映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年08月05日

『リプリー』アンソニー・ミンゲラ

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The Talented Mr. Ripley

何だか急に観たくなってしまったんですよねえ。忘れっぽい私が殆ど覚えているほど見返してるんですが。

この映画で特に好きなのはむしろ女性二人。こういう男性主体の映画だと女性の役っていうのは付け合わせ的になってしまいそうだが、本作は女性の役がとても効果的に使われながら人間的な魅力と存在感があるのがいい。グゥイネス・パルトロウのマージとケイト・ブランシェットのメレディス。特にメレディスは脇役にも拘らず時折思い出しては観たくなるのが不思議なのだが。
勿論男性陣も文句なしでマット・デイモンはカッコ悪い側面と頭がよく感受性が豊かで非常に美しく見える側面を上手く出しているし、気まぐれでちょっと馬鹿なお坊ちゃんをジュード・ロウの美貌でこの上なく素敵なトムが憧れるに足る男性像として表現している。そして強烈な印象のフレディを演じたフィリップ・シーモア・ホフマン。最初観た時なんかはあまりに彼が憎らしくて騙してるのはトムなのに早く彼を殺さねば、という気持ちになってしまったが、観る者をそういう気持ちにさせるのは監督の狙いとホフマンの技ということなんだろう。
ディッキーのパパのジェームズ・レブホーンがまたよくて、放蕩息子を甘やかして自分はよく判っていると思い込んでしまっているのが金持ちらしい。
そして後半登場するピーター役のジャック・デヴェンポート。
トムがディッキーに対して抱いた同性愛の想いは彼の冷酷な気まぐれさが引き寄せたあげく踏みにじられてしまうが、ピーターはトムを愛し、トムもまたピーターに惹かれていくにも関わらずトムは結局保身のために彼を殺すことになる。

こんなに上手く物事が進むものか。神がこんな悪戯をするわけはないから悪魔がトムを手玉に取って楽しんでいるとしか思えない。上手くいけばいくほど彼は泥沼から抜け出られない。彼の言い方で表現すれば地下室のさらに奥の奥に彼は隠れ続けることになるのだ。

私がこの映画を何度も観たくなるのは出演者たちの素晴らしさとサスペンスミステリーの巧妙さもだが、無論ディッキーの贅沢な暮らしぶりのせいなんだろう。贅沢というと極端に馬鹿騒ぎをさせたりするのは幻滅で低俗すぎる。ディッキーの暮らしぶりというのがなんともお洒落でこじんまりとした家だとか、でも服や家具は洗練されていてマージのような本物のお嬢様な恋人と気ままに毎日を送っている感じがとてもよくてトムでなくとも入れ替わりたくなるというものだ。
前半のイタリアの小さな街の3人の生活はやがて来る破綻を感じさせながら楽しげだ。この上なく羨ましいディッキーよりトムは才能に恵まれている。だがディッキーの身の上は望んでも手に入らない、はずのもの。
トムはディッキーを殺害後ホテルのフロントから「グリーンリーフ様ですね」と呼ばれはっとする。だが彼と出会う前からトムはメレディスと言う女性に自分はグリーンリーフだと言っている。その時、いやその前、父親のグリーンリーフ氏がトムをプリンストン大学卒業生だと間違えディッキーの友人だと誤解した時からもうトムは自分を偽っている。
彼は最初からディッキーの物まねをしようと企んでいた。単に憧れていただけなのだろうがその物まねの才能が彼を逃れることのできない犯罪の迷路の中に連れ込んでしまう。

マット・デイモン自身この役をやった時はまだ実績もそれほど積み重ねていない時期だったので実にやりがいのある配役だったのではないだろうか。

監督:アンソニー・ミンゲラ 出演:マット・デイモン ジュード・ロウ グウィネス・パルトロー ケイト・ブランシェット フィリップ・シーモア・ホフマン ジャック・ダベンポート ジェームズ・レブホーン セルジオ・ルビーニ フィリップ・ベイカー・ホール
1999年アメリカ


posted by フェイユイ at 23:10| Comment(9) | TrackBack(0) | マット・デイモン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

perfumen新作!『男3人で Perfume - edge を踊ってみた』が出てた!!!

実は先日YouTubeの『男3人で Perfume ワンルーム・ディスコ を踊ってみた』をここに貼ってからというもの毎日perfumenを観てるという^^;事実を抱えてる私。
新作発表されてたんで本来ニコ動だったのだよね、彼ら。



やっぱり白が好き(ぽっ)可愛い。白くんは背は他の二人より小さいのになぜか腕が長く見えて綺麗なの。お得な体型だなあ。
でも眼鏡も仮面もよいです。ほんとに好きで困ってしまう。

あああ、またこれエンドレスで観ちゃうじゃないかあ。
posted by フェイユイ at 01:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『カリギュラ』ティント・ブラス ジャンカルロ・ルイ ボブ・グッチョーネ

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CALIGULA

公開当時、アメリカの雑誌『ペントハウス』が製作したということで内容の際どさが話題になったのは覚えているが多分観てない、かな。
あまりいい評価も聞かないようなので観るのもためらわれたが、マルコムを観たいので嫌なら途中で止めればいいやと思い鑑賞。観だしたら結構面白くてかなり長いのに最後まで観終えてしまった。

確かにこれは「ハードコアポルノ」だと言われるだけのことはあって、際限なくポルノシーン、ただもう裸体の男女、男男、女女の絡みやら単に立ってるのやらが物語の進行中あちこちで登場してくる。どうやら主演俳優たちとポルノシーンは別撮りで騙されて出演させられた、ということらしいが自分としてはそれほど怒りまくるほどの低俗なものでもないように思える。
なにせ主要出演俳優がカリギュラはマルコム・マクダウェル、そのお祖父ちゃん皇帝にピーター・オトゥール、家臣にジョン・ギールグッド、カリギュラの正妃にヘレン・ミレン、と何故かイタリア人じゃなくイギリスの錚々たる俳優陣で固められているので壮麗な舞台劇でも観てるかのような重厚さがあるし(アメリカ俳優を選ばなかったのが偉いね。脇はイタリア系が多いみたい)その重い部分とポルノシーンが手際よく見事に層を成していて緩急の配分の上手さで長丁場も耐えきれるのだろう(ポルノシーンを耐えてるような気もするが)そのポルノシーンもアメリカ映画であるにも関わらず男女だけでなく(割合としてはそれが多いが)女女は勿論、男男の口淫も映されているからなかなか本格的だと言っていいのではないだろうか。
それにしても口淫シーンが多い。
そういえばこのDVDは『ヘア解禁版』となってるがあくまでヘアであって性器にはモザイクがかかっている。そこまでするか。
(ちょっと前、ガエル・ガルシア・ベルナルのインタビューで「日本では僕のものが変な風に映ってるんだ。見せちゃいけないんだよ」とか言って大笑いしてるのが恥ずかしくて(ガエルが正しい!)もう今の時代、いい加減にしろよ、と言いたくなる)
とは言え、当時は映画館で大きなボカシが入っていた為、ポルノシーンはクローズアップばかりだから画面全部ボカシで何がなんだかわからなかっただろう。かなりカットもされたようだし。
 
まあいいや。
とにかく、マルコムのカリギュラなんてまさにはまり役なわけで若くて綺麗なマルコムをずーっと観れてとても楽しかった。男女ともに好きでしかも実の妹を一番心体共に愛していて青い目がもういっちゃってるカリギュラのマルコムは素晴らしく魅力的だった。
ところで私は小栗旬を観る度にマルコム・マクダウェルに似てるなあと思ってたんだけど小栗も『カリギュラ』やってたんだよね。あれってやっぱりマルコムに似てるって蜷川氏が思ったのか?彼のも観てみたい。
いっちゃってる目のピーター・オトゥールお祖父ちゃん皇帝もよろしいし、ギールグッド氏は言うことなし。ヘレン・ミレンのカエソニアなんて「ローマ一のふしだらな女」という役なんだけど迫力ある。

そして映画はエロだけでなくグロもかなり強烈で今現在このような映画を製作することはできるんだろうか、とさえ思えてくる。しかもこの大作の規模で。

エログロを楽しむもよし、でもエログロ苦手でも何とかそこは凌いで主要俳優の素晴らしい演技だけに集中するもよし。
私は一般の評価ほど悪くないとても楽しめる歴史劇だと思えたのだが。
マルコム・マクダウェルはやっぱり素敵だった。

監督:ティント・ブラス ジャンカルロ・ルイ ボブ・グッチョーネ 出演:マルコム・マクダウェル ピーター・オトゥール ジョン・ギールグッド ヘレン・ミレン テレサ・アン・サヴォイ
1980年アメリカ

posted by フェイユイ at 00:58| Comment(6) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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