映画・ドラマ・本などの感想記事は基本的にネタバレです。ご注意を

2008年06月25日

『L change the WorLd 』中田秀夫

L change the WorLd.jpg

どういうわけか注文していたDVDが早く到着したので早々と観る事ができた。パッケージの裏に「これを見て、今日もいい一日にしてください。」と書いてあるのでなんじゃら、と思ってたら内容を観て納得。なるほど(そう感動することもないが)

とはいえ実は今日これを観るのはかなり迷ったのであった。なにしろここ最近新井浩文作品に凝ってしまってたので、想像するに子供っぽいに違いない『デスノート』のその後『L change the WorLd 』を観れるだろうかと。
ところが意外や観はじめたらそれは杞憂に過ぎず、結構楽しんで観ている自分がいた。
無論、予想通りの子供っぽいとしか言いようのない物語で気楽に観れるといったらまだお世辞であって時々あまりの緊張感のなさに却って眠気を催してしまう。Lの命があと23日しかないんだ、という悲壮感というか寂寥感というようなものがまったく漂わない内容でそれでいいのかどうなのかよくわからない。あんまり盛り上げすぎるのもどうかと思うが結局Lが死ぬことに嘆き悲しむ人はまったくいないわけで、それこそが悲しいことなのだな。以前『ガッチャマン』を観た時、地球の平和を守る為に戦い続けたガッチャマンが死んでも誰も悲しむ者はいないのだ、彼らはそういう存在なのだから、という言葉があってもう涙が溢れてしまったものだが、Lもそういう存在なのに映画自体が実にあっさりして現代風というかドライというか、昔の物語のように涙を誘わないのだなー。ま、いいか。そういうやり方が受ける時代なのだと己に言い聞かせる。
それはいいとしてもとにかく『デスノート』時代から物凄く狭い世界の物語なのは変わらず。タイだ、アメリカだ、日本中の人々を巻き込んでいくのだと騒いでいるのにも関わらず物凄く近所だけで何人かだけのやり取りのみで進行していくように感じてしまうのは何故なんだろうねえ。なんだか、舞台劇を観てるような気持ちになってくるのだ。設定やストーリーが非常に子供向けなのは子供向けの作品なので文句をいう筋合いもないと納得しよう。
それよりもこの作品で描かれているのはLと二人の子供の関係なのだ。今まで誰も(ワタリですら)Lに命への希望、生きたいという願望を持たせなかった。Lに生きる楽しさ、希望を教えてくれたのは幼い少女と少年だったのだ。大人相手だった時、何の感動もなかったLが幼い命を相手にした時、彼らを守りたいという気持ちが彼自身も気づかないうちに芽生えてしまったのだろう。子供が自分より小さな存在を感じた時、急に大人びた気持ちであやしてしまう、そんな風に見えるのだ。
ただそれに気づいた時、Lの命はもう終わっていたのだ。でも彼の最期の微笑みは彼が初めて感じた喜びだったんじゃないかな。

まあ自分的には松山ケンイチを観たいという目的だったわけで、これは申し分ないほど彼を中心に動いていく様が描かれていたわけで(時々メインが少ししかでないような作品もあると思えば)充分満足いく作品だったのだ。
さすがに3度目のLというだけあって松山ケンイチのなりきりぶりは通常のそれを凌いでいるし、行動的なLという設定も楽しいものだった。
まさにLの最期を描く為だけの設定・物語・進行だったと思える。ワタリとの幸せそうな生活の様子だとか、いつものLらしい仕草(パソコンを打つわざとらしい手つき)相変わらずの服装、猫背はますます酷くなっているようだ。いつもは大人相手だったのであまり感じなかったが今回子供と比較してしまうのでL(つまり松ケン)って意外と大きくて逞しいのだなとバレてしまったんじゃなかろうか。
それにしてもLってほんとにワタリだけからしか愛されなかった人間なのだ。それがホントに可哀想だ。Lがいなくなるということで誰も寂しくならないような気がする。これで終わりでもどこかほっとしてるような(私がってことか。Lが大好きでLを恋人とか親友にしたいって人もいるのかね。大体松ケン自身友達になりたくないって言ってたしね。ほんとに可哀想な人だ)

Lになってる松山ケンイチはとても綺麗で見惚れてしまう。最期を迎えたLの心が少しずつ息をしているように思えて切なくなってしまうのだ。生きたい、という希望を持った時、Lは死を迎える。そんな変化をとても繊細に表現している。
子供のような作品だけどやっぱりLという存在は松山ケンイチという役者を通して他にない魅力的なキャラクターであることは確かなのだ。

監督:中田秀夫 出演:松山ケンイチ 工藤夕貴 福田麻由子 南原清隆 福田響志 佐藤めぐみ 平泉成 鶴見辰吾 高嶋政伸
2008年日本



posted by フェイユイ at 00:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 松山ケンイチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画余興で作ったような映画でしたね。監督の自己満足の映画でとてもお金を取って見るせるようなしろものじゃなかった。頭の悪い適役とさらに頭の悪いLなんて誰が見たいと思うんだろう。松ケン渾身の演技をあんな話しで台無しにして残念でした。
 
 カムイに期待するよ!!
Posted by 梅 at 2008年06月26日 00:22
あははっ、厳しいですねー。私としては『デスノート』自体が子供向けと思ってるのでまあ楽しめましたが。でもLファンにとっては酷い内容ですよね、きっと。

『カムイ』への期待は並々ならぬものがあります。なんといっても崔洋一監督作品なので。私なんて勝手に「ここからだ」なんて思っているのですが^^;いえ今までの全作品を否定するわけじゃないんですが。へへ、すみません。
Posted by フェイユイ at 2008年06月26日 00:57
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