映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年06月16日

『動物農場』ジョン・ハラス&ジョイ・バチュラー

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ANIMAL FARM

ジョージ・オーウェルも読まなくてはならないなあと思いながら読まないま今日に至ってしまったのだがこうしてアニメで学ぶことができるのは何とも有難いことだ。
アニメ自体1954年公開のもので確かに現在の日本のアニメと比較すればあまりに単純な絵と技術と演出だろうがそれだけにより生々しく明快に訴えてくるのではないだろうか。
最初はあまりに動物たち(人間も)が稚拙のように思えたがすぐに慣れてしまってそんなことより内容の恐ろしさが気持悪く、この絵だからまだ観れるがもっとどうにかした絵だとおぞましくて観ていられないのではないかとさえ感じられてくるのだった。

人間に支配されていた家畜たちが劣悪な環境に対し反逆する。この運動は成功し人間を追い出すことができた彼らは豚たちを先導者、特にスノーボールがそのリーダーとして他の動物たちを引っ張っていく。
動物だけの農場が案外うまく運営できるようになった時、スノーボールは彼らのためによりよい環境を作ろうと立案する。だがそうしたスノーボールの地位を奪おうとする豚ナポレオンは隠れて犬たちを手なずけ自分だけの武器にし、スノーボールを殺害するのだ・

なんて判り易い革命の過程、そして権力の移り変わり。虐げられていた者が立ち上がりいつしかその中からさらなる反逆者が生まれる。
圧政を憎んでいたものがさらなる圧政を他にかけようとする。
いい豚だったメージャー爺さん、スノーボールの死後はナポレオンを頂点とする豚たちが他の動物たちを下等と見なして過酷な労働を強いていく。
動物農園のシンボルとなる風車の建設という重労働を苦にすることもなく働き続ける馬のボクサーと仲良しのロバ・ベンジャミン(!)(単純にもロバがベンジャミンだったのでどうしても彼がベン・ウィショーのような気がして^^;親友ボクサーと仲良く働く姿が可愛いのだ)の二頭が自分たちが頑張ることでいい農場ができると信じている姿と家の中でのうのうと寝そべっては食ってばかりの豚たちの対比が歯がゆい。
しかも人間たちの侵入と暴力で風車が破壊されボクサーは傷を負った体で風車の再建に耐えて働く。ついに力つきたボクサーを豚たちが売り飛ばしその死と引き換えに手に入れた酒を飲むのを観た時はいくらアニメの豚の話とはいえむかむかしてしまうではないか。
ボクサーがにかわ工場へ運ばれて行くのを見た親友ベンジャミンは泣き叫びながら彼を追いかける。
その後もベンジャミンは豚たちの圧政の下で働き続けるのだが豚たちの「下等な動物をもっと低い条件のもとで働かせる豚たちに励ましの勲章を与えられる」光景を見た時、痩せてあばら骨の浮いたベンジャミンは動物たちとともに再び立ち上がる。

スノーボールが掲げた動物たちが幸せに暮らすための法律をナポレオンたちが次々と自分らの都合のいいように変えていく。
この物語は当時のソ連を批判しナポレオンはスターリンを意味しているらしいが様々な国の指導者に似た姿を見ることができるのだろう。
多分私が思ったことは殆どの人が感じることなのだろうが、それでもまた同じような権力と圧政が繰り返されてしまうのか。ボクサーがかわいそうでならないし、卵を取られて反抗したことで殺されるめんどりたちが哀れだ。

監督:ジョン・ハラス&ジョイ・バチュラー
1954年 / イギリス


posted by フェイユイ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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