

銭ゲバ第3話。
1話目に疑問を感じ2話目でちょっと浮上したように思えたが3話目でまた停滞気味、というところだろうか。
とにかくこの物語、3話目分ですでに3人人殺しをしている、というとんでもない人非人の話であり、原作どおりいくならこの後わらに地獄へとまっしぐらに落ちていくわけである。
真夜中でもないTVドラマで一体どこまでやれるのかを見届けたくて観ているっていうのもあるのだが風太郎の性格説明がなんとなくまどろっこしい。どっちかつーと親父のほうがきっぱりと悪人なので見やすいんだがここではやはり風太郎の性格を「決してとことん悪人なのではなく本当はいい人間なのに貧乏への復讐心が彼を間違った行動へ進ませていくのだ」という感じでやりたいのだろうか。またもや登場する食堂一家が風太郎に笑顔を出させてしまうのだが一人じゃなくて一家総出で風太郎にちょっかい出すのがどうもうざったく思えてしまう。
まあとにかく風太郎は緑の心にも芽生えた風太郎への疑念を晴らすことに成功し父親からも信頼を得ることになった。そして茜は風太郎と結婚したいと父親に頼むのだった。
松山ケンイチに魅力があるのは感じる。だがそれがドラマとの相乗効果で物凄いことになっている、というような迫力がない。単純に「おっもしろいよなこれ」っていうのでもない。
TVドラマというのはこういうものだと何度も言い聞かせながら観ているのだが(違うのか?)なんとも薄っぺらな構成と台詞に涙が出る。
『セクシーボイス&ロボ』みたいな軽いコメディだといいのだが、こういう人間の欲望による殺人を含む犯罪などという重いドラマではもっと怖ろしいものを観たい気がするのだがやはりこのくらいがTVということなのだろうか。
これで松山ケンイチの演技が凄い、などと言われてしまってもドラマ自体がこれではせっかくの演技も輝きが半減してしまうではないか。
そんな怒るなら観るなよ、とだけ言われそうだ。
しかし今のとこは椎名桔平=親父のほうがよっぽど銭ゲバな感じで観ててイライラするほどムカついて面白い。彼を主人公にしたほうがいいんじゃないか?
この作品、皆さんの感想としては「重い」という方が多いのかもしれないが自分としては軽すぎてつまらない。だがもっと重く暗くとことんまで地獄を見ていくような内容にしてしまうと誰も観なくなるのか。そういう怖ろしいものを好きな人もいるとは思うのだがTVドラマとしてスポンサーは逃げてしまいそうだ。
松山ケンイチにはこんなもんじゃなくもっとずっと過酷に悲惨な人間の苦悩の地獄を見て欲しいんだがなあ。
TVドラマにそれを期待してはいけないか。
しかしこれからどんどん悪魔の道に入っていくのだが。どうなるんだろう。許されるのだろうか。
結局それが気になってまた観てしまうんだよなあ。期待し続けてみるべきか。
頼むからもう少し面白くしてくれ。
マンガのような世界にまで行けるのか。
演出:大谷太郎/狩山俊輔 脚本:岡田惠和 出演:松山ケンイチ ミムラ 宮川大輔 光石研 りょう 椎名桔平
ラベル:松山ケンイチ