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2009年07月16日

『中国の鳥人』三池崇史

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三池崇史監督、本木雅弘主演でこの写真、絶対飛べそうにない羽根をつけて真面目な顔で立っている。一体どんな映画か想像もつかなかったのだがハチャメチャな作品であることは間違いない、と思っていたのにこんなに立派な映画だったとは。
時折、石橋蓮司のバイオレンスで三池監督作品だということを思い出させてくれるが、それ以外は非常に真摯な映画であった。
とはいえ、他の映画にはあまりないほど強烈な笑いがあちこちに仕掛けられているし、三池監督作品は基本的にファンタジーであるので確かにそういう意味ではまさにらしい映画でもある。

何といっても本木クンの端正ながらどこかユーモアを持つ美青年ぶりと石橋蓮司のいつ爆発するかわからないおっかないヤクザぶりの対比が非常に効いていてその化学変化がたまらない。そこにはちゃめちゃ日本語の案内人・沈を演じるマコ・イワマツの奇妙な薬味も作用して若干悠長な作品ながら飽きさせないのである。
唐突に中国雲南への出張を頼まれた会社員和田(本木)はよくわけのわからないまま、翡翠の産地である山村へ赴くことになる。だが彼を待っていたのは通訳兼案内人の沈さんだけではなく借金取立人のヤクザ氏家と名乗るコワモテ男もだった。
初対面の3人の男の珍道中がおかしくてたまらない。都会暮らしの日本人が中国奥地に行ってとんでもない目に遭う、という話はもう数えきれないくらい聞くのだがそれでもやっぱりおかしいんだよね。
どこまで本当で嘘か判らないが殆ど本当の体験談じゃないのかと思ってしまう。物凄くフレンドリーに話しかけてくる列車の中の人だとか、いきなりドアやハンドルが外れてしまう自動車だとか、丸見えのトイレ(と言える代物じゃないが)だとか、いけどもいけども山また山、亀が動力である船(じゃなくイカダ)なんかもまさかこれはありえねーとは思うけど。
ああ、そういえばヤクザって都会の生物なんだよね。岩山登山してるヤクザって。石橋さんが必死でロッククライミングして上りついたら土砂降りの中じっと座りこむ。きっと「ヤクザの仕事ってこういうのだったけ?」って心で泣いているはず。もうおかしくて笑うしかないやね。
山の中の村は中国の山並みの絶景で緑が滴り落ちるような美しさ。村人は皆純朴で子供たちの笑顔が可愛らしい。主人公が仕事も忘れて自然と村人たちに惹かれてしまうのはお約束だけどもっと彼らを愛してしまったのがヤクザ氏。小指一本を引き換えに足を洗って(というのがまたおかしくて)主人公和田の会社の開発アドバイザーとなって村に住み着いてしまうなんて。
主人公・和田は結局日本に帰り結婚し子供が生まれ数十年が過ぎ去りかの村を懐かしむ。

主人公のナレーションで「僕は空を飛んだ夢を見たことがない」というのから始まる。
世の中には結構空飛ぶ夢を見る人がおられるようだ。実は私も空を飛ぶ夢、というのはまったく見たことがない。あまり要望していないのだろうか。ただ、ずっと昔あんまりそのことを考えていたせいか一回だけ「どうもうまく飛ぶ夢が見れないなあ」みたいな感じの夢を見て物凄く低い地面すれすれに飛ぶ夢を見た。しかも物凄く辛くてこんなにきついんだったら飛べなくていいやって感じだった。以来一回もない。おまけにわたしは夢の中で自分じゃない人が主人公だったりすることが多かった(過去形なのは大人になってから殆ど目が覚めてからも覚えているような夢をみたことがない。いつも疲れきって爆睡なのだ、うたたねの時馬鹿夢を見たりはするが)
しかしはっきり覚えてるがちょうどこういうのみたいな「飛ぶ子供がいる山村を訪れる」夢は昔観たことがある。その村はこの映画より切り立った危険な山村だったので15歳未満ほどの子供だけは空を飛べるのである。夢の中の私は(これは自分だったようだ)「へーっ」と驚いた、つまり信じたわけだが、そりゃ目の前で飛んでたからね。飛ぶと言っても舞い上がるんじゃなく崖から落ちても大丈夫なように浮かんで降りる、というのが妙にリアルであった。残念なのは大人になると飛べなくなるのだ。「人間というのはよくできたものだ」と夢の中で感心していたが本当にいるのかな?あ、そこはさすがに日本じゃなく外国だった。よくわかんないけどアジアのどっかだったのかなあ。(夢の話だけど^^;)

監督:三池崇史 出演:元木雅弘 石橋蓮司 マコ・イワマツ
1998年日本


posted by フェイユイ at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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