

主役キャストも含めて普通なら絶対観ない映画である。ファンタジーという言い訳であまりにもご都合主義すぎる設定に身の毛がよだつ思いだったが、観ていく内に必死で自分自身を説得しそれなりに観通すことはできた。
竹内結子さんはTV芸能ニュース以外で初めて観た。今まで綺麗と思ったことがなかったのだが^^;ドラマで観てるとなるほど人気があるだけはあると納得できた。
玉山鉄二さんはざわっとするほどの美形で(とはいえ苦手なフェイスなのだ^^;)むしろ時代劇が似合いそうな顔立ちだと思うのだが。『なんたら無頼控』なんていうタイトルで女にもてもての酒豪の剣豪なんて感じだがどうもそういうのはやってないようだね。そういうのだったら観たい気もする。
というのは無論私は本屋の店員サトシ役の新井浩文が目的だったのだ。この作品自体は私にとってはなかなか苦行ではあったけど新井浩文的には大収穫というか、大喜びであった。
なんといってもここでの彼は今まで私が観たいつも目つきの悪い悪たれの彼ではなく、笑顔も可愛い優しいいい人をやっていてこれが結構いい感じなのだった。
ところでこの映画、昨日観た映画と雰囲気は真逆だが設定、というかとっかかりは似たようなものであるのがおかしい。
(自分の才能に疑問を感じ)居場所のなくなった青年が生きながらにして天国へ行くという話なのである。
相方となる女性が竹内結子と寺島しのぶが物凄い反対のベクトルではあるし、青年も思いつめた昨日の生島くんと今日の町田くんの「どーでもいい」感じも正反対である。
加えてどちらでも「店員」役の新井浩文が昨日の鋭い目つきと今日の可愛らしさのギャップが凄くて笑ってしまう。いきなりやってくる青年に対する態度の豹変といったら。昨日は臓物どさりで、今日は「やあ、短気アルバイト。ピアニストなんだって?女にもてそうだなあ」って。声もさわやかなのね。名前は「サイ」と「サトシ」ってなんか似てるようなどうでもいいか。
この「天国」というところ、みょうちきりんな設定をされているものである。何となくわざとらしく幸せそうに演じる人々の姿が逆に怖ろしく感じてしまったのは、本当は怖ろしい国なのに精一杯幸せそうに演じてみせるとある国を彷彿とさせてしまうからだろうか。
一体誰がどのように行政や生産を行っているのか、と余計なことを考えてしまう。死んでしまえば魂だけなのだから食べ物が必要というのもわからんし、食べるなら排泄もするだろうがその処理はどう行われているのか、犯罪ということはないのか、などと埒もないことを考え続けてもしょうがないのだが。
思うにこれはそれぞれの魂が生前に覚えているものをある意味幻影として映像化しているに過ぎなくて無論食べ物を食べているようで食べていないのであろう。美味しいと感じるのも幻覚にすぎない。
深く考えずに観なければいけない(という考え方も怖ろしいが)
しかしなぜ本屋がいきなり出てくるのか。それになんだか図書館のように思えるが。
様々な疑問を残しつつ、考えずに観なければいけないという考え方自体が恐怖であることに気づかせられた作品だった。
ところで何かと名優と評される香川照之氏だが自分はあまりいいと思えないことが多いようだ(『鬼が来た!』は面白かったが)特にこの作品での彼は妙に力が入っているせいもあってぴんと来なかった。
こんな恐ろしい暴力的な感じじゃなくもっとぼーっと無気力になっている人のほうがよかったのでは。その辺は監督の指示もあるだろうから彼のせいばかりでもないか。でもまあいいとは思えなかったなー。
監督:篠原哲雄 出演:竹内結子 玉山鉄二 香里奈 新井浩文 香川照之 原田芳雄 大倉孝二
2004年日本
ラベル:新井浩文
死者と再会系のお涙頂戴映画、あまり好きじゃないです。
結子ちゃんだけでも草薙くんのやつとか中村獅童のやつとか、、、3部作だったのかしら。
それですっかり大物女優風になってしまって、、、ショートが可愛かったのに
(あ、スミマセン口が悪いもんで)