映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年09月17日

『CODE46』マイケル・ウィンターボトム

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CODE 46

わーどうしよう?!この映画物凄く好きなんだけど。

何しろちらりと観た他のレビューが手酷かったのでもういいやどうでもっていう滅茶苦茶期待なしに観たのだが、この面白さは何?つか、この世界が好きで好きでしょうがないんだけど。

この世界が好きったって「この世界」は恐ろしいんだけど、この映画のイマジネーション世界が好き、ということね。
これってよく判んないんだけど実際の上海とドバイの風景をそのまま使っていかにも近未来的SFの舞台に見せてしまうという安上がりなアイディアを駆使してるわけでこういうチープさも含めて大好きなのである。
それらしく見せる為の色彩の調整も上海の空港やら夜の街やらを幻想的に見せているのも楽しいではないか。
物語としては人工授精が当たり前になるであろう近い未来への警告とも言える内容でそこに様々に開発されたウィルスを一味加えた料理になっている。
人工授精で困るのはいつどこでどういう形で同じまたは近しいDNA保持者が接近し恋は抜きにしても結合妊娠という事件が起きるか判らないということ。人工授精なら年齢や人種の操作も複雑になってしまう。オイディプスの悲劇がいつ何時起きるのか予測不可能なわけだ。そこで作られたのが『CODE46』妊娠の可能性のある男女は必ずテストを受け二人のDNAが子供づくりに何の問題もないことを証明しないといけない。もし二人がそれをしないままセックスし妊娠した場合は『CODE46』が適用され処分が行われるのだ。
またもう一つ(ここが一番わくわくする描写なのだが)世界に「内」と「外」があり、「内」に生活する人々は快適な人生を送れるが「外」は治外法権。そこに住む「人」は存在しないと同じこと、とされる。
映画は90分ちょっとの短い作品で表現としては文句なく過不足ない仕上がりなのだが、私としてはここに描かれた以上の世界、生活、人々を想像してしまうのだ。

サマンサ・モートン演じるマリア(何気に意味深)は始めから少し外れ者的な存在である。この時、地球は砂漠化が進んでいて居住区はいくつか区切られた場所に定められている。その間を行き来するには「パペル」というチケット(カード?)が必要なのだがそれを入手しないと旅行はできない。マリアはそのチケットを製造する工場に勤務していおり、望んでも入手できない者たちにこっそりと横流しする、という「犯罪」を犯している。
ティム・ロビンス演じるウィリアムは「共鳴ウィルス」を持つ調査員で不正が行われていないかをバンクーバーから上海工場へ調査しに来たのだが偶然出会ったマリアに心惹かれ愛し合ってしまう。
だが彼らは『CODE46』に引っかかる近いDNA保持者だったのだ。

ティムとサマンサの外見からオイディプスとも言われてしまうのだろうが、ティム=ウィリアムの母親のDNAとマリアのDNAが同じとなっていたからむしろ母と息子の関係なのだ。マリアという名前はどうしてもマリア様を想像してしまうからイメージ的にこれはマリアとキリスト?と恐ろしいことを考えてしまう。
とはいえ二人には(今のところ)子供はできていない。禁じられた愛を犯してしまったウィリアムは記憶を消され妻子の元へ戻り、マリアは記憶を残されたまま無法地帯の「外」へ追放されるのだ。
数々の悲恋ものはある、禁じられた恋の物語もあるがこの物語のなんという寂しさ。ウィリアムはすべてを忘れ暖かい生活に包まれ、マリアは過酷な砂漠地帯で愛する男を想いながら彷徨い続けるのだ。

この作品が気に入らないと書いた人はどうしてなのかさっぱりわからないが(仕方ない)私はもうこの話を溺愛してしまうぞ。
サマンサ・モートンは今までいくつか観て実はあんまり好きじゃなかったんだけど、この映画の短髪の彼女は凄く魅力的に見える。さすがにうまいのでこの複雑な女性の役をとても自然に見せてくれている。
そしてティム・ロビンス。前にも書いたけど私はティム・ロビンスが凄く好きでこの映画でまた好きになってしまった。
でかすぎるくらい体が大きくて(サマンサなんて子供にしか見えない)ぶちゃって感じの顔なんだけど何故かとてもセクシーなのだわ。キスシーンとか美男相手のを観ててもそんなになんとも思わんのにティムとキスするのをみていいなーなんて困ったね。
中でマリアが「そのままがいいわ。寂しそうな顔が好きよ」っていうのがあるけど本当にそう。あの寂しげな表情がくせ者ですだ。
あの眼も子供みたいでかわいくて。前も少し観てたけど本当に今度は彼の観ていこう。

ティムとサマンサが恋に落ちるなんて変だと思う人もいるようだけど私はまったく自然にしか思えなかったのだけどそれは自分が二人とも好きだと思ったからなんだろうなあ。
そして愛し合いながらもマリアは植えつけられたウィルスのせいで愛するウィリアムと共に自分たちの愛にブレーキをかけてしまう。
ウィリアムが記憶をなくしのほほんと生活するのを観るのは辛い。そしてどこかで愛の力で彼が記憶を呼び戻すのでは、と期待している。もしかしたらそんな奇跡も起きるかもしれない。
とはいえ妻子側からいえばとんでもない奇跡だが。

ラブ・ストーリーを(ええと健全な男女のラブストーリーを、と言うべきなんだけど)苦手にしている自分だがSFラブ・ストーリーには何故か弱い。この世にまだない愛の形、というものに憧れてしまうから、なんだろうか。

監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:サマンサ・モートン ジャンヌ・バリバール オーム・プリー エシー・デイビス
2003年イギリス

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何故この顔がそんなに好きなのか自分でもよくわかんないんだけど可愛い!!


posted by フェイユイ at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | ティム・ロビンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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