映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年06月07日

『気狂いピエロ』ジャン=リュック・ゴダール

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PIERROT LE FOU

ゴダールを今までなんとなく観てなくてやはり少しは意識して観てみるものかと思ったのだが、これがどうもうまく乗れなかった。
無論難解と言われているゴダール作品なので理解できたのかどうか、ということもあるのだろうが理解したいと思うような気持にどうしてもなれなかったのだった。

ちょうど気にかかっている事柄があって、大したことではないのだが、気が乗らないと映画鑑賞に集中できないものだ。
何故こう気が乗らないのかというと、フランスという国の文化に反感と抵抗を感じるものが凝縮しているようで元々フランス好きな人にはいいのだろうがこの軽さみたいなものがどうしても気を殺いでしまうようだ。
ベルモンドという俳優は確かにかっこいいんだけどそれがさらに観る気を失わせてしまうし彼を狂わせてしまう女性にも魅力を感じない。というかこういう女性の描き方、扱い方をする作品には心底反感を感じる。
サム・ペキンパーのような犯罪者の物語は好きだがこういうオシャレ系にまとめられてしまうとどうしても楽しめない。
どうせフランス語はわからないのだが、二人で詩を読むようにセリフをいうのも歯が浮いてくる。なんだか一つ気に入らないとずるずる駄目になってただもう悪口になってしまいそうだ。
その上、愛情も何もない、という作品で一体何が評価につながるのだろうと思ってしまう。
何につけてもふざけた様子、愛情はないが嫉妬はあって、人種差別や肉体的欠陥の差別などが感じられ、風景は全く美しくないし(なぜ美しくないんだろう)基本的にギャングが出てくる話が嫌いなうえに、登場人物を一人も好きになれない、ドキドキするようなことは何もなく、フランス語とフランス人自体を嫌いになってしまいそうな映画である。(ルイ・マルがいるからそんなことはないが)
難解とか嫌悪感を感じてもどこか一つくらい印象に残るいい部分がありそうなものだがすべてが嫌いだ。
そういうすべてが嫌いになるほど嫌な映画を作れるということが凄いのかもしれない。

ラストの爆破シーンはむかつくほど嫌いだが松ケンの『銭ゲバ』ラストシーンを思い出した。どおりでどっちも嫌いなはずだ。(ごめん。松山ケンイチは悪くないんだ。ただこういう破滅型っていう人間がきらいなだけ)

もし私が男でしかも年寄りでこのヒロインのような若い女性に憧れて映画を作るんでもこういう作品を作るような男にはなりたくないもんだ。自分をベルモンドに投影させて若い女に翻弄され破滅させられたって。勝手にしんでろ。

監督:ジャン=リュック・ゴダール  出演:アンナ・カリーナ ジャン・ポール・ベルモンド サミュエル・フラー グラツィエラ・ガルヴァーニ ダーク・サンダース ジミー・カルービ
1965年 / フランス


ラベル:犯罪
posted by フェイユイ at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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