at 20:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月13日

『タイガー&ドラゴン 三枚起請の回』

タイガー&ドラゴン3.jpg

第3話だけ出演の大森南朋が目的で観始めたのだが面白くて全部観ることにしたので急遽ドラマのスペシャル版を鑑賞。連続ドラマの前の話ということで一度本編を覗いた者には人間関係やら元ネタがわかって面白い。
小虎が「ジレッタイガー」が初めてだったのでまだやり慣れてないのと舌をぺろぺろするのや「ぶふぉっ」もまだ未完成なのもおかしい。
阿部サダヲもまだ乗り切れていない気がするが西田敏行さんはもうこなれているように思える。

古典落語『三枚起請』を下敷きにして虎児が体験したことを自分流の落語として話していく、という展開はきっちり構成されていてこれは本当に面白いのだ。
虎児と竜二のキャラクターの対比が幻の獣である龍と現実にいる虎に重ねて作られているのが判ったのも面白かった。そうか、虎児のほうが普通に見れる奴で竜二のほうが幻なんだ。竜二という存在は稀ということか。

「三千世界のカラスを殺し」というのは知っていたけど『三枚起請』ってタイトルと話がつながって頭に入ってなかったんだよね。そうか、そうだったんだ。
有名な話なのにこの年になってやっと知ったりもするもんだ。

面白いが何かインパクトがない、と思ったのは荒川良々が出てないからか。

脚本:宮藤官九郎 出演:長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶
2005年日本
posted by フェイユイ at 22:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

今朝の目覚ましは松山ケンイチで

今朝の「目覚まし」は松ケンファン必見でしたねえ。最近はもー『DMC』が物凄い盛り上がりで私なんかはあんまり観すぎてしまいたくないなあと思うくらいですが、今朝の「目覚まし」は今まで松ケンを特集しなかったことを謝罪して『DMC』の話題は勿論ですがなかなか自分を見せない彼を暴こうと兄貴と慕う(?)中村獅童さんを呼んで暖かな談話となったのでした。
いまだに『男たちの大和』が話題になるということで、軍服姿の獅童さんを獅童さんだと気づかずカンチョーをした若造を笑って許したことに松ケンが親しみを持ったのだろう、という獅童氏の話を笑いながら聞いている松ケンがすんごい可愛いのでした。
時々獅童さんを見る松ケンの目が尊敬の思いを込めて瞬間ですがじっとみつめるのが印象的でしたねー。
獅童さん、なかなかクレイジーですからねー。
本当は放送した以上に盛り上がったということでそういうのを観たいんですがねー。
朝の短い間とはいえ、クラウザーさんだけではなく素顔のケンさんを観れてうれしいひと時でした。

クラウザーさんの走りっぷり。かなりのスピードだった!あのハイヒールで!!
ラベル:松山ケンイチ
posted by フェイユイ at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月10日

『深呼吸の必要』篠原哲雄

深呼吸の必要.jpg深呼吸の必要 2.gif

大森南朋の出番は少しだろうとたかをくくって観てたら出ずっぱりだったのでそれが一番の幸せだった。

沖縄に行ってサトウキビ畑の刈入れのバイトをする、という募集に応じた若者達が働くことで心も癒されていくお話。
行ってみれば3月いっぱいの納期に遅れたら「おじいとおばあ」がとんでもないことになる、と脅されいやいやながらも慣れない作業を懸命にこなしていく内に最初は反発していた見ず知らずの男女の中に連帯感が生まれていく。
強烈に悪い奴がいるわけではないがそれぞれに心に傷を持った若者達が沖縄の自然と暖かいおじい、おばあに接するうちに打ち解けていく過程を描いた作品なんて正直言って全然好きではない。
監督の名前を見たら『天国の本屋』を作った人でなるほどあれも同じように普通と違う場所、つまりアレで「天国」だったのがコレでは「沖縄」になるわけで、沖縄って天国なんだなーと言う感じ。
淡々と描いているようでちょっとクサイ演出も多々あるのがこの監督の持ち味なわけで。
あっちにも香里奈さんが出ていたがこちらでは主人公になっている。そしてあちらでの玉山鉄二さんがこちらでは谷原章介さんのようでこういう落ち着いた2枚目が好きなのでしょうなー。大森南朋の役は新井浩文というよりは原田芳雄でありましょう。
ま、そういう比較は置いといて、私にはどちらもむず痒くなってしまうタイプの作品なのである。どちらもああ、癒された、いい映画だーという気持ちにはならないがそんなに嫌〜になるわけでもない、という位置である。観てる間はそんなに退屈することもなく楽しんで観れるのだが時々あまりの演出のクサさにうっとなってしまったりもするくらいである。
芸能人には疎い(っていうかナンにでも疎いが)私だが自殺志願だったうつむき加減の一言も話さない女子高校生が最後に長澤まさみだと気づいてちょっとびっくりしたり、彼らが一息つきにいく沖縄の店の男の子が今をときめく上地雄輔の顔が見えたのもへえだった。有名になってなかったら絶対見過ごす役柄だけど。なにしろ4年前の作品だしね。

大森南朋は本土からやってくるサトウキビ刈りなど未経験の若者たちを導いていくという役どころなんだけど、ありがちな悟りきったようなデキタ人柄ではなくてちょっと軽薄だったり怒りっぽかったり成宮寛貴演じる元高校球児に「日本中のあちこちで農業を手伝ってるって単に逃げ回っているだけじゃねえの」と言われて言い返せなかったり、大怪我をしてみんなから助けてもらったりする少々情けない男でもあるのが逆にほっとする。悟りきったような男とかって物凄く嫌だしね。
しかし成宮くんの突っ込みの答えはどうなったんだろー。単にそのまんまドツボだったってことなのかな。なにか彼なりの言い訳があるのかと思ってしまった。

若い男女が一緒に寝起きしてるのだが、なにやら恋愛沙汰もなし、怖ろしい事件がおきるわけでもないのである意味とても不思議な映画でもある。
ナオさんが冒頭辺りで谷原さんに妙なタメをとったとこがあったんでなにかあるのか?と思ったのに何もなかった^^;
結構最近沖縄舞台の映画を何度も観てるけどどれも絶対「沖縄のんびりとてもいいとこ〜」ってかんじなのだ。自分もそう思ってはいるけど沖縄の暗い部分を描いたものって全然観ないのも物足りないかもしれない。

監督:篠原哲雄 出演:香里奈 谷原章介 成宮寛貴 金子さやか 久遠さやか 長澤まさみ 大森南朋
2004年日本
ラベル:癒し 大森南朋
posted by フェイユイ at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月09日

『タイガー&ドラゴン 2』第4話「権助提灯」金子文紀

じれっタイガー.jpg

もうすっかり『虎龍』になじんでしまった自分である。「タイガー、タイガーじれっタイガー」という声を聞かないと「あれっ」と不安になるほどである。
鑑賞目的だったナオさん登場の3話は観終わったが最後まで観ることに何の躊躇もない、どころか観ないはずがない、くらいの勢いなのである。

ここで観てると岡田准一くんというひとは凄く小柄で可愛いんだなーと思ったり、長瀬さんは落語が下手という役柄なんだけどこうして観てると凄く上手いように思えてしまう。
今回は「権助提灯」で、全然嫉妬をしない本妻と妾の間に挟まれ却ってとんでもない悲惨な目にあう旦那の話。なんだか非常に辛辣でもあり面白い話だ。
この話を虎児の親父(つまり組長)と竜二の親父(つまり師匠)と二人のかつての共通の憧れの少女だった小春に重ね合わせて(つまりここでは男女が逆転しとるわけですな)展開されていく寸劇がいつもどおりに非常に面白い。
二人の親父の大学時代を虎児と竜二がその頃の格好になって演じているのがめちゃ楽しいし。しかし岡田=西田はまだしも長瀬=鶴瓶はちと無理があるのでは。身長はどうなったの?
それにしても確かに嫉妬というのは物凄い苦しいものだろうが(今そういう状況ではないからこういう言い方である)こういう風に対立する二人(奥さんと小春さんのことね)が仲良しならむしろ楽しいくらいなのだろうが、現実はそういかない、方が遥かに多いというか殆どなわけだから人生難しいわけである。

虎児と竜二はさすがに主人公二人だからいつも大体同じくらいの出演量(虎児のほうが多め)だが話によって他の役の出番の比重が様々に変わっていくのもなんだか面白いのだ。
それでも荒川良々のインパクトだけは変わらずだね。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演:長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶

posted by フェイユイ at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月08日

『タイガー&ドラゴン 2』第3話「茶の湯」金子文紀

タイガー&ドラゴン2.jpg

北京オリンピック開会式も楽しみましたが、ここでは相変わらずドラマ
感想を続けましょうか。

第3話「茶の湯」
ドラマの中の落語を聞いておかしくて笑ってしまった。いつもの小虎の創作落語も利いていて楽しい。
前の2作よりも一番いいと思ったのだが今回が最も落語のほうに力が入っていたのだった。つまり虎児のヤクザ家業は師匠を脅す所ぐらいだったからだな。
そしてやはり只者ではなかった荒川良々の淡島ゆきお。アマチュア落語のチャンピオンで落語マニアの評論家という設定だが他の人が演じたらこんな味には絶対ならないんだろうなあ。なんかあの色が白くて眉の感じが小憎たらしくていいのですね。なんともいえない不気味さもあって人を食ってしまう危険性があるほど面白い存在の人である。

でもって勿論このドラマを観始めた目的のその人がこの第3話に登場するわけで。
一体今度はどんな役かしらん、という千の顔を持つ男だが、今回はいかにもちゃらちゃらした業界男という奴で金髪にサングラス。派手派手な服の人を小馬鹿にした態度がイヤ〜な感じでくすくすさすがナオさん嬉しくなってしまいました。
こーゆーのいそー、という軽男。でも虎児に抱きすくめられて脅されてる時、金色に染めた髪がさらっとしてて思わずうっとなってしまったのだ。
相変わらずどんな役でも楽しませてくれるナオさんだった。かっこつけてるとこ、恥ずかしかったんだろーなー。ふふふ。

とにかく今回は特に落語の面白さがたっぷり味わえる、そんな1話でありました。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶
2005年日本
posted by フェイユイ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月07日

『タイガー&ドラゴン 1 』第1話「芝浜」第2話「饅頭怖い」金子文紀

タイガー&ドラゴン 1.jpg

第1話「芝浜」第2話「饅頭怖い」

えと、これもまだこの段階では出てきてないんだけど大森南朋目的で観てるのだった。まあ最初から観た方が面白いかな、と思って。
かなり話題になったドラマだから結構面白いだろう、と思って観たのだが、さすがに本当に面白かった。
自分としてはそんなに大好きな世界(というか描き方)ってわけでもないがそれでもやっぱり感心してしまう出来栄えである。
長瀬智也さんは先日観た『真夜中の弥次さん喜多さん』ですっかり好きになってしまったのだが、ここでもあのクセのある芝居っぷりは楽しくてアイドルさんに言うのもなんだけど強い魅力のある人なのだなあと確認いたしました。で、彼が虎児(可愛い名前だ)のタイガーでドラゴンにあたる竜二もかっこいい岡田准一なのでその二人を見るだけでもいいのだろうが、私としてはこの話の役の中では竜二の兄である阿部サダヲさんに妙に肩入れして見てしまうのはどうしてだろう。なんだかおかしくて悲しい役割だよな。
また本人は大好きなのに全然映画もドラマも観ることのない西田敏行さんを見れるのも嬉しい。私としては『悲しいのはお前だけじゃない』以来かも。役柄がどこか似てるのが不思議なリンクだが(借金を背負った芸人という)
大好きな世界じゃない、というのは落語家の方じゃなくてヤクザのほうだけど、虎児の過去につながる理由があったのでそれはそれで納得した。
落語の方はドラマ自体とリンクさせるという巧みな構成で見せてくれるので面白い。
1話目よりも2話目のほうがさらに楽しく観れたので今後ますます楽しみである。ナオさんも出てくるし。
それにしても2話目の最後にちらりと登場した荒川良々がまたまたすべてを持って行ってしまった感じ。
サダヲさんが体当たりで物凄く頑張っても良々が出てくると食われちゃう気がする。うーむ。怖ろしい。
というわけですっかりこのドラマにはまってしまっているのかもしれない。

監督:金子文紀  脚本:宮藤官九郎 出演: 長瀬智也 岡田准一 伊東美咲 塚本高史 蒼井優 阿部サダヲ 西田敏行 笑福亭鶴瓶
2005年日本
posted by フェイユイ at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大森南朋×キム・ギドク対談 今頃ですが・・・

これは『大森南朋』かキム・ギドクということで『韓国』カテゴリにするか迷う所だが、現在夢中なのでこちらで。

読んだ方は「なんだ今頃」てなもんですが最近になって『この映画がすごい!』20075月号を手に入れまして(笑)
これにはキム・ギドク監督と大森南朋の対談が載ってたんですねー。その頃私としてはナオさんにはまだ傾倒してなかったですがギドク監督は大好きですから読んでいてもよかったんですがこの雑誌自体を見てませんでした(笑)仕方ない。

とにかく『絶対の愛』が日本公開されていた頃なんですね。ナオさんがキム・ギドクをこんな風に好きだったなんてうれしいですねー。さらにギドクさんもナオさんを注目していたなんて!!!「声がいい」だとか「安藤政信さんと大森南朋さんに会うときは男性なのにときめく」なんて物凄い褒め言葉で(笑)そしてキム・ギドク監督が観た大森南朋の出演作が『殺し屋1』『ヴァイブレータ』『ゲルマニウムの夜』というのがどれもよくて。『ゲルマニウムの夜』は勿論日本に観に来たそうです。あの劇場でしか公開してなかったのですからねー。
キム・ギドク監督は『息』の次の作品を考案中で「飛鳥時代の仏教と神道の対立を描いた作品(!)の主人公と対立する神道を守り抜く人物」をナオさんにやって欲しいと!物凄い具体的で驚きです。
主人公ではなくその対立者と言うのがいかにもらしいですね(笑)
現実には次回作はオダギリジョーとの『悲夢』になりましたからその次!ということでお願いしたいものです。

これが本当の現実になったら嬉しくてしょうがないよー。どうしよう。
安藤政信さんのギドク映画出演も観たいものです!
posted by フェイユイ at 18:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『曼谷愛情故事 Bangkok Love Story 』ポット・アーノン

BKK_lovestory.jpgバンコクラブストーリー.jpg
Bangkok Love Story

やっとやっとついに観た。長かったなあ、観ることができるまで。
動画でとうの昔に観れたのだが、寄る年波のせいか動画画面を観るのが辛くてDVDになるのを待っていたわけである。

DVDだとこれが綺麗な映像なのだ。ストーリーは外国語がわからなくても結構伝わってくるほどのもので(大体台詞も少なくて映像で見せる感じなのだ)しかも物凄いメロドラマで気恥ずかしくなるほどだが、私としてはそれで充分楽しめた。
難しく考えさせると言うようなものではなく「ゲイを表現したプロモーションビデオ」と言ったら怒られるだろうか。でも先日観た『百色眼鏡』より遥かに「その世界」を表現するために様々なイメージを紡ぎ合わせて見せてくれた、という気がする。
主役の二人とも結構好みで(わりと片方は好みなのにもう一人はどうも、というパターンが多いのだが)二人とも申し分ない筋肉質で男っぽい顔立ちなのが嬉しい。こういう場合私はまず短髪君が好きになるのだが、今回は長髪君が意外にも可愛らしいではないかと思ってしまった。
無論襲われるのが短髪君のほうというのはもう当然のことなわけでこれも正解だし、短髪君のほうがややリッチな生活をしてるのに対し、長髪君がスラムな生活なのももうこれはPVの為の設定としかいえないからね。二人が愛し合うのもリッチな部屋ではなくどうなってるんだかわかなないが四方を高層ビルに囲まれた小汚いビルの屋上でなんだか水浸しだし四方から見られるのもお構いなしに(シャレではない)いきなりキスしたり抱き合ったり観てるこっちがおどおどしちゃうじゃんかよー。
さすがにメイクラブシーンは室内だったのでほっとしました。
とにかく長髪君が殺し屋なのもやたらと発砲シーンが出てくるのも男らしさを演出する為のものなのである。いつ殺されるか判らない、そういう危険性が男達の愛を激しくしちゃうんである。
ホンダのバイクにタンデムするのも鼻血ものだし、逃走シーンで二人が手錠で結ばれているのも『網走番外地』で健さんが手錠で結ばれた相棒に襲われてしまうという驚くべき場面を彷彿とさせられてしまうではないか。
陰影の濃い映像、雲が低く垂れ込めたどんよりとした空あるいは激しく降る雨の下でとあるビルの屋上にある狭い廃墟のような部屋。
突然激しく愛し合った後、突然短髪君を追い出す長髪君。
短髪君はもう彼のことを忘れることはできない。婚約者の彼女の涙ももう彼の心を取り戻すことはできない(もともとそういう素地があったことを後で知る)
避けるように逃げ回る長髪君を思う短髪君の一途な愛が切ない。(この逃げる部分もより切なさと純愛とその後の愛の場面を効果的に見せるわけですな)
そして再会の場面。屋上のキスも全世界に見られているようで恥ずかしかったがこの再会の抱擁も人目憚らぬ往来でしっかり母と弟と婚約者に見られてるではないか。もー。
噛み付くようなキス道路をごろごろしちゃうんだもんな。

そして長髪君が組織のボスたちを殺しに行くとこ。なんだかまた短髪君とすれ違っちゃって。
短髪君はボスの奥さん(?)に撃たれるし、長髪君は警察に捕まるし、で嫌な展開かと思ったら短髪君は目が見えなくなったけど生きていて、刑務所にいる長髪君の面会に行ったりして、「愛してる」なんて言って手を握り合ったりしてあーよかった、長髪君の出所だ。二人とも年をとったけどこれでやっと幸せになれるよーと泣いてたら、なんというラスト。
もう最後の最後まで引っ張るね。やはり涙を見たいんだなあ。雨の中で愛しい人を抱く姿。『ニエズ』か。
屋上の抱擁は『ブエノスアイレス』みたいだし、色んな要素が込められてるのだ。
悲しい話だけどつまりこれはゲイのラブストーリーをかっこよく見せる為のものだから、「あーエロかった」と堪能すればいいのだろ。
二人の男もすんごい可愛いし、舞台設定ももろに好みだし、ちょいと見せ場で音楽がしつこく流れるのは赤面だけど長い間待ったかいはあったなあ。とても好きな作品でありました。

監督: Poj Arnon 出演:Rattaballung Toesawat Chaiwat Tongsang
2007年タイ
ラベル:同性愛
posted by フェイユイ at 00:45| Comment(8) | TrackBack(0) | 東南アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月06日

『害虫』塩田明彦

害虫.jpg

この作品を観てちょっとしたショックを受けてなんと書いていいのかわからないでいる。
15歳の宮崎あおいが演じているのは壊れかけた或いは壊れてしまった精神を持つ13歳の少女サチコである。
少女はその無垢な愛らしさのために彼女と出会った男達はどうしようもない性的衝動に駆られてしまう。そんな時でもサチコは戸惑いはするが激しい抵抗を見せることはない。その空虚さは観る者に共感をまた反感を持たせてしまう。
そんな彼女と対照的に現れるのがクラスメイトの夏子であり、彼女もまた愛らしい少女なのだがサチコのような男性に対してのエロティシズムというのはない存在であり極めて善良な心の持ち主なのである。
彼女達二人がマルキ・ド・サドが生んだ悪のジュリエットと善のジュスティーヌであるというのは非常に判り易い。また悪のジュリエットが『悪徳の栄え』という著書で素晴らしい印象を残したのに対し、善のジュスティーヌはあまり引き合いに出されることもない、というのはやはり人は「悪」というものに惹かれてしまうからなのだろうか。
13歳のあどけないエロティシズムを持ったサチコに「ニンフェット」を重ねる人もいるだろうが、『ロリータ』はあくまでハンバートの目で見た少女の姿に過ぎない。ここでは少女が男達を見ている。その表現は(監督自身が男である為)非常に乾いていて感情がないようにも思えるのだが、突き放した語り口がサチコをより明確にイメージさせているように思える。

『ユリイカ』を先に観たのだが(製作はこちらが先)アレの中でも宮崎あおいはバスジャックという怖ろしい事件に襲われ何もないのに性的暴行を受けたのではないかという中傷を受け精神を病む。ただその後は兄の方の話が中心になってしまうので彼女自身の物語という意味では不完全燃焼だったのだがそれ以前の作品で彼女の(というか少女の)エロティシズムという題材がこんな風に表現されていたのだと驚いてしまったのだ。

本当はこんな回りくどい言い方でなく直接に感想を言うべきなんだろうけどそれがうまく言えないで困っているのだ。
サチコには怖ろしい出来事が幾つも起きるが彼女がそのことを表に出してしまうことは少ない。
ボーイフレンドの言葉に学校の机を引っ張って倒す場面と自分の部屋で壜に入ったビー玉をぶちまけてしまう場面、夏子の家に火をつけた後突然叫ぶ場面(最も感情が出たのはこの時だった)そして物語が終わった後に鼻歌を歌うことで彼女の心の空虚さを感じる。

サチコが男性を好きになる時は彼女に対して直接な性交渉を求めない相手だった。タカオとキュウゾウはどちらも彼女にそうした接触はしていない。もしかしたら小学生時代の緒形先生も性的な要求はしなかったのかもしれない。彼女がママの恋人を嫌ったのは最初から彼の視線に彼女に対する性的なものを感じていたのかもしれない。
だがサチコは最後の場面で慕っていた先生との再会を(その気になれば間に合ったかもしれないのに)放棄してしまう。
彼女はさらに先に進むことを選択したのだ。それが彼女がそれまでは避けていた性に関するものであることは間違いないだろう。

サチコこそが害虫なのだということが悲しい。

ジュスティーヌの役割である夏子に蒼井優。とても可愛い上に宮崎あおいと比べるとこの時はまるで棒読みで初々しい。(宮崎あおいも同じだったかもしれないが彼女は無口で感情のない役なのでその分得してる)
今をときめく二人の女優がこの作品で共演しているというのも凄い因縁なのかも。

目的の大森南朋は宮崎あおいちゃんをホテルに連れ込もうとするエロおやじ役。とほほな役だが時間もほんの僅か。その数秒を観る為に観たのだが素晴らしい作品でよかった。ナオさんの出演作は見ごたえあるものが多くてうれしい。

監督:塩田明彦 出演:宮崎あおい 田辺誠一 蒼井優 沢木哲 天宮良 伊勢谷友介 りょう 石川浩司
2002年日本




ラベル:大森南朋 少女
posted by フェイユイ at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月04日

『真夜中の弥次さん喜多さん 』宮藤官九郎 

真夜中の弥次さん喜多さん.jpgyajikita真夜中の弥次さん喜多さん.jpg

公開前に自分でも早く観たい!と盛り上がってたのにいざDVDが出た頃はあまり興味がなくなってしまって^^;観ないままになってしまっていたのだが。ここに来て観ようと思ったのは無論大森南朋が出てるのに気づいたからで。
と思ってたらナオさん出番は結構早めの時間帯で思った以上に短時間であった。石を抱かされ拷問される場面。なんだかなあ。でもまあ観れてよかった。

作品自体は思った以上に面白く出来ていてこれなら早く観ればよかったと今更思ってしまった。でも今観たタイミングの方が理解しやすかったかもしれないが。

弥次さん喜多さんがゲイ関係だということを自分は高校時代に知った時、友人にそのことを伝えると「へー?」と不気味な表情で答えられてしまった。なぜか教師が『弥次喜多』という言葉だけが聞こえたらしく「真面目な話をしてるね」と褒めたのでホントのことを言う訳にも行かず非常に困惑したものだった。
それにしても日本の古典でも有名なこの二人がゲイ関係だった為に長屋にいられなくなりお伊勢参りに旅立ったという話をしりあがり寿さんが漫画にされた時は長年の夢がかなったような^^;実に嬉しい気持ちになったものだった。

そしてそれがまた映画化されてしまうという怖ろしい時代になったものだ。以前はしりあがりさんの漫画がそれこそリアルに映像化できはしないのではと期待がしりすぼみになってしまったのだが、こうして観てみるとしりあがりさんのシュールな世界がきちんと映像になっていてすかり嬉しくなってしまったのだった。

それにしてもやっぱり一番嬉しいのは映画の中で弥次さんと喜多さんの深い愛が貫かれていたことで、喜多さんの美少年的なフラフラ感と移り気で甘えている描写と弥次さんの喜多さんへの揺るぎない愛には何度となくじーんとさせられてしまった。
弥次さんを演じている長瀬智也さんは多分始めて映画で観るのだが(ドラマは何も観てないし)男らしくて一本気な話し方がおかしいやら切ないやらですっかり好きになってしまった。
喜多さんの情けない優男ぶりも中村七之助さんが大変うまく演じていたのではないだろうか。二人とも原作のイメージそのままで語らう愛の言葉は真剣に胸に響いてくるものがあった。
とはいえ、多分多くの人がそうだと思うのだけどこの作品で最も印象的だったのは荒川良々さんだろう。あんなにたくさん出てくるなんて反則だよね。あの顔と体型のインパクト。それぞれ違う人なのに霊魂になるとあの姿になる、というのがなんとなく頷けてしまうのが怖い。みんな良々さんになってしまうんだよ。
しかも源流での泣いてる子供(原作では)も良々さんだしラストの踊る人も彼だし。贔屓だ贔屓だ。
彼のキャラクターの前に他のすべてが消え去ってしまったのではないだろうか。

ヤク中のゲイである喜多さんが愛する弥次さんと暮らしながらも「リヤル=リアル」を感じられなくなる、という物語の発端からてめえ探しの旅に出て、愛する人といることがリアルなのだと納得するラストに到るまでの実にくだらない騒動がまさに人生そのものだと言って物語は終わる。

ナオさんがもう少し出てくれてたら私としてはパーフェクトだったが^^;良々さんの物凄さでその残念さも吹き飛んでしまった。
偽物弥次さんとして妻夫木が出てたのも変におかしかった。

山口智充さん演じる茶屋のオカマパパの歌は何となく『ヘドウィグ』を思い起こさせる。ぐっさんはうまいなあ。

監督/脚本: 宮藤官九郎 出演:長瀬智也 中村七之助 阿部サダヲ 生瀬勝久 寺島進 竹内力 森下愛子 古田新太 松尾スズキ 荒川良々 小池栄子 柄本佑

2005年日本
ラベル:大森南朋 同性愛
posted by フェイユイ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。