



Columbo Ransom for a Dead Man
おお、昨日観た『殺人処方箋』に比べ格段にコロンボがよりそれらしくなっている!髪がもじゃもじゃになりコートもこころなしかくたくたに。そして昨日コロンボのイメージでないほどの切れ者で横暴な態度が改善され、ますますくたびれ果て棒にも箸にもかからない男な感じがよく出てきた。
物語としても『殺人処方箋』の共犯者を騙して、というのより一人で企て決行という女性弁護士の才媛ぶりが際立っていて自分的にはこちらが面白かった。
飛行機を操縦するというアクションあり、最新型の電話機ありで楽しめた。と言っても弁護士さんが電話機の説明をするのはちょっとねえ。せめて他の人が「こういうのが今ありますよ」ということにした方がいいような。
変に思ったのはどうして義母と継子を同じタイプにしたのか、まあ、殺された男性が結局同じタイプが好きだった、つまり継子の実の母と2番目の妻も同じタイプだから好きになったのだ、と言えなくもないが、この場合は本気の恋愛ではなく騙されたようなものだという説明があるのに同じような体格で赤毛で繊細な顔つきで実の母子かと思ってしまったよ。
昨日の作品もそうだったが、70年代の服装やインテリアのデザインを見るのも楽しい。弁護士さんの髪型なんて峰不二子みたい。
吹き替えでおや、と思ったのはコロンボが空港で継子の見送りに来ていた弁護士さんとカフェで話す場面。弁護士さんがシェリーを頼み吹き替えではコロンボがグレープジュースと言ってるのだが、原語では「ルートビア」と言っているのだね。確かに映像だけではグレープジュースのようにも見えるのでまったく疑問は抱かないはず。なのに私が疑問を抱いて確かめたのは単に「グレープフルーツジュース」と聞き間違えたからで物凄く勘が鋭かったわけではない。
言語だと自分がシェリー=酒を頼んでいるのにノンアルコールもしくはごく軽いハーブ飲料を頼むコロンボを野暮ねえと笑っているのだった。
詳細に考えるとミステリーとしての疑問が色々でてくるわけだが、未成年かそこいらの娘にあんな危険な演技を頼むのはどうなのだろう。いくら空砲だからって少女にピストルを撃たせるなんてアメリカってやはり違う国なんだなあ。ピストルを向けたってことで弁護士から殺されてしまうかもしれないのに。
コロンボはチリコンカルネが大好物のようでクラッカーを砕いて入れて食べるのだが、私は食べたことがないせいか、見た目的にどうも不味そうに見える。もし食べてみて美味しかったらヨダレもの、になるんだろうか。どうも苦手そうな気がする。
監督:リチャード・アービング 脚本:ディーン・ハーグローブ 出演:ピーター・フォーク リー・グラント
1971年アメリカ パイロット版