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2010年05月05日

『タイムジャンパー』アンドレイ・マニューコフ


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BACK IN TIME/My iz budushchego

これはやはり現代のいい加減な若者たちに喝を入れようという主旨の映画なんだろうか。
一見悪ふざけのようでその志は国を憂う?その気持ちは判らんでもないがでもあんまり好きじゃねえ。

そこそこ面白いのではある。
というか始まってから暫くはそれこそ変なワルノリの若者4人の馬鹿話かという感じで撮り方も今風なのが気に障り止めようかと思ったのではあるが。
ロシア人でありながらナチスにかぶれて腕にハーケンクロイツ(なのか?)を彫り込んでいる筋肉男やラップ狂いのドレッドヘア男を含む4人仲間のうちの一人が趣味人の男に勲章などを見せて売りつけている。その後通りかかる女の子たちを冷やかしながら彼らが向かったのは郊外。何もないような草原を掘り返し始める。その間も4人はなんやかやとケンカばかり。が、突然一人が小屋らしきものを発見した。その中からは拳銃と弾丸が見つかる。目論見通りそこは元戦場でソ連兵とナチスドイツが戦った場所なのだ。
気を良くした彼らの前に謎の老婆が通りかかり牛乳を飲ませてくれる。そしてこの戦場で昔息子が戦死した。その形見の煙草ケースを探して欲しいと言う。4人はふざけながら安請け合いをする。
そして4人が見つけた4つの兵士手帳。そこには何故か4人の名前が書かれていた。

さてここからどういう展開になるか、色々な方法があると思う。現代のままでこの謎を解いていくとかもできるだろう。が、彼らは「老婆に言われるままに湖で泳いでいたら第二次世界大戦中にタイムスリップしてしまう」のであった。
ナチスびいきの男がナチスに酷い目にあったり、すでに歴史ではソ連が勝利したことを教えてあげたり、ラップ男が兵士たちの前で得意のラップを披露したり、そこにいた美人看護兵に恋したり、となかなか面白い展開になる。とは言え無論4人はすぐにでも現代に帰ろうと試みる。だが湖に潜っても今度はタイムスリップしない。これはあの牛乳のお婆さんとの約束を果たさねば戻れないのだと4人が気づく。
お婆さんの息子を探しだそうとするうちに現代の戦争を知らない若者4人、今迄のほほんと暮らしていた4人が「本物の戦争」を体験していくことになる。銃で撃たれれば痛いし、戦場へ向かうのは恐ろしい。軍の規律を守らねば罰を受ける。そういう今では体験できないものを4人が味わっていく。
やっとの思いでお婆さんの息子の煙草ケースを手に入れるが、愛し合った美しいニーナは小屋ごと爆破されてしまう。
戦争の恐ろしさを知った4人は湖に潜って現代に戻る。街には平和ボケした若者たちがたむろしている。
4人は国を守る為の戦争を体験してきたのだ。

ということなんだろう。
冒頭で戦争ゲームをしている場面がある。恐ろしい敵を次々と殺してまるで自分が戦士になったような気になる。それは所詮ただの遊びでしかない。
極端に言い表しているんでもないのだが、戦争も知らないくせに格好ばかりつけるなよ、と若者に苦言を呈している作品なのではないだろうか。
そういうニュアンスが感じられるし、戦争を体験した、ということでなにやら彼らが特別な存在になったかのような映し方が何となく好きにはなれない。
台詞などではっきりと意思を説明しないのがここでは狡い気がするのだ。このラストが違ってたら、と思うのだが、多分作り手がそういう思いで作っているのだからこうなったんだろう。

美人看護兵ニーナ、凄く可愛い人だった。ソ連の戦争ものは女性兵士がよく出てくるのが特徴で楽しみの一つなのではないかな(こんな美人がいたかどうかは問わないとして)
しかし看護兵ってあんなに頑張って治療に行かねばならないのか。大変だ。

監督:アンドレイ・マニューコフ 出演:ダニーラ・コズロフスキー アンドレイ・テレンチェフ ウラジミール・ヤグリッチ カテリーナ・クリモワ
2008年ロシア


ラベル:戦争 SF
posted by フェイユイ at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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