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2009年09月20日

『さよならゲーム』ロン・シェルトン

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Bull Durham

ショック!ティム・ロビンスが底抜けのお馬鹿役だったあ(泣)というのは勿論冗談だけどこんな若くてしかもおまぬな顔をしていたのね、と感心しきり。この前観たのはこれの2年後『ジェイコブス・ラダー』で、内容が思い切り違うからなあ。

ティム・ロビンスとスーザン・サランドンは本作で共演し結婚じゃなくパートナーとして結ばれている、ということなのだが、これを観てたらティムがすんごく若くてスーザンはいいお姉さん(?)である。今まで全然気にしてなかったけど当時(若く見えるが)ティムは30歳、スーザンは(若く見えるが!)なんと42歳なのね!!いやあ、俳優さんの年齢って判らないもんだあ。てことはスーザンは12歳も姉さんなのねー。うわーやっぱしこの色気に(あのストッキングの脚に!)惑わされたのかしらねー。

きゃっきゃっ言ってばかりじゃなく本編行ってみよー。
さてこの映画、果たして面白いのだろうか。という質問はおかしいのだが、これというほど盛り上がりもないし、深みがあるとかサスペンスがあるとかでは全然ないし、全編にわたってまったりしていて何の小細工もないような物語なんである。これは果たして他の人が観て面白いのだろうか。なにせ私はティムの若々しいお馬鹿な顔を観れただけでにんまりしていたのでいまいち判らないのである。判らないが何やら身につまされるようでもあり、ティムのことだけではなく見入ってしまったのだった。

この映画の主人公は若造のティムではなくケビン・コスナーである。しつこいが年齢を言うとコスナーはティムより3歳年上なだけなのだがティムはこれから伸びていく新入りピッチャーでコスナーはあちこちのチームから追い出されてしまう老いぼれたキャッチャーを演じているわけで、本当に俳優って不思議だ。
彼らが所属する野球チーム「ダラハム・ブルズ」はマイナーリーグでも連敗づけの超弱小チーム。入団したばかりのエビー・ラルーシュは剛速球を投げるのだが恐ろしいノーコン投手。100万ドルの腕に5セントの頭脳、と皮肉られるほどおつむが弱くマナーも自己管理もピッチングに関する知識も持ち合わせていない。監督たちブレーンは彼を一人前にするために他球団からはすでに追い出されているベテランキャッチャー=クラッシュをチームに引き入れたのだった。

この映画がちょっと変わっているのは彼らの活躍(もしくは非活躍)の語り手となっているのが一人の女性ファンということ。
高校の国語教師である彼女は様々な宗教よりも「野球教」に入信したと断言する女性なのである。彼女の信仰はそのシーズンこれと思った選手と「寝ること」
そして彼の為、チームの為に試合を観戦し的確な指示を与える判断力を発揮することだった。
うーむ、こういう女性いそうである。私はTVで野球をかなり観ていた時期もあるが生で観たことはないのだが、サッカーを生観戦していてやはり熱烈なサポーターがいるのである(アニーのようなことをしていた、と言ってるわけではない、というかそこまでは知らない^^;)
彼女ともう一人の「どの選手とも寝た女」のような存在をよしとするのか眉をひそめるか、でもこの作品の観方が変わってきそうだが、私的にはあまりその辺は気にせず観ていた(と言うのは投げやりだが)
野球関係者じゃなく一ファンなのだから別に問題はなかろう。
国語教師だけあってやたらと詩を持ちだしてくるし、会話も知的なアニーの不思議な魅力に「坊や」な新入りピッチャーエビーとベテランキャッチャークラッシュは参ってしまう。
だがアニーが今シーズンの相手に決めたのは若いエビーのほう。クラッシュはむっとするものの彼の役目はエビーを調教すること。力任せの剛腕投手は経験豊かなクラッシュとアニーの助言を聞き入れるうちに次第に本来持つ力を生かすことができるようになっていく。そしてついにメジャーリーグからの誘いが。
そしてエビーがいなくなり子守の必要がなくなったクラッシュはチームから解雇されるのであった。

これって盛りを過ぎた野球選手クラッシュの悲しさもあるけど、アニーという女性もちょっと寂しい女性として描かれてはいないんだろうか。
物語の中にはさほどアニーの心情が描かれてなく、単に弱小チームの男たちの応援をしている独身女性のセックスが目立ってしまう気もするのだが、彼女というのは多分ちょいと年齢は行ってるわけなんだよね。もう一人のミリーは若そうなので選手の一人と結婚ってことになるんだけど彼女がそういう話にならないのはあえて触れていないのか。普通、他の映画だったらエビーがメジャーに行くのなら彼女と結婚して一緒に行ってもいいはずなのに彼女は「1シーズン限りの恋」を押し通したのか。それともやはりエビーにとって「連れて行く」までの恋ではなかったのか。何も語ってはいないけど、もしかしてこれは彼女がかなりの年上だから、という結末なのかも、と思えなくもない。
若いエビーから誘われることもなく弱小チームの応援女として残ったアニーとその弱小チームから追い出されたクラッシュ。
どちらも年齢を重ねた悲しさがあるではないか。
雨の中「ブルズ」の練習を観て傘をさして帰るアニーの後ろ姿がなんとも寂しげである。雨は心の風景なのだろうか。
彼女の帰りを待っていたのはクラッシュ。ついに選手をあきらめマイナーリーグの監督の仕事を引き受けると告げにきたのだ。
そんな時もちょっと難しいことを言ってしまうアニーはやっぱり「年齢のいった女」なんだなあ。若い女の子じゃない。
エビーは二人の助言をしっかり吸収して新たな場所で活躍していく若者だ。そんな彼を送りだした二人はちょっと寂しげではあるけれど互いの心を判ってあげられる。
アメリカの小さな町の小さな野球チームに関わった目立たない男と女の物語。誰も彼らを羨ましがることもないのだろうけど、なんだか判るなあって思わせてくれる作品だった。

という「年齢のいった女」にはちょっと寂しさを感じさせる映画なんだけど、実際のティムはスーザンとパートナーになってるわけで、おい!現実のほうが甘いじゃんか(笑)
メジャーに行って髪を短くしてるティムなんてほんとに若造にしか見えん。3歳年上なだけのケビン、おじさんに見えるのも凄い。
アニーが雨の日、和傘をさしてるのも大人の女ぽいね。

この映画、ほんとに観る人によってまたは年齢によって随分違う受け止め方なのではなかろうか。年を取らんとこの悲しさはじっくり味わえないかもよー。

監督:ロン・シェルトン 出演:ケビン・コスナー スーザン・サランドン ティム・ロビンス ロバート・ウール デビッド・ニードロフ トレイ・ウィルソン
1988年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | ティム・ロビンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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