映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2009年12月09日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.5』「パイルD-3の壁」

Blueprint for Murder

コロンボシリーズ再観始めて何度も書いてるのが「他の作品とは違い・・・」という文章。つまりどれも何かしらここは違うという押さえどころがあるのが飽きさせないんだろう。
今回も幾つも目新しいポイントがあり、一つは殺人現場を描いていないところ、そしていつもは見せている死体処理現場も今回は無し。ということでいつもはただ犯人を追いつめていく展開なのが今回は犯人は判っているがどこに死体があるのかはわからないミステリーにもなっている。そして死体が見つからないのに被害者の元妻が抱いた疑念から警察へ通報される、という筋書きになっているのも面白い。

そして今回えっと驚くのはコロンボを演じるピーター・フォークその人が監督をやっていることだろう。
そのせいなのかどうかコロンボ自身の描き方も他のと随分変わっている。
今まで観たコロンボはいつも冴えないがやたらと頭のいい警部という表現ばかりだったのが今回のコロンボは一味違う。
まず警察に通報した被害者の元妻(肉感的な美人。ピーターの好のみかしら)から凄く気に入られ他にないほどキスしたり労わられたり、という珍しくコロンボがちょっとだけいい思いをしている。
また医者を訪れたシーンで前ボタンを少し外していて、そういえばコロンボってだらしない、とばかり言われてるがシャツのボタンとネクタイはいつもきちんとしているのだ。少しだけ外したボタンのせいでわーなんだかコロンボが急にセクシーに見えて(物凄く単純な私^^;)どぎまぎしてしまった。
そしてコロンボが今までと最も違ったのは建設家である犯人が死体を隠しているに違いないパイル(建築の基礎工事のコンクリートの塊)D−3を掘り返させたコロンボの目論見が外れ犯人の前で打ちひしがれているところ。それまで見せたことないコロンボの苦しみがにじみ出ている場面がまたセクシーで逆にきゅんきゅんしちゃいました。うーん、傷ついた男って素敵だなあ。というか、敗北しながらもなんとかせねばともがき苦しむ様が色っぽいのである。
と言っても結局それはコロンボの罠で、実はわざと犯人がパイルの下に被害者が埋められているのではないかとコロンボに思わせ掘り返してしまうよう仕向けているのをコロンボは気づいてこれもわざと騙されたふりをしていたのだった。
コロンボが判らなかったのは犯人が今どこに死体を隠しているかであって、掘り返した場所を2度確かめることはない、という算段で犯人は今度こそパイルの中に死体を隠そうとし、そこをコロンボに捕まる。
前前回、前回のようなイラついた犯人との駆け引きではなくここはまさにコロンボならではの犯人との知恵比べだったのだ。

被害者がウェスタンしか聞かないのに彼の車のカーラジオがクラシック専門局にチューナーが合わせられていたことからコロンボの疑惑が確かになる、というのもかっこいい。コロンボがクラシック好きだったことでピンときたのだ。
最後に犯人と交わす言葉も「ウェスタンとクラシックじゃ全く合わない」とコロンボが言うと犯人が「建設家と殺人もね」と言う。この一言で犯人の悲しみも深みを増している。いいミステリーだった。

ところでそのビル建設の基礎工事で地下に埋められるコンクリートの塊「パイル」を捜査の為、掘り出すには役所へ行って許可を取らねばならないという話になり、コロンボ自ら役所へ行くのだが、何度も行列に並びやっと申請しようとしたら「昼休みだから1時に来なさい」と言われめげる場面がある。お役所というのは何処も同じ、という笑い話。ここでも一所懸命なコロンボの姿が可愛らしい。
というわけでコロンボの魅力満載の一話であった。
ピーター自身が監督したんだもん。少しは自分をアッピールしたいよね。成功でした。コロンボだって結構いけるのよ。

監督:ピーター・フォーク 脚本:スティーブン・ボチコ(お、ボチコさんだ。彼は色っぽい話が多いのね。私が思ってるだけだけど)
出演:ピーター・フォーク パトリック・オニール フォレスト・タッカー ジャニス・ペイジ パメラ・オースティン
1971〜1972年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ドラマ『坂の上の雲』

隣部屋「雑文手帳」で2007年1月に記事書いてから、もうドラマ放送なしになったんじゃ、と思ってたのだがきちんと予定通りの放送になったのだね。

最近はTVドラマとんと観なくなったのだが、さすがにこれは気になって1回目2回目少し見逃した部分はあるが観てみた。
長い時間をかけ、桁違いの製作費、というだけあって他に観ないほどがっしりした深みのある映像ではないだろうか。
とは言え、自分は原作にはまり込んだ記憶のもとに観ているから初に観ている人がどうなのかはよく判らないが。
なにしろ原作者の司馬遼太郎氏が連載中から来ていたオファーを断り続けてきた、というだけのスケールの大きさと確かに戦争賛美と思われるかもしれないかっこいい男たちが出てくるこの作品を本当に最後まで作ることができるのか、いまだに心配だったりもする。
秋山兄弟は文句なしの配役だと思うし(珍しいよ、納得できるって。特に兄貴はさー西洋人のように見える人だし)いつもは嫌いな香川照之もぴったしの正岡子規で、妹の菅野美穂も可愛いし泣ける。
気になってた広瀬武夫さん(ファンなの)が藤本隆宏さんというかっこいい男性だったのでほっとしたー。

とにかく物語はまだまだ始まったばかりでここら辺はドラマにもしやすいだろうが二百三高地を経て海戦の場面など一体どういう映像化になっていくのか。しかも16話を3年がかりで放送するという気の長さ。1話が90分という長さでもあるのだが、それでも描きつくしているわけではなくかなりすっ飛ばしている感もあり。確かにあの小説のドラマ化は難しいのだろうなあ。

しかし真之が今をときめく本木雅弘で、白い軍服の決まっていること。20歳くらいの時期だが全然おかしくないんだから凄いものだ。腰が細くて見惚れる。
などとそんなことばかり言ってるが日本が鎖国を解きやっと世界に目を向けた途端、その頂上を目指して突き進んでいったあの青青しい時代をドラマがどう描いていくか、最後まで行きつけるか、観ていきたいものである。
ラベル:TVドラマ
posted by フェイユイ at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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