映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年11月02日

『ジキル&ハイド』スティーヴン・フリアーズ

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MARY REILLY

これもまた皆が知ってる古典サイコな物語。本筋はそのままということで展開は判っているのだがなかなかに凝った演出だし、監督はスティーブン・フリアーズで、マルコビッチ&ジュリア・ロバーツ共演、グレンクローズトマイケル・ガンボンまでも登場でやや地味ながら楽しめる作品だった。

スティーブンスン原作の『ジキル博士とハイド氏』は小学生の時の必須読書みたいなもんだが善人のジキルが薬を飲んで悪人ハイドになるって言うこと自体がジキルが悪に憧れてるわけだしなー、なのである。

本作映画は重くたちこめた霧の都ロンドンの雰囲気がたまらなく、どこか少女のおもざしを感じさせるジュリアと最初っからちょっと目がいっちゃってるマルコの魅力で持って見せちゃうのではあるが、あえて文句を言いたい部分もある。
元々本物のワルのような匂いのあるマルコだが何故かジキルの時は素敵なのにハイド氏の方がいまいちイケてない。
これはマルコビッチの卓越した演技力を買っての二役というか変身ぶりを見せたのだろうけど、悲しいかな、年齢のせいか、説明のようにジキルの落としだねか、という程の若さはないし、ジキルが憧れるような悪を満喫している雰囲気がマルコのハイドに感じされなかったのだよねー。確かにメアリーに変態的な舌使いをするのだとかはさすがにエロチックではあるのだがハイドがどんな風にジキルの欲望を満たすような悪魔っぷりだったかは観客が想像するしかない、という描き方だったのでやや不満気味。もう少し悪の魅力を発揮して欲しかった。
イメージ的には若くて美貌のハイドだが恐ろしい残虐性を感じさせて、初老でもう若いメアリーが惹かれるようなハンサムではないが優しい人柄のジキル、という二人の間でメアリーが揺れ動くようでいて欲しいのだがジキルほどにメアリーがハイドに心惹かれていると思えないのだ。マルコには悪いが若くてハンサムで怖さを出せる俳優と二人で演じたほうがよりよかったんでは。と言ってもマルコビッチを使う以上それはあり得ないのだろうが。
それにまあ原作もそういう設定ではなくジキルの方が容姿端麗でハイドは醜い男だったという記憶がある。ただ映画では若干ハイドがいい男っぽさを出したがっているようだったから、どうせなら思い切り美青年の方が楽しかったのではと思ったのであるが。
(自分としてはマルコで充分ではあるのだが^^;)

この作品の面白さは物語の本筋だけではなく、当時の人々の階級の違いだとか街の様子だとか、生活様式、人々の言動などに格式を感じさせてくれるところだろう。
幼い時は父親に虐げられ、働きづくめで若い娘時代をつぶしていってしまうはずのメアリーが突然出会う体験。
この時代において本が読めるほどの知性を持つ彼女だからこそ不思議な出来事に惹かれ逃げ出すこともできなかったのだろう。

ジキル&ハイドの変身場面はまさかの恐ろしさだった。まさかあんなに大変なことだったとはねえ。

監督:スティーヴン・フリアーズ  出演:ジュリア・ロバーツ ジョン・マルコビッチ ジョージ・コール マイケル・ガンボン グレン・クローズ ジョージ・コール キャシー・スタッフ
1996年アメリカ


ラベル:ホラー サイコ
posted by フェイユイ at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 欧州 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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