映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年06月24日

『ビートニク Beatnik』チャック・ワークマン

ビートニク.jpgビートニク ジョニー.jpgビートニク アレン・ボブ.jpg
右端のがアレン・ギンズバーグとボブ・ディラン
Beatnik

今夜もまた近い将来ベン・ウィショーが演じるルシアン・カー『Kill your darlings』の為にビートニクスを探していて、彼に出会えることはなかったのだがドキュメンタリー映画『ビートニク』を観ているうち、ルシアンのことは忘れて夢中になってしまう。どうやらミイラ取りがミイラというのではないがすっかりビートニクス信奉者になってしまったようだ。

1999年公開の映画で若くてハンサムなジョニー・デップも出ているというのにレンタルすることができず購入する羽目になったが、私のようにビートニクに興味を持ったのなら後悔はしないと思う。とても優れたビートニク参考資料なのではないだろうか。
(ところで先日も私が「ロマ」を知りたくて探してたらジョニー出演の映画を観ることになった。考えたら同じ世代。興味のあるものも似ていて当然だ)
チャーミングなジョニー目的で観た人は少々物足りないかもしれないがそれでも彼の朗読が聴ける。
私はとにかくビートニクの写真や映像、インタビューなどが目的だったがこちらはふんだんに盛り込まれていた。先日観たバロウズの作品映像、バロウズ、ケルアック、ギンズバーグが出会った若い当時から年を経た姿も、彼らの声、言葉、考え方がぎっしりとはめ込まれている。
そして彼らを取り囲む他のビートニク作家たちも(惜しむらくは期待していたルシアン・カーは見当たらなかった)
バロウズの痩身と哲学者のような(またはギャングのような)容貌は抜群にさまになっている。『クイア』や『裸のランチ』を書き恐ろしいほどのジャンキーでピストルや刃物などの武器を愛し、講演ではいつも強烈な罵りを挟み込む可愛い青年や少年が大好きなゲイの老人である偉大なW・バロウズは滅茶苦茶にかっこいい。
若きケルアックはまるでモデルか俳優かというようなハンサムな顔立ちで確かにこれで天才ならギンズバーグならずとも惚れこんでしまうだろう。そして彼の双子のような相棒であり『路上』のディーンのモデルであるニール・キャサディ。二人とも肉体的にも男らしい美貌なのが不思議なほどで彼らが若者たちのアイコンになるのは当然のことで、ケルアックには才能とニールの人を引き付ける魅力があるということもこの映像を観ているだけで伝わってくる。
そしてこの数日ビートニクを探索しているうちに一番好きになってしまったのがアレン・ギンズバーグである。映像の中で「醜いゲイの眼鏡野郎」と称されてしまう彼だがそのコメントは「そいつがアメリカで最も勇敢な男になった」と続く。
好きになった理由はなんといっても彼の詩集『吠える』を読んで。原題で『Howl』というなんだか日本語と似た響きだ(というか日本語訳した人がうまい)精神病院に閉じ込められたカールという友人の為に作った詩だというがまさに吠えるような激しい言葉が連なる。これを初めて肉声で朗読するのを聞いた聴衆がどんな驚きだったか。ちょっとぞくぞくするではないか。
ケルアックには無論いい男と見ればすぐ好きになってしまうような惚れっぽい人みたいで確かに他の仲間に比べるとハンサムではないのだが、その才能と映像から受け取れる温和な感じ、仲間が彼を罵倒していても優しく手をとるようなところ(どうせそういうのもゲイ的だと言われるのだろうけど)平和を愛し(大概ビートニクのような人は平和主義だろうけど)仏教にのめり込み麻薬もほどほどにやってるようなとこも年取って髪が薄くなりますますおかしい風貌になった様子も皆好きになってしまった(バロウズは年取るほどかっこよくなるが)
時間が経つと過激と思えたビート作家たちも特にギンズバーグは大勢の人に溶け込んでいってしまうのだがそういうその時に応じた柔軟な生き方ができるのも素敵である(かといって彼はずっと思想的活動を続けているのがいいのだ)そしてずっとゲイであってじい様になっても人前でじい様相手にディープキスをしていたのだと(この話は本作ではないよ)
とにかくそういうんで私はすっかりギンズバーグ派になっちまった。かといってケルアックもバロウズも素敵なんでみんなかっこいいんだよね、この方たち。
無論映画作品にするわけでカッコよく捉えているのだろうが、それにしても痺れてしまうビートな彼らである。
社会に対する憤懣を詩にして訴えるなんていうのがまた流行ったりしないのだろうか。

映像の中で写真集が出てくるのでネットで出てくる写真もそれからなのかもしれない、見たことのある写真がいくつもある。
ヒッピーの世代ではないから髪型や服装はそれほど一般と違うわけではない彼ら。
だがその言動は当時の人々から見ればとんでもないアウトサイダーだったわけで。『ビート』という日本語としては掴みにくい言葉だが黒人が話していた言葉から生まれたという。「打たれる」というようなマイナスなイメージを持ってしまうようだけどギンズバーグはそれbeatitude(至福)から出ている言葉だと言うのだ。

作品中、ジョニー・デップ以外にデニス・ホッパーが登場。いかにもクスリと旅が似合う男である。

監督/脚本:チャック・ワークマン 1999年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Lucien Carr ルシアン・カー

2010年公開となる『Kill Your Darlings』John Krokidas監督作品で
ベン・ウィショーBen Whishawが演じるルシアン・カーLucien Carrご本人の画像を集めてみました。ネット上に出ていたものなので正確であるかどうかは保証できませんが。

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ケルアックとルシアン

Lucien Carr.bmp
Lucien Carr and Allen at Lucien's wedding to Francesca "Cessa" von Hertz, January 4, 1952.

Lucien Carr + 'The New York Times'.jpg
カマラー事件の記事のルシアン

Lucien Carr2.bmp
Lucien Carr, Jack Kerouac, Alan Ginsberg, William Burroughs in 1944
(ところがとある本ではルシアンじゃなくハル・チェイスとなっていた。もーどうせ判らんし)

beat-span.jpg
William S. Burroughs, Lucien Carr, and Allen Ginsberg

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これもルシアン?
posted by フェイユイ at 14:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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