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2009年08月24日

『コレクター』ウィリアム・ワイラー

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The Collector

この映画が元ネタでできた作品がどのくらいあることか、と思ってしまう監禁もの元祖といっていいのだろうか。且つ現実でも似たような事件やらストーカー的なものやらは絶えることがない。と言ってもそういう現実を考えるために観ようとかしたわけでは全然なく単にテレンス・スタンプを観たかっただけなのだ。

この作品で彼の存在を知ったし、実を言えばこの後まったく彼の出演作を最近まで観てなかった。美形などという評判のスタンプだけどこの映画では確かに整ってはいるだろうが気持ち悪さがにじみ出ていると思えてとても好きにはなれなかった(つまり素晴らしく演技力があったわけですな)
すっかり老域に入った彼を観て(『イギリスから来た男』である)これも不気味だったがかっこいい、と今更ながら好きになってしまったのだ。

さてこの作品、冒頭辺り、気に入った女性を拉致する場面までさすがにもう知っている話でもあるしどきどきすると言うほどもないかなあと思っていたのだが、次第にすっかり入り込んでしまった。
スタンダードナンバーと言ってよい作品だけに筋書きも演出も実に見応えがあって面白い。ついつい観ながら「こういう場面を使ってパロディができるなあ」なんて不埒な事を考えてしまう。
必見はなんといってもテレンスのいじけキャラポーズ。断トツは階段の上にちょっと首を傾げて膝を抱えて座るポージングだろう。このシーンはミランダも絵の題材に選んだ必殺いじけポーズだ。他にもやはり首を傾げて柱の脇に立つ、首傾げ後ろ向きポーズもあり。彼女と上手くいくと少し調子がよくなって軽く飛んでみたりする。期待に溢れた踊りである。運動神経は悪いんだろうけど、石段の上を歩いてちょっと離れた石にジャンプするのかと思いきや自信がなかったらしく可愛く座ってみたりする。この時足先が子供みたいに下向きにしてるのが可愛い。
一連のお寂し表現が笑えるもとい愛おしい。そして怒ると爆発するんではなくむーっと口を結んだ怖い目になる。
もう楽しんでこのサイコチック変態男を演じてるとしか思えないのだが、きっとこの後、色々嫌なこと言われたんだろうなあ。こういう男だとしか思えないもの。あの青い目が怖い。
囚われたミランダは彼がリスペクトしていると何回も繰り返すだけあって上品で知的ながら素晴らしいスタイルの持ち主。画学生というのも憧れの対象としてふさわしい。そして彼女が地下室で描いたフレディの絵というのも彼のイメージを表現していた。(当時の流行っぽいかっこいい絵だ)
変質的なフレディの演技表現が特徴あるものなのに比して彼女はあくまでも普通の女性という表現である。
突然監禁されたことに怒り、悲しみそして隙あらば逃げようと何度も試み、ついには彼を懐柔しようとするが元々疑い深い性質の彼はなびくわけもない。
多分今作られる『コレクター』疑似ものはセックスを主体にしたものが多いだろうが本作ではフレディは彼女を「リスペクトしているのでそういうことはしない」と言っている。だが思うにこの男は対女性としては性的不能でコレクターする、という行為自体が興奮なのだろう。「結婚しても寝室は別々で」などと一々言い訳しているのがおかしいがミランダが「そういうことをしたいと思う女性」だと考えることが嫌なのだろう。
彼女が死んだ時フレディが見せる悲しみは「愛する女性を苦しめた」ことではなくせっかく捕まえたと思った蝶を逃してしまった時の悔しさに見える。

『ライ麦畑でつかまえて』の主人公を自分と比較して批判する場面も面白い。当時若者の気持ちを代弁していたキャラクターを否定しているのだからいかに彼が世の中の若者とずれているのか、ということなんだろう。
しかし今現在観ているとフレディはまったく古さがない。却ってこういう男性が増えているのでは?とすら思えてくる。セックスではなく趣味の中で生きているというような。
或いは女性にもこういうタイプが出現していくのかもしれない。

監督:ウィリアム・ワイラー 出演:テレンス・スタンプ サマンサ・エッガー モーリス・バリモア モナ・ウォッシュボーン
1965年アメリカ


ラベル:サイコ
posted by フェイユイ at 23:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

楊凡監督『涙王子』(范植偉、張孝全主演)トレイラー

先日第66回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門作品発表で紹介した楊凡監督『涙王子』(范植偉、張孝全主演)

トレイラーです。


早く観たい!!!
ラベル:張孝全
posted by フェイユイ at 01:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 張孝全 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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