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2009年08月10日

『レッドクリフ Part II -未来への最終決戦-』ジョン・ウー

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前篇より面白くない、という評判だったようなのだが、そうだねえ、もうこれは誰でも知っている物語なわけで、そうれをどう映像化されてて観る者はそれをどう楽しむかってことなんだろうけど。私的にはかなり愉快に観ておりました。

そうなのだ。この映画っていくつものエピソードを数珠つなぎにしていってるような感じなのだね。つまり10万本の矢を3日で集める話、水軍の参謀二人をどうやって暗殺するかと言う話。東南の風を待つ為にどうするかと言う話。
一番気になったのは本筋とはちょっと外れた女スパイ尚香と蹴球(中国語では足球だけど)の名選手・孫叔材の不思議な友情物語。
尚香が怪しいスパイ活動(伝書鳩を飛ばす)をしてるのに全く気付かず一目見て尚香が気に入って仲良くなろうとするのんびりした兄ちゃんが叔材なんだけど一体何故そこまで気に入ったんだか理解し難いほど尚香をとことん可愛がるのだ。長らく中国映画を観ていてもここまでするか、と思うような情熱があるものなのだが、彼の感情というのは普通に考えればやっぱ恋心なのかなあ、としか思えない。彼の心情を表わす台詞なんかはまったくないので想像するしかないのだが、戦場で物凄く可愛い顔の男の子に出会ったのでどっと好きになってしまったんだろうな。なんかそれはもう同性愛とかいうんでもなく単に恋心みたいなもんだとしか言えないんだけど。曹操軍の人間は一応悪役なので皆そういう負のイメージで描かれているわけだがそれら全部をひっくり返してしまうほど叔材があまりにお馬鹿でお人よしすぎて一番の悲劇のキャラクターになってしまってる。多分ずっと彼のことだけを覚えていそうな気がする。勿論ジョン・ウーの創造した人間なのだろうが。
普通なら「あんまり可愛いから女の子じゃないのか」だとか最後に尚香が女性だと知って死ぬだとかはあるけど。彼の場合は純粋に同性として好きになって男だと信じたまま友達として死んでしまうのだからなんていい奴でしかも馬鹿で可哀そうなんだろうかと涙してしまうじゃないか。
兵卒がそれなら大将も同様でこちらは美女に完全にしてやられてしまうのだ。東南の風を待つ為に美女が自分の色香を利用するとは、傾国の美女というがこういうものなのだろうかと納得したりする。リン・チーリンのヴィッキーとはまったく異なるしっとりとした美貌でもってあのしなかやかな手つきでお茶を淹れてもらえるなら男たるもの多少時間を遅らせてしまうのはむべなるかな。
それにしても髪がほどけてしまうのをあれほどに嫌がるのはあれって恥なのか。

そして主人公の周瑜よりはるかに目立ってしまった感があるのが孔明の金城武。なんだかいつもそよ風が吹いているような爽やかさでさすが天才の誉れ高い軍師の貫禄に思えてしまうから不思議だ。いつも若干おバカっぽいというイメージであるみたいだが、ここではもう孔明の霊が入ってしまったかの如き(誉めすぎ?)神々しさが見えてくる。彼のせいでトニー・レオンの周瑜の聡明さが霞んでしまったようで、まあ二人の優れた軍師の競い合いでもあり、彼らも頭脳を媒介にしてただならぬ関係のようにも見えるのだからいいだろう。
失火氏『三国志』といえば普通劉備たちの物語なのに特に後半の彼らの影の薄いこと。味方も欺く作戦だったからしょうがないものの大の男が固まって団子作りをしていた図は爆笑ものだったなあ。胡軍までお団子作ってるのだもの。可哀そうだった、っぷぷぷ。
冬至には家族で団子を食べるのが習慣といって戦いの前に皆で食べたり何故か周瑜に1個ずつあげたり(あれは年長者にあげるのだとかいう習慣があるのかしら)あげてるのになかなか小さなお椀が一杯にならないのが不思議だったり、皆からもらった団子を一気飲みする周瑜にびっくりしたり、だった。なんだか小さなお団子が物凄く美味しそうに見えたんだよねー。甘い汁に入ってるのかな?

なーんて言うような感じでたくさんのエピソードを色々感心したり不思議がったりして楽しく鑑賞したのだった。
あ、孔明と魯粛の10万本の矢のやりとりもおかしかった。物凄く心配している魯粛さん、優しい。でも孔明が無口過ぎてかかしを相手にしだすなんていうのも面白かった。

あ、日本のパロディおたく系マンガでこういう『三国志』のパロディみたいのあるじゃないですか。それを映画でやってるような気もするのだが。もっとパロった『三国志』なんて観てみたいよね。勿論やおい系で。

監督:呉宇森(ジョン・ウー) 出演:トニー・レオン、金城武、チャン・チェン、リン・チーリン、ヴィッキー・チャオ(ジャオ・ウェイと呼んでましたがねー)、チャン・フォンイー、胡軍、中村獅童
2009年中国・香港



ラベル:歴史 戦争
posted by フェイユイ at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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