映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年06月25日

『ダーククリスタル』ジム・ヘンソン フランク・オズ

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THE DARK CRYSTAL

先日ジム・ヘンソンのTV作品を観て「セサミストリートは当然知っているがそれ以外は・・・」みたいなことを書いて気になってこれを観たのだが、なんだいしっかと観た作品だった。
まったく度忘れにもほどがあるが観始めたら次々とどの場面も知ってる知ってるてな感じで。でも観るまで思い出さなかったんだよね。
まあ、観てみてよかった。そうそう、これは秀逸な作品なのだ(何を今更)なんというか異世界ファンタジーの手本みたいなものだねえ。

よくこの世界から異世界になんかの拍子で入り込んで冒険をする、みたいな作品があるけれど私はその類はあんまり好きじゃなくて(いいのもあるかもしれないが)その世界だけでまとまっているのを覗き観るような作品のほうがいいのである。
特にこの作品のように主人公が人間じゃない、というのはちょっと上級者コースみたいな感じでとてもうれしくなってしまう。
この物語の主人公はゲルフリンという種族の最後の生き残りの二人。顔立ちは人間ぽいが若干異なっていてそれが確かに異世界な雰囲気を感じさせてくれる。(似てる人もいるかもしんないが)
負のパワーを持つダーククリスタルを手中にし、世の中を支配する悪の種族であるスケクシス族(猛禽類のような外見)は二人が属するゲルフリンから全滅されるという予言があるために彼らを抹殺しようとした。少年ジェンと少女キーラはその生き残りであり。それぞれ別々にミスティック族とポッド族に拾われて成長した。
ジェンはミスティック族の長老が死の床で「ダーククリスタルのかけらを見つけて世界を救うのはお前だけだ」と言い残す。
3つの太陽が再び重なるとダーククリスタルの負のパワーによって悪のスケクシス族は永遠の支配を約束されてしまうのだ。それまでにジェンはクリスタルのかけらを見つけ出し、ダーククリスタルにそのかけらを合わせねばならない。

物語はいかにもスタンダードな少年向け冒険譚だが全体の持つ雰囲気は子供向けだけとは思えないどこか本当に恐ろしいものが秘められている。
スケクシス族が他の種族からエッセンスと呼ぶ彼らの体液を抽出しそれを飲んで若返り、エッセンスを抜かれた者は思考することができなくなって労働を強いられる、という部分はぞっとするものがある。
城に乗り込んだゲルフリンの二人のうち女性であるキーラがとらえられてエッセンスを抜かれてしまいそうになり、さらに性はないらしいのだが男性的な風貌のスケクシスたちに取り囲まれ刃を受ける場面はサディステッィクなエロチシズムを感じさせる。
長老はジェンに世界を救うのはお前だ、と言ったが殆どの活躍はキーラのように思えるのだが。
人間の顔ではないが二人はどちらも綺麗で魅力的な容姿をしている。キーラの金色の髪の乱れ方などとても愛らしく見える。

人間不登場のクリーチャーのみの世界が素晴らしい。『スターウォーズ』の世界とかぶるものがある。両方を手掛けたスタッフがいるので当然かもしれないが。クリーチャーだけでなく恐ろしく深い穴みたいなのも。

善のミスティック族と悪のスケクシス族が元は一つだったのが分かれてしまい、再び一つになるのだが、そうすると彼らはどういう性格になってしまうんだろう。合体する場面もややおかしな気もしたが。
生き残りの二つの種族の人数が同じでスケクシスが怪我した時、また死んだ時のミスティックにも同じ影響が及ぶというのは面白かった。
この作品はできるだけ子供向けに軽くなるよう作られているがこういう世界をもっと追究していけばどんどん危ない世界に入っていってしまうような雰囲気を持っている。

監督:ジム・ヘンソン フランク・オズ
1982年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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