映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年04月18日

『ペインテッド・レディ 〜肖像画の淑女〜』前編 ジュリアン・ジャロルド

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PAINTED LADY 

例によって作品の解説をよく読まずヘレン・ミレンが主役なのと名画強盗事件というので面白そうだと(そういうの好き)何気なく観ていたら冒頭のクレジットで監督がジュリアン・ジャロルドと出たのでびっくり。ジャロルド監督1997年TVドラマ作品だったのじゃ。

しかも絶対関係ないと思うが突端に殺されてしまう老人がチャールズ卿で彼の息子がセバスチャン(!)なのである。ちょい怪しい雰囲気の金髪の美男子で確かにセバスチャンの名にふさわしい^^;その上アル中ならぬヤク中だというじゃないか^^;おまけに怪しいなと思っていたらセバスチャンほんとにゲイでして前半の終わり頃に夜のカフェで黒髪の可愛い青年を引っ掛けてヤバいことになる、という展開あり(どこに注目してんだか)絵画ミステリードラマなのに(そういえばあっちのチャールズは画家だったしな^^;)セバスチャンという名前が呼ばれる度にどきりとしてしまう馬鹿な自分であった。

とにかくそういう自分だけの萌え話は置いといて、非常に面白いドラマなのだ。
ヘレン・ミレンはこのドラマの役どころよりはるかに年上とお見受けするがそれでもやはり魅力的で素晴らしい。元、人気歌手でドラッグにも溺れた経験がある男好きのする奔放な女性という設定である。今はもうすっかり人気はなくなったがアイルランドの田舎で音楽作りをしながら気ままに暮らしているというマギー。しっかり若い男もいるようだ。
ある晩、友人の父親で自分も父のように慕っていたチャールズ卿が撃たれて死んでしまう。彼の家からは絵画が一枚盗まれており、ずっとしまいこんでいたはずの絵が飾られていて保険がかけられていたという。
チャールズ卿の息子セバスチャンはドラッグ中毒で6万ポンドという借金を負っていた。
強盗事件はセバスチャンの企みなのか、息子の借金を返す為の父親の命を懸けた計画だったのか。
チャールズとセバスチャン両方に恩義を感じているマギーはのんびりした生活を捨て一肌脱ぐ為に立ち上がった。

ここで彼女が頼りにするのがロンドンで美術商として働いている妹。いくらなんでも都合よく妹が画商っていうのはなんだけど話が早いからどうでもいいや。そして普段はぼやいてばかりという妹のダンナがマギーの「美術商になりすまして盗まれた名画を取り戻す」という計画に普段の自分を忘れて乗っかりすっかり熱くなってしまう。妹スージーは奔放な姉の出現でダンナが豹変したことにややむっとしてるわけなんだが。
つーわけで売れない歌手からロシアのクランジスカ伯爵夫人に変身したマギーは美術の知識もないままにニューヨークの絵画オークションへと乗り込むのだ。

妹スージーの家で入浴するマギーがいるとは知らずスージーの亭主オリバーが入り込む場面が有名なダヴィッドの『マラーの死』のパロディになっているのがおかしい。しかも角度が違うのにさー。
スージーが得意とする絵画と盗まれた絵画が同じものだというのも随分強引だがそれがカラヴァッジオだというのもははーんジャロルド監督の好みでの選択ですな。持ち込んだ素描の絵もゲイだしなあ。
しかしカラヴァッジオ派の女性画家アルテミジア・ジェンティレスキが描いたという『ホロフェルネスの首を切るユーディト』がこのドラマで盗まれる絵画となっているのは何か意味があるのだろうか。ドラマ中でスージーが「この絵は男性には怖ろしい絵なのでしょうか」と話すシーンがあるのだが、ドラマで盗まれる対象となる絵がこれというのは凄まじいような気がする。普通はほら綺麗な女性の絵だとかさ。女が男の首をかき切っている絵というのがアイテムっていうのも。
あくまでもヘレン・ミレンが主人公で彼女が魅力的に撮られたドラマなのだがあちこちにジャロルド好みが散りばめられていてなんだか男性のヌードがよく出てくる。
それにしたって衝撃なのはそのセバスチャンがゲイであって美青年とのベッドシーンが少しながら出てくることで1997年のTVドラマでこれはよかったんだねえ、とそんなことばかり驚いてるのだった。ヘレンのベッドシーンはさすがにカットされてたし^^;一番の見所はセバスチャンvs黒髪君のナンパシーン&キス&局部でしょ。むしろナンパシーンの方がエロテッィクだったが。

時間的に前半だけを観たのだが明日の後半が待ち遠しい。
このドラマあまり借りられてないようだが美術ファン、ヘレンファン、ジャロルドファン&ゲイ場面を観たい方はなかなか楽しめるのではないだろうか。

美術商に扮したマギーが戦うのがニューヨークのトップの美術商でイタリア系のタッシなのだがこれを演じるのがフランコ・ネロ。フランコ・ネロって『ケレル』にも出てたしやっぱりそういう系なのかな?

監督:ジュリアン・ジャロルド 出演:ヘレン・ミレン イアン・グレン フランコ・ネロ マイケル・マロニー イアン・カスバートソン
1997年イギリス

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カラヴァッジオのユーディト

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ジェンティレスキのユーディト

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ダヴィッド マラーの死


posted by フェイユイ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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