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2008年08月02日

『ハゲタカ』第6回最終話「新しきバイアウト」

『ハゲタカ』第6回最終話「新しきバイアウト」.jpg

参りました〜っ!!!と私なんぞが参っても何の意味もないか^^;
こういう風に話が進むとは。確かに冒頭の場面がそのまま最後に結びつくという安易な展開とはまったく違う息を呑む面白さでありました。
(最近最初と最後がリングになる、という決めが結構多くてつまらないのな)
「こういう世界になんも憧れない」などと言ってる自分でもこの話の面白さ、鷲津と芝野の戦いぶりには感銘を覚えたし、あっぱれなんて言ってみたくもなったのだった。最後に鷲津についてき中延五郎氏(志賀廣太郎)から声をかけられた時なんて本当は鷲津さんもにっかり笑ってしまいたいのを懸命にクールを保って見せたのではないだろうか(笑)
うーん、最近他に(映画でも)ないほどのカタルシス、ぴしっと決まったエンディングに快感を覚えてしまったのだ。

どの回も中味は濃いが特にこの回は盛りだくさんが凝縮されているようだ。
冷酷に人を切り捨てると罵られて傷ついた鷲津はアメリカでさらにその心を捨ててしまい徹底したビジネスマンとして日本に戻り辣腕を振るう。だが結局心を捨てきれていなかった鷲津は一旦は外資ファンドから追い出されてしまうが、今度はその弱さを逆に利用して日本の中で成功を収める。
鷲津の心の傷である西野と三島の二人の過去も昇華させ、鷲津が「私とあなたは同じだ」と言った言葉が今度は芝野の口から鷲津へと告げられる。この展開は戦慄だ。アメリカ仕込の企業戦略を発揮した鷲津が敗北した後に日本的情緒という要素も取り入れて大きく独立していくという運びに「参りました〜」となってしまったのだ。

窮地に追い込まれ自暴自棄になり体も心も苛まれ違う道を選ぶかと思いきや、己の得た力を使い切って反撃をしていく。
かっこよかったし、面白かった。
大森南朋のクールな顔と失墜した時の顔、そして復活した後のその二つが混ざり合ったどこか開き直ったような悟ったような表情が素晴らしい表現力だったのではないだろうか。
単純にきゃーかっこいいいいい!!!!!と言ってもいいんですが^^;

他の出演陣もまあ凄いところばかりで見ごたえ充分なのだが、加藤幸夫役の田中泯氏。卓越した技術者とはいえ凄みのある貫禄だった。只者ではないと思わせる。
NHKだからできるというのもあるだろうが、余計な恋愛沙汰は一切登場させなかったというのもやはり驚きだろう。
一番の告白は鷲津の「芝野さん、あなたとなら踏み出せる気がする」という言葉だしな。「鷲津ファンドに出会えてよかった」という芝野さんの言葉がその返事ということで。ちょっとなにかの宣伝みたいでおかしいがこれは腐女子への志として解釈。

なんだかここに来て「終わったなー」と感慨無量。また観直してみたいものです。

大森南朋さんは「男の友情」というドラマが好き、とどこかで言われていたと思うのですが、ここではその部分に特に心を込めて表現されていたように思えますね。
ライバル的な存在だった鷲津と芝野が次第に近づいていき、互いを同じだと認め合う過程はビジネスドラマの面白さとも絡みながらどんどん深まっていくようでした。それまでの冷たく頑なになっていた鷲津の心が芝野さんからの交渉で温かく解けていく。ここんとこ、それまで誰に対しても低姿勢だった芝野氏が気弱になり退こうとする鷲津に「駄目だ。俺が許さない」というのは却ってどきっとする発言ではないですか。そして芝野さんを見返す鷲津の目が切なくて。またそのことが迷っていた鷲津の取る道を明確にさせていくわけでその展開の上手さには唸ってしまいます。
男同士の友情もガキんちょばかりじゃないぞ、というとこでしょうか。
ナオさんも恭兵さんもハンサムですし、このかっこよさを見せつけられたらまあ腐女子的に騒いでも当然のことでありましょう。
アランじゃ物足りなかったしね。西野でもまだ駄目です(笑)一緒に墓参りするような大人の関係が渋いのだ。
独立した鷲津ファンドに入ってきた中延五郎氏(志賀廣太郎)村田丈志(嶋田久作)にも鷲津への友情というとおかしいが信頼を感じられて嬉しい結末だった。

ただ鷲津が中で言う「殆どのことは金で解決するが・・・」という台詞はうなづけないの。
そうなのかな。ほとんどのことは金で決まるかな。逆に僅かのことが金で解決できる、という気がするんだけど。
運命も出来事も金で解決できるのはほんの少しだけ。でもそれが金で解決できるからみんな欲しいわけだけど。
この台詞も金の世界で生きている鷲津だから出てくるのだ、と思えばそれでドラマとしては納得いくのだけどね。
その答えがドラマのテーマ曲であのエミリ・ブロンテ(!)作詞(原題「Riches I hold in light esteem」)となっている「富は問題にならぬ」なのだろう。
歌を聞いていただけの時はなんだかかっこいい歌だな、とだけ思っていたのだが。
これはうなづける。

脚本:林宏司 出演:大森南朋 松田龍平 栗山千明 柴田恭兵 嶋田久作
2007年日本

『ハゲタカ』予告


posted by フェイユイ at 22:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 大森南朋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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