映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年10月14日

『ミッション・トゥ・マーズ』ブライアン・デ・パルマ

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MISSION TO MARS

こんなクラシカルなSFが2000年アメリカ製だなんてとても不思議なことである。しかも監督がブライアン・デ・パルマ。彼がこんな教科書の付録ででもあるかのような映画を作るとは思わなかった。かといって映像がしょぼいわけではない。ただもう当たり前すぎる内容なのだ。なんとなくテーマパークでイメージフィルムとしてエンドレスに流されている映像にぴったりのような気がする。

物語としての高揚感だとか謎解きだとかサスペンスだとかは全く感じられない。
近未来(2020〜2021年だと)宇宙航行がある程度進んだ世界なのである。
火星で謎の現象に脅かされた仲間たちを救助するためのミッション、という設定でジム(ゲイリー・シニーズ)ウッディ(ティム・ロビンス)たちが1年をかけて火星へと向かう。

仲間を救う為に1年をかける、というのはややのんびりし過ぎ。大概死んでいるだろう。
だが彼ルーク(ドン・チードル)は生きていたのだが。
物語のリアリティは死ぬほどないのだが、やたらと細部の描写が細かくリアルである。どうやらNASAが全面協力した、ということらしい。やはりストーリー映画ではなくNASAのイメージフィルムなのである。
ルーク達を助ける場面よりその前のジムたち救助船が裂傷を作ってしまった対処の場面の方がかなり凝っている。ここなど本当にテーマパークの宇宙船に乗りこんで周囲がぴーかぴーか光りながら画面や床がぐらぐらゆれたりしてその気分を出してみせるあの感じに似てる。
それにしても出演者たちは芸達者が多くてこれもまた不思議。ただ単にこういう映画に出たかったのか。何やら特典があったのか。
まあ出演するのもそれこそテーマパーク(しつこい)に入り込んだようで楽しかったのではないだろうか。
火星での強力なエネルギー物体というまではいいとしても巨大な顔のオブジェだとか、その中の宇宙の画像だとか、火星人のデザインだとか、物語の説明、最後のはるか宇宙への旅立ち、など本当にしつこいけどテーマパークの乗りで楽しいと思うべきなのか学校の修学旅行で体験するくらいの害のない優等生的な展開でゲイリーもティムもドンも真面目に演じていて偉いものである。

デ・パルマ作品なのでもっと異色なものを想像していた。どうやら酷評された作品らしい。酷いというわけでもないのだが、わざわざデ・パルマが何もこういうSFを作らなくともいいだろう、ということなんだろう。何故彼がこんな無味無臭な映画を作ったのか。その謎を解いてもらいたい。

監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:ゲイリー・シニーズ ティム・ロビンス ドン・チードル コニー・ニールセン ジェリー・オコンネル
2000年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ティム・ロビンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マット・デイモンとベン・アフレックは遠い親せき

マット・デイモンとベン・アフレックは遠い親せき

うひゃあ。やっぱり人類は皆兄弟ということか。まあ、マットとベンはもっと近くても不思議ではないが。
それに比べ、オバマ大統領とブッシュも姻戚関係なんて、えー。

アンジェリーナ・ジョリーがヒラリー・クリントンと、ブラッド・ピットがオバマ大統領と遠い親せきに当たる、と聞いた時は面白いと思ったけど。
チンギス・ハーンの子孫も男系だけで1600万人いるということだから物凄い関係者がいるということだよね。
自分が誰とつながってるのか。知りたいような知りたくないような。
posted by フェイユイ at 14:19| Comment(0) | TrackBack(0) | マット・デイモン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』ジェームズ・D・スターン/アダム・デル・デオ

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EVERY LITTLE STEP

このDVDの存在を知って観てみたい、早く観ようと思いながらつい先延ばしにしてたら偶然前日TVでこの映画の「ポールのオーディション」の部分のみ(若干前後)を観てしまった。突然TVをつけてなにやらオーディションみたいでこりゃ『コーラスライン』だよね、と思ってたらあの青年のオーディション風景のあの演技。あまりの出来事に驚いて後で新聞観たら自分が先延ばしにしていたアレだと気づいて慌ててしまったのだった。いつもだけど早く観なきゃねえ。

ブロードウェイの凄まじい生き残り世界。大陸各地からその地に憧れて数えきれないほどの若者が集まってくる。一つのミュージカルの為に何千人というダンサーが集まり歌い踊り演技する。審査員は同じものを何度も繰り返し見続け、気に入らなければいとも簡単にバッサと切り捨てる世界で、何度も聞いてきた台詞をある青年が繰り返したことで審査員がそろって泣き出す、そういうことがあるなんて。信じられなかった。
ホントに早く観てみなきゃと自分を叱咤しながらレンタル。やっと観ることになった。

アッテンボローの映画『コーラスライン』は少し前にも観たから(何度も観てるが)まだ記憶が生々しく残ってる。
TVで偶然観てしまって私を慌てさせてくれたジェイソン・タムが演じていたポール役は特に印象的な役なのだ。
彼はゲイでずっと両親に引け目を感じていた。ある日彼の仕事場の舞台裏に両親が訪ねてきていて、ポールは女装して踊っている姿を見られ激しく動揺する。
だが父親がプロデューサーに頭を下げて「息子をよろしくお願いします」と頼んでいるのを見たポールは初めて父親が自分のことを息子と呼んでくれたことに涙する、という感動的な告白をする役なのである。
その役に挑んだジェイソン・タムはずっと選考に残っているのだから歌も踊りも上手いはずでその上で彼らを泣かせるほどの演技をしてみせたのだ。他の人は多くが台詞を書いた紙を持っているのにジェイソンは何も持っていなかったからきっとあの演技は彼の中に入り込んでしまってたんだろう。あの時点で審査員が「彼に決まりだな」と言っているから決定したんだろうけど、却って観れる時間が少なくなってしまったのが残念なほどだった。彼の全部の演技を観てみたい。

そして彼の部分だけでなくあの映画にも負けないほど感動的なドキュメンタリー映画だった。
これも少し前TVで話は聞いていたコニー役に挑戦した沖縄出身のユカ・タカラ(高良結香)さん。かつてコニー役だったバイヨークは最初彼女が気に入らなくて別のアジア系に一票入れてたんだけどオーディションが物凄い長期戦な為か最後の審査ではユカの方が圧倒的に魅力が勝っていてついにコニー役を勝ち取ってしまった。
この長期戦というのは他の候補にも影響してて半年前の演技は素晴らしかったのにそのやり方を忘れてしまったのがシーラ役の女性で私も最初素晴らしい魅力があると思っていたのに運命とは残酷なものである。そして代わりに輝いたのは黒人女性の演じたシーラだった。この役も印象的で覚えているが登場人物の中では年かさの女性でしたたかな強さを持っている女性の役なのだ。

あのおっぱいとお尻のダンスをするヴァル、絶対的に上手くなければやれない元スターのキャシーなどの白熱するオーディションが続くが、映画で一番飛び抜けていた「サプライズ」の黒人青年の場面はなかったのが少し残念。

それにしてもこの映画はオーディションに打ち込む若者たちの姿だけではなく、『コーラスライン』を作りあげた亡きマイケル・ベネット、彼と共に振付をし審査員の中心人物ボブ・エイヴィアン、初演でコニー役だったバイヨーク・リーなどの青春もまた彷彿とさせる。ジェイソンの演技で涙したのは彼の台詞を聞いているうちに初演の時の思いが蘇ったのではないのだろうか、と感じさせる演出でもある。
そしてこのミュージカルが最初から完全なものではなくあの「おっぱいとお尻」のダンスナンバーがネタばれだったと気づいてタイトルを変えただとか、2度目のチャンスを願って挑戦したキャシーが当初は落選されていたことがいまいち感動を失わせていてある上演時にそれを指摘されたことからキャシーがメンバーに選ばれるように脚本を変えたらその時から人気が出ただとか、とんでもない変更もされていたのだった。
確かにあんなに懸命に踊りプライドも捨てて嘆願するキャシーが選ばれないならがっかりしてしまうだろう。そう言えば昨日観たティム・ロビンスの『未来は今』もセカンドチャンスというのがテーマだった。

『コーラスライン』そのもののオーディションドキュメンタリー映画。選ばれる者がいれば勿論落とされる者もいる、非情な世界だがそれだけに選ばれたダンサーたちの喜びは大きい。日本人のユカさんはじめ、選ばれた見知らぬダンサーたちの喜びの涙についつりこまれてしまった。
ダンサーという人々にこうも惹きつけられてしまうのは何故なんだろう。また映画も観たくなってしまった。

いやできるならこの登場人物たちのダンスと演技を観てみたいものだ。

監督:ジェームズ・D・スターン/アダム・デル・デオ 出演:マイケル・ベネット ドナ・マケクニー ボブ・エイヴィアン バイヨーク・リー
2008年アメリカ
posted by フェイユイ at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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