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2009年11月08日

『ゴスフォード・パーク』ロバート・アルトマン

gosford_park_ver11.jpggosfordpark2.jpggosford_park_20.jpggosfordpark.jpgGosford-Park-2001.jpgGosford_Park_Clive_Owen.jpg
GOSFORD PARK

ロバート・アルトマンというと『M★A★S★H』はじめいかにもアメリカンな印象であるのに1930年代イギリス貴族の物語とはどんな仕上がりになるのだろうかとやや訝しんでもいたのだが、雨の降る冒頭場面から絶対面白くなりそうな予感をさせそれ以上に楽しめた映画であった。

内容はアルトマンお得意の群像劇ミステリーで大きな屋敷の中で上階段と呼ばれる貴族階級とそれぞれのお付きの者たち下階段の連中。屋敷の使用人たちに警部も登場する大所帯だが、複雑な設定展開を判り易く紹介説明していく手際の良さは見事なものだった。

ロンドン郊外の『ゴスフォードパーク』と呼ばれるマナーハウスに様々な客が集まって来た。お付きの者も加わり屋敷の中はごった返しの騒々しさである。中にはアメリカハリウッド映画関係者も登場するのは無論アメリカ観客に共感を持たせる為であり、また彼のハリウッドへの長距離電話の内容が物語の説明にもなっている。また彼の付き人であるハンサムな青年の行動も謎を含んでいて面白さに一味加えている。

この映画作品、映画製作に詳しい人、役者関係に詳しい人ほど面白いだろうし、その演出手法を細かに説明賛辞していけばきりがないほどのものだと思うのだが、私にはそのような知識才能はないので止めるが、素人ですら脚本や演出の卓越した技術・センスの凄さはそのまま作品の深い味わいになっていることが伝わってくる。
殺人事件のミステリーだけではなく登場人物それぞれの謎解きもまた面白いのだ。

出演俳優陣の名前も相当なもので、最初に登場する伯爵夫人マギー・スミスの傲慢ぶりだとか屋敷の主人マイケル・ガンボンの暴かれる悪党ぶりだとかもさることながら、使用人チームの凄さ、執事にアラン・ベイツ、家政主任ヘレン・ミレン、従者デレク・ジャコビ、メイド=エミリー・ワトソン、付き人の一人クライブ・オーウェン、ハリウッド関係者付き人ライアン・フィリップ。
なんだか貴族より使用人たちが凄いってのが凄い。
こういう恐ろしいほどの役者たちがアルトマンの優れた監督技でこれ以上望めないほどイギリス貴族情緒たっぷりの殺人ミステリーが生まれたのだった。
作品時間も長いがこの内容でこの時間はさしたる問題でもないし、もっと観ていたいような気持にさえなってしまう。
アルトマン監督が「あの『ブライズヘッドふたたび』のような世界」だと言っていたのがむろんこれは小説の意味なんだけど妙に嬉しくなってしまう馬鹿な私であった。(註:ベン・ウィショー出演『情愛と友情』の原作のこと、念の為)

美味しい映画を心ゆくまで堪能し、アルトマンがブラックなアメリカンジョークばかりの監督ではないと今頃になってではあるが知ることができてよかった。先に観た『バレエ・カンパニー』でも驚かされていたのだがねえ。

監督:ロバート・アルトマン 出演:マギー・スミス マイケル・ガンボン ケリー・マクドナルド クリスティン・スコット・トーマス エミリー・ワトソン ヘレン・ミレン ライアン・フィリップ ジェレミー・ノーザム ジェームズ・ウィルビー リチャード・E・グラント アラン・ベイツ デレク・ジャコビ アイリーン・アトキンズ スティーブン・フライ ボブ・バラバン カミーラ・ラザフォード クライブ・オーウェン
2001年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:27| Comment(2) | TrackBack(3) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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