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2009年11月11日

『DEAN/ディーン』マーク・ライデル

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JAMES DEAN

実在の人物を演じる中でも有名な映画俳優を演じるというのははっきりとその姿が記録されているだけにやりにくいだろうし、特にジェームズ・ディーンは個性的でもあり熱烈なファンも多いのだから大変なことだろうなと思いながら観始めた。
なるほど確かにやや真似し過ぎというのか演技過剰のような気がしなくもないが同じジェームズであるフランコもディーンと同じようなのめりこみ型の俳優じゃないかと思えるせいもあってちょっとぞくぞくするような作品であった。

本当のディーンもこのような感じだったんじゃないかと思わせるような笑い方である。人懐こくてなんだかかまってやりたい気にさせる。
物凄く感情的でドキリとする行動をするのだが、それが酷く印象的で頭から離れない。
この作品のフランコにはまるでディーンが入り込んでしまったのじゃないかと思わせてくれる。
それにしても本当に細くて可愛らしい若者なのである。

ジェームズ・ディーンの映画『エデンの東』と『ジャイアンツ』(それと端役のも)は少し前に観たのでまだ強烈な記憶が残っている。
『エデンの東』の物語は優れた原作とはかなり違ったものなのだが、そんなことはどうでもいいと思えるほど心を揺さぶられる作品となって生まれ変わっている。それは本作でも演じられたキャルが父親にすがりつくシーンなどに現れている。父親役の俳優が戸惑うほどこの場面はディーンが作ってしまったキャルなのだ。
私は映画は観ていたがディーン本人がこのように父親との深い確執があるとは知らなかった。
『エデンの東』は彼そのものだったのだ。あの悲しみが溢れるような演技は大げさなものではなかったのだ。
ディーンはピア・アンジェリを愛していたことからも絶対的なゲイなのではないのだろうが、映画人に多いゲイの男性相手にもあまり反感を持つこともなく甘えていたのを見ているとやはりそこに父親の愛情を見ていたのかなとも思わせる。映画のスタッフたちを家族だと言って泣き出す場面は彼の辛い少年期を見ているとぐっときてしまう。

ついついフランコが演じているのだということを忘れてディーンのことを思い出してしまう。
走る列車の上に座ったキャルが寒さのあまり自分を抱きしめるようにする場面は彼の心をそのままあらわしているようだった。誰もが彼の姿に自分を重ねてしまうに違いない。

ジェームズ・フランコは後ではかなり体を鍛え上げているが、ここではまだ華奢と言う言葉が合っている。細いズボンのウエストがだばだぼとして見えるほどに細く、首や胸もまだ少年ぽい。悲しそうな表情とはっとするほどの笑顔を持っていて絶えず観ていたい気持ちにさせられる。
ほんとにこの間、ディーンが舞い降りて着てたんだろうな。
短いTV映画だがディーンとフランコの両方を愛してしまう、そんな作品だった。

監督:マーク・ライデル 出演:ジェームズ・フランコ マイケル・モリアーティ ヴァレンティナ・チェルヴィ エンリコ・コラントーニ エドワード・ハーマン
2001年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 北米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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