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2009年12月15日

『刑事コロンボ 完全版 Vol.6』「アリバイのダイヤル」

The Most Crucial Game

コロンボシリーズを続けざまに観てるわけだが、こうして観ているとコロンボ自身の見え方も作品によって随分違うような気がする。
無論その日の気分だとか集中具合だとかもあるかもしれないので一概には言えないが同じピーターが演じているコロンボが確かにしょぼたれている時とハッとするほどかっこよく見える時がある。
しかもどうやらコロンボが素敵に見える時はドラマ自体も面白いような気がするのである。

というのは昨日の作品と今日のではコロンボのイメージががらりと違って見えるのだ。
他のレビューではこの二つの作品の評価はさほど違わないようなのだが、私としてはかなり違う。
昨日の『悪の温室』は物語もトリックも他の出演者も平板で退屈気味だったのだが、『アリバイのダイヤル』ではそのどれもに起伏が感じられ非常に楽しく観れたのである。
題材的にはアメリカンフットボールというより蘭を栽培する温室、なんていう方が好きなのだが、内容自体の面白さは全く逆転していた。
どうして今回のコロンボの方がよく見えるんだろう。演じているのはピーター・フォークでまったく同じはずだが、彼のあの決めの仕草や台詞が犯人を追い詰めるのが妙に気に障ってマンネリ気味に感じてしまう昨日の作品から今日はコロンボの表情や台詞がまったく新鮮になっているのだ。
それはもう作品をじっくり何度も観返してみないと判らないのかもしれないしそこまではちとやれないが確かに何かが違う。
アップになる割合が多くその表情の見せ方が変化に富んでいてしかも魅力的なのである。
後、共演者の女性も問題になる。昨日の作品に登場する奥さんはどうもやせぎすで好きなタイプではなかったのだが(って私がだけど^^;)今回は奥さんも(少ししか出てこなかったが)美人だし、問題の決め手の一つになる3日間だけの秘書役の女性イブがセクシータイプでコロンボにキスをする。ここんとこ、凄く小さな演技なんだけどコロンボって美人に優しくされると結構喜ぶ人なんですね。男だから当たり前なんだけどそれをあまり大げさに表現せずちょっと嬉しそうな表情になって満更でもないなあって顔をしてる、それがとてもキュートなのだ。
ていうかそういう小さなコロンボの心をの動きを演出としていれてくる作品とそういうのなしで進んでいくドラマでは随分作品のゆとり感覚が違ってくる。
以前ピーター自身が演出した奴でコロンボが苦悩してるのが好きだったけど本作のコロンボもあっという間に結論を出すんじゃなくかなり葛藤してる。そういう考えあぐねているコロンボにぐっときてしまうのだよね。
プールに足を突っ込んでズボンの裾の片方だけを折り曲げてたり、濡れてしまった靴を新調したんで足が痛くてよろよろ歩いてたり、好物のチリコンカルネに手もつけずテープを何度も聞き返してたりそういうコロンボのしょぼくれてるんだけど可愛くてたまんないとこやあの義眼のせいで不思議な感じに見える表情や眉の上げ下げなんか、指や手の動きが細かく彼の心情を表しているのが今回は実によく捉えられているように思えてしょうがないのだ。
確かに背の高い人物が多いアメリカ人社会ではずんぐり体型でややがに股気味。よれよれのコートは西海岸では特に奇妙なスタイルなんではないかと思うんだがちょっと背伸びして見せたり短めの腕で腕組みしてるのなんかも観てるとだんだんセクシーに思えてしまうのだからなあ。
いや、そう見えてくるバージョンの回があるのだ、きっと。

ところでそれとは違う疑問もあるのだが、コロンボシリーズ観てると犯人が「今こんな事件の後で混乱しているのだ。そっとしてやってくれ」なんていう場面が必ずあって、コロンボも「お察しします」とか言ってぐったりした女性を支えて犯人が向こうへ行く、というのがあるけど、その家族が殺されている場合でコロンボがというか警察が気を使って控えめにしなければならない、というのはあるんだろうか。そりゃそんな人に詰問しても答えは返ってこないかもしれないが警察側が神妙な顔になっている、というのがちょっと不思議。やはり上流階級だからこその反応なのか。
ま、そこで神妙な顔で見送るコロンボ、というのが結構いい感じだったりはするんだけどね。

監督:ジェレミー・ケイガン 脚本:ジョン・T・デュガン 出演:ピーター・フォーク ロバート・カルプ ディーン・ストックウェル ディーン・ジャガー ジェームズ・グレゴリー
1972〜1973年アメリカ


posted by フェイユイ at 22:48| Comment(2) | TrackBack(0) | 刑事コロンボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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