映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2010年03月19日

『ソード・ハンド 剣の拳』フィリップ・ヤンコフスキー

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Меченосец

ロシア映画でほぼ間違いなく感じる重くて暗い雰囲気がたまらなくよい。
手の中に鋭い刃物が潜んでいて主人公の感情によってそれが出現し周囲のものを傷つけていく、という設定なのだが、このことによって彼は幼い時から耐え難い孤の中で生きていかねばならないのだ。
一体何故彼の腕の中に刃物が潜んでいるのか、の説明は一切ないのも却ってさっぱりしてるしそれを使って巨大な組織と戦うなんていうのでもない。孤独な男の純な愛の物語なのである。

ソードハンドの男サーシャに扮するアルチョム・トカチェンコは影のある思いつめた表情のとても良い顔で何だかバレエ・ダンサーのように見えてくる。彼が一途に愛することになるカーチャ役チュルパン・ハマートヴァは『ツバル』でヒロインを演じていたのだった。ほっそりした体つきが女らしく色っぽい。
こうして観ていると自分もやはりハリウッド的物語設定や展開に慣れていると感じてしまう。主人公も設定も展開も何もかも違って新鮮で面白いのだ。
深読みしようとすれば他人と違う素質を持っている為に苛められっ子になった青年がやっと見つけた愛も取り上げられてしまいそうになり感情を爆発させていく、というアイディアなのだろうか。最後に物理的にあり得ない破壊の凄まじさも彼の精神の爆発の結果として最近よくある孤独な人間が引き起こす数々の事件とも重ねてしまう。
彼には愛する人を失ってしまうという悲劇しか与えられないのだ。

どうにもどんよりした物語だ。心の中に剣を隠して孤独に生きる人間は愛を求めることも難しい。
私はこの主人公に惹かれてしまう。

監督:フィリップ・ヤンコフスキー 出演:アルチョム・トカチェンコ チュルパン・ハマートヴァ レオニード・グロモフ アレクセイ・ジャルコフ
2006年ロシア


posted by フェイユイ at 10:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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